FXで使う共通単位「pips」とは?計算方法や数え方について解説!

FXに置いて重要な単位の一つに「pips」があります。FX取引では、円やドルではなく、この「pips」という単位を使いますが、「pipsを知らないFXトレーダーはいない」と言っても過言ではないほど重要な単位です。pipsを知らずに取引を行ってしまうと、取引に支障をきたす場合があるので、必ず覚えておきましょう。

今回は、pipsについての解説から、pipsが使われる理由や使われる場面、そしてpipsの数え方や損益・投資効率の計算方法などを具体的にまとめました。「そもそもpipsとは何なのか」「1pips何円なのか」「どのような計算式で求めれば良いのか」という疑問を持たれている方は、ぜひ参考にしてみてください。

pipsとは?

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pipsとは、「percentage in point」という単語の頭文字を取った言葉で、FX上で使われる通貨の共通単位のことです。「ピプス」とも呼ばれることがあるのですが、正しい読み方は「ピップス」です。

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円やドルではダメ?pipsという単位が使われる理由

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FX上では「pips」という単位を使うと説明しましたが、円やドルではいけないのでしょうか。ここでは、円やドルではなく、pipsという単位が使われる理由を具体的に解説していきます。

共通単位が必要だったため

FX上で「pips」という単位が使われている理由1つ目は、「共通単位が必要だったため」です。ご存じの方も多いかと思いますが、FXでは日本円やドル、ユーロやポンドなど様々な通貨を使用してトレードしていきます。

このとき、「日本円が5円変動しました」というニュースが出た場合、どのように捉えれば良いでしょうか。当然のことながら、「日本円のレートが5円変動した」と捉えるかと思います。では、「米ドルが5ドル変動しました」「英ポンドが5ポンド変動しました」というニュースが出た場合はどうでしょうか。

米ドルが5円変動した、英ポンドが5円変動した」と捉える方もいるかと思いますが、実はそうではありません。2020年10月時点では1ドル105円、1英ポンド136円なので、日本円換算すると米ドルは525円変動したことになり、英ポンドは680円変動したことになります。

つまり、円やドルなどその国の通貨で変動幅や価格を表示すると分かりづらいということです。プロのFXトレーダーであれば、迅速な判断が求められるため、「ドルを日本円換算すると…」という計算をしている暇はないかもしれません。そこで、「pips」という共通単位を作ることで、情報を分かりやすくしたという経緯です。

pipsという共通単位が誕生したことにより、「10pips変動した」と報じられた場合、米ドルであれ日本円であれ、「通貨の価格が10pips変動したのだな」ということが一瞬で分かるようになりました。少し難しいという方は、「FXでは、円やドルではなくpips(ピップス)という単位が使われる」ということだけ覚えておきましょう。

投資効率を分かりやすくするため

FX上で「pips」という単位が使われている理由2つ目は、「投資効率を分かりやすくするため」です。投資効率とは、簡単に説明すると、そのトレードは効率が良いトレードだったかということを数値で表したものです。

トレードをしていく場合は、当然のことながら投資効率が良いトレードを目指していきましょう。そうすることで、資産を順調に増やしていける可能性が高まります。

pipsはどのような場合に使われるのか

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ここでは、pipsはどのような場合に使われるのかを具体的に説明していきます。

スプレッドの幅を表す場合

pipsは、スプレッドの幅を表すときに使われます。スプレッドとは、買値と売値の差のことです。例えば、買値が100円で売値が105円だったとしましょう。この場合、買値と売値の差は5円なので、この5円がスプレッドとなります。厳密には異なるのですが、スプレッドは、実質、取引手数料のような役割を果たしています。

今回は円で説明しましたが、実際にはpipsで表示されます。例えば、「米ドル/円のスプレッドは0.2pipsだ」「英ポンド/円のスプレッドが1pips広くなっている」というような使われ方をします。

トレード結果を表現する場合

pipsは、トレード結果を表現するときに使われます。例えば、「5万円の利益が出た」という投資家がいたとします。この場合、5万円の利益が出た投資家は、投資効率が良いトレードをしたのでしょうか、投資効率が悪いトレードをしたのでしょうか。

確かに金額だけを見ると投資効率が良いトレードをしたのではないかと捉えることもできますが、実際は「通貨によって異なる」という答えになります。なぜなら、通貨によって値動きが異なるからです。米ドル/円のように、値動きが穏やかな通貨で5万円の利益を取るというのは簡単なことではありませんが、英ポンド/円のように値動きが激しい通貨であれば、5万円の利益を取るというのは比較的簡単です。

