FXのイースターとは?いつが休暇になるのか解説

FXの為替相場には、現実世界のさまざまなイベントが反映されます。クリスマスや経済指標などが有名です。その中で「イースター」というイベントがあるのをご存知でしょうか。イースターについて理解しておくと、取引を有利に進められる可能性が高まります。

今回は、FXのイースターについて説明します。概要はもちろん、注意点もまとめました。取引をする際に意識するべきこともまとめたので、ぜひ参考にしてください。

FXのイースターとは

FXのイースターとは、キリスト教の復活祭に由来するイベントです。春分の日の後に発生する満月の次の日曜日がイースターにあたります。年によって日付が変わる移動祝日なので、注意しましょう。なお、変わるのは日付のみでイースターの曜日が変わることはありません。

キリスト教が優勢な国や地域においては、イースターの翌日の月曜日も休日になります。欧州や米国の金融市場に関しては、イースター前の聖金曜日も休場になります。イースター当日の日曜日を基準に、その前後の平日も休日・休場となると覚えておけば、FXの取引で混乱することはなくなるでしょう。

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イースター前後ではFX取引所のお知らせ欄を要チェック

後ほど具体的に説明しますが、イースター前後では為替相場に異常が発生します。通常通り取引できなくなる可能性が高いでしょう。このイレギュラーに対応するために、イースター周辺ではFX取引所のお知らせ欄をこまめにチェックするようにしてください。

イースターが近づくと「イースター休暇について」というタイトルで、日時や注意事項などが記載された情報が発表されます。このお知らせをしっかり読み込めば、イースターの対策が十分にできるので取引で失敗する確率を大きく下げることができます。

FXのイースターに関する注意点

FXのイースターでは、終値と始値の大きな乖離に注意しましょう。拡大するスプレッドや取引価格の配信停止などにも注意してください。ここでは、そのようなFXのイースターに関する注意点をいくつか紹介します。

終値と始値に大きな乖離が生まれやすい

通常、FX取引所の為替相場が止まるのは、土曜日の早朝から月曜日の早朝までの2日間です。あまり長く為替相場が止まらないので、週明けの月曜日からは問題なく取引を再開できるでしょう。

しかし、イースターが開催される際は、金曜日から火曜日までの4日間も為替相場が止まります。長く為替相場が止まるので、金曜日の終値と火曜日の始値に大きな乖離が生まれやすいと言えます。これをFXでは「窓が開く」と言うのですが、窓が大きく開くと週明けの相場は少しの間荒れる傾向があるので注意しましょう。

スプレッドが大幅に拡大しやすい

スプレッドとは、買値と売値の差額のことです。例えば、買値が100円で売値が99.99円なら1銭のスプレッドが発生していると言います。イースター前後では、スプレッドが拡大しやすいので注意しましょう。

通貨ペアによっては、スプレッドが通常の数倍〜数十倍になります。スプレッドが拡大すると、取引で利益を得るのが難しくなります。通常の数倍〜数十倍も値幅を取る必要が出てくるからです。

取引価格の配信が停止する可能性がある

イースター前後では、とにかく為替相場が荒れます。たった数秒で大きな陽線・陰線が形成されることも珍しくないでしょう。このように為替相場が荒れていると、インターバンク市場(銀行間市場)では、取引価格が提示されないことがあります。

この場合は、基本的にFX取引所も取引価格の配信を停止します。現在の通貨ペアの価格はいくらなのかが分からなくなるので、注意しましょう。なお、相場が落ち着くと取引価格の配信が開始される傾向にあります。もし、取引価格の配信が停止したら相場が落ち着くまでゆっくりと待ちましょう。

スリッページが発生しやすい

イースター前後の為替相場では、流動性が低くなります。これにより、スリッページが発生しやすくなるので注意しましょう。スリッページとは、注文価格と約定価格が異なることです。例えば、ドル円を100円のときに注文したとしましょう。しかし、スリッページが発生すると100.05円や99.97円などと、少し異なった価格で約定します。

スリッページが発生している状態では希望の価格で約定しない可能性が高いので、取引の計画が狂うでしょう。その結果、本来想定していた勝率が低くなることがあるので注意してください。

ロスカットの発生に時間がかかる可能性がある

ロスカットとは、FX取引所が定めている割合まで損失が増えると自動的に取引が終了するシステムのことです。例えば、ロスカットが発生する割合が20%だとしましょう。投資資金が10万円なら、8万円の損失を負った時点でロスカットが発動します。

これはトレーダーの資金を守るために導入されている安全システムなのですが、イースター周辺では正常に機能しないことがあります。場合によっては、ロスカットが全く機能せず、追証が発生する場合もあるでしょう。

スワップポイントの変更がされやすい

スワップポイントとは、2ヶ国間の金利差によって生まれるお金のことです。FXでは、特定のポジションを持っていると毎日一定のスワップポイントが付与されます。このスワップポイントは大体一定の水準を推移しているのですが、イースターのようにイベントが発生すると平常時とは大きく異なる金額が提示される場合があります。

通貨ペアによっては、プラススワップがマイナススワップになるでしょう。マイナススワップとは、トレーダー側がFX取引所に対して不足しているスワップポイント分を支払うことです。長期取引やスワップポイント狙いで取引をしている人は、打撃を受けやすいので十分注意してください。

入金・出金処理に時間がかかりやすい

イースターの際は、イレギュラーな為替相場に対応するために多くのトレーダーが入金・出金手続きを行います。手続きが非常に集中するため、通常よりも入金・出金処理に時間がかかる傾向にあります。イースター前の木曜日に行った入金・出金手続きは、基本的に週明けの火曜日に処理されるので注意しましょう。