そこで重要視されるのが、「何pips取れたのか」です。獲得pips数で投資効率が分かるため、そのトレードが良かったのか悪かったのかということが一目でわかります。

全て同じではない!pipsは取引通貨によって数え方が異なる

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ここでは、pipsの数え方について具体的に説明していきます。

クロス円である場合の数え方

クロス円というのは、米ドル/円やランド/円などのような「円×外貨」の通貨ペアのことです。クロス円である場合のpipsの数え方は、以下のように「1pips=1銭」なので比較的簡単です。

pips数 数え方 日本円換算
1pips 1銭 0.01円
10pips 10銭 0.1円
100pips 100銭 1円
1000pips 1000銭 10円

ドルストレートである場合の数え方

ドルストレートとは、豪ドル/NZドルやユーロ/豪ドルなどというような「外貨×外貨」の通貨ペアのことです。ドルストレートである場合のpipsの数え方は以下の通りです。

pips数 数え方 日本円換算
1pips 0.0001ドル 0.01セント
10pips 0.001ドル 0.1セント
100pips 0.01ドル 1セント
1000pips 0.1ドル 10セント

日本円換算する場合は、「現在のドル価格×(上の表の数え方欄の)ドル」という計算式で求めることができます。

今すぐわかる!損益と投資効率の計算方法

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ここでは、pipsを使った損益と投資効率の計算方法を具体的に説明していきます。

pipsから利益を計算する方法

トレードの利益に関しては、以下の計算式で求めることができます。

円換算したpips数 × 通貨数 = 利益

実際に計算してみましょう。トレーダーのAさんは、米ドル/円を1万通貨分購入し、50pips得たとします。その場合、以下のような計算式が成り立ちます。

0.5円 × 1万通貨 = 5000
※10pips=0.1円なので、50pipsは0.5円になる

つまり、上記のトレードでトレーダーのAさんは5000円の利益を得られたということが分かります。

pipsから損失を計算する方法

トレードの損失に関しては、以下の計算式で求めることができます。

円換算したマイナスpips数 × 通貨数 = 損失

実際に計算してみましょう。トレーダーのAさんは、米ドル/円を1万通貨分購入し、20pipsの損失を負ってしまったとします。その場合、以下のような計算式が成り立ちます。

-0.2円 × 1万通貨 = -2000
※10pips=0.1円なので、20pipsは0.2円になる

つまり、上記のトレードでトレーダーのAさんは2000円の損失を負ったということが分かります。損失が出た場合は円換算したpips数にマイナスを付けるだけですので、それほど難しくはありません。

pipsから投資効率を計算する方法

投資効率に関しては、特別な計算をする必要はなく、獲得pips数だけで求めることができます。例えば、米ドル/円で取引していた2人のトレーダーがいたとしましょう。2人のトレード結果は以下の通りです。

トレーダーA トレーダーB
トレード内容 米ドル/円が100.00円のときに10万通貨購入し、100.30円のときに決済した 米ドル/円が100.00円のときに30万通貨購入し、100.10円のときに決済した
損益 3万円 3万円
獲得pips数 30pips 10pips

上記の表を見ると、どちらも利益は同じですが、獲得pips数はトレーダーAの方が多いということが分かります。仮にトレーダーAがトレーダーBと同じように、30万通貨購入していた場合、トレーダーAの利益は9万円です。

反対に、トレーダーBがトレーダーAと同じように10万通貨購入していた場合、トレーダーBの利益は1万円です。つまり、表にまとめると以下のようになります。

トレーダーA トレーダーB
獲得pips数 30pips 10pips
10万通貨で取引した場合の利益 3万円 1万円
30万通貨で取引した場合の利益 9万円 3万円

上記のように購入通貨数を揃えた場合、トレーダーAの方が大きな利益を得ていることになります。そのため、投資効率はトレーダーAの方が良いという結果になります。

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pipsを覚えてFX取引に活かしてみよう

この記事では、pipsの概要を始め、pipsが使われる理由や使われる場面、そしてpipsの数え方や損益・投資効率の計算方法などを具体的に説明してきました。

FX上での共通単位が必要だったため、投資効率を分かりやすくする理由で、pipsという単位が使われるようになりました。pipsからは、為替レートの変動状況やトレードの投資効率など、様々な情報が得られます。FX取引とpipsは切っても切り離せない関係なので、これからFX取引を行う方は必ず覚えておきましょう。