水曜日の手続きもFX取引所によっては、週明けに処理されます。投資資金の整理をしておきたい人は、イースター直前ではなく、余裕を持って手続きを済ませておきましょう。

エラーの発生確率が高くなりやすい

イースター前後は、為替市場に世界中のトレーダーが集中します。新規注文を出したりポジションを整理したりと、それぞれで必要な行動をするでしょう。多くのトレーダーが集中するため、通常よりもエラーが起こりやすいと言えます。特に起こりやすいエラーは以下の通りです。

・注文が正常に通らない
・チャートが表示されない、カクカクする

カスタマーサポートにも繋がりにくくなるので、注意してください。

チャートの急変動が起こりやすい

イースター前後の為替相場では、通貨ペアの売買が活発に行われます。ひとつの方向に多くの注文が入ると、チャートは急変動を起こすので注意しましょう。この急変動に巻き込まれて多額の損失を負うトレーダーも存在します。イースター前後では特にリスク管理資金管理に意識を向けて、慎重に取引を行いましょう。

FXのイースター前後の取引で意識するべきこと

イースター前後にFXで取引をする際は、一段落するまでマイナー通貨を扱わないようにしましょう。ポジションは少なめにしたり、十分な資金を投入しておいたりするのも大切です。ここでは、そのようなFXのイースター前後の取引で意識するべきことについて説明します。

一段落するまでマイナー通貨は扱わない

繰り返しになりますが、イースター前後は為替相場が荒れる傾向にあります。その中で、中国人民元や香港ドルなどのマイナー通貨を使うのは危険です。ただでさえ相場が荒れやすいのに、イースター前後ではさらに為替相場が荒れるからです。

基本的に、相場分析は当てにならないと考えましょう。相場が落ち着くまでは、ドル円やユーロドルなどのメジャー通貨を扱うことをおすすめします。

スリッページ幅を設定する

イースター前後ではスリッページが発生しやすく、想定通りに動くのは難しいと言えます。基本的にスリッページを考慮して取引戦略を立てなければいけません。しかし、予想外のスリッページが発生してしまうと、大きな損失を負う恐れがあります。

これだけは避けたいので、取引前にスリッページ幅を設定しましょう。スリッページ幅を設定すれば、設定以上のスリッページが発生した際に注文が自動でキャンセルされます。

ポジションを大きく持たない

中には、イースターを経験するのが初めてというトレーダーもいるでしょう。そのような人は、ポジションを通常の半分以下にしてください。リスクを大きく下げたい人は、ポジションを通常の10分の1程度にするのもおすすめです。

所有するポジションを小さくすれば、負う損失も少なくすることができます。比較的安全に取引ができるので、イースターの荒れ相場を活かしてさまざまなチャレンジをすることもできます。

高金利通貨を扱わない

高金利通貨は、得られるスワップポイントが多く、非常に魅力的です。この通貨ペアをメインに取引をしている人もいるでしょう。しかし、イースターの荒れ相場が収まるまでは高金利通貨を扱わないことをおすすめします。

スワップポイントの変更がされやすく、場合によってはトレーダー側が高いスワップポイントを支払わなければいけないからです。これはポジションが大きいほど打撃を受けやすいので、十分注意してください。

十分な資金を投入しておく

イースターの際の為替相場は非常に荒れるので、投資資金の変動も激しくなることが予想されます。また、イースター前後ではFX取引所にアクセスが集中するので追加入金もスムーズに行えなくなる可能性が高いでしょう。

これを見越して、事前に十分な投資資金を投入しておきましょう。その人の取引スタイルにもよりますが、通常の2〜5倍ほどの資金を投入しておけば安全と言えます。

予約注文で損切りを入れておく

イースターの取引で最も大切なのは、大きな損失を負うのを防ぐことです。これができれば、100点の立ち回りと言っても過言ではありません。しっかりリスク管理をするために、予約注文で損切りを入れておきましょう。

損切りを入れる場所は、通常よりも浅い場所がおすすめです。深めに入れるとスリッページが発生した際に、大きめの損失を負うことになり、損切りの意味が薄くなるので注意してください。

無理に取引をしない

これまで、イースター前後の相場で取引をする際に意識するべきことを説明してきました。しかし、取引をしないのもひとつの選択肢です。わざわざ予測するのが難しい荒れ相場で取引をする必要はありません。不安な人は、イースター前後の相場を見送って、落ち着いてきたら取引を再開しましょう。

FXのイースター前後におすすめの取引手法

中には、イースター前後の相場で取引をしてみたいが、どの手法で挑むか決定できていない人もいるでしょう。そのような人は、以下の取引手法を使ってみてください。

・窓埋めトレード
・トレンドフォロー
・ボックストレード

最もおすすめなのが、窓埋めトレードです。イースターでは、金曜日の終値と火曜日の始値に大きな乖離が生まれやすいので、上手く取引をすれば多額の利益を得られます。リスクの低い取引を希望するのであれば、トレンドフォローやボックストレードなどがおすすめです。

まとめ

今回は、FXのイースターについて説明しました。イースターとは、キリスト教の復活祭に由来するイベントです。春分の日の後に発生する満月の次の日曜日がイースターにあたります。イースター前後の為替相場は、基本的に荒れる傾向があります。テクニカル分析が通常よりも機能しないことは珍しくありません。

取引をする際は、リスク管理と資金管理を徹底して挑みましょう。FX初心者なら、予約注文で損切りを入れたり所有するポジションを小さくしたりすることがおすすめです。