海外FXの手法にはさまざまなものがありますが、リスクを最小限に押さえつつ確かな利益を出したい場合に、「分散投資」という手法があります。では、分散投資にはどんなメリット・デメリットがあるのか、集中投資との違いについても含めて解説します。
海外FXの分散投資とは
分散投資とは、FXのリスクを回避するために複数の口座や通貨ペアなどに分けてトレードする手法です。トレードを分けていれば、もし1つの投資先で損失が出てしまったとしても、他の投資先で利益が出ていれば、海外FXでの全体的な損失を抑えられます。
一言で分散投資と言っても種類がありますが、中長期的な運用で確かな利益を上げていきたいと考えている人には、おすすめのトレード方法かもしれません。
また、分散投資と一緒によく耳にするのが集中投資というトレード手法もあります。集中投資は、分散投資とは逆で複数のポジションに分散させずに、特定のポジションに集中的に投資する方法です。集中投資は為替レートの値動きによって、運用成績が大きく左右される特徴があります。そのため、分散投資よりも集中投資のほうがハイリスクハイリターンの投資方法になります。
分散投資の種類とは
分散投資は、何を分散させるかを種類で分けられます。
時間を分散する
複数の口座で同じ時間にポジションを保有してしまうと、市場の急激な変化に対応できなくなってしまいます。時間を分散しておくことで、一時的な価格変動のリスクを抑えることに繋がります。海外FX初心者の方は、選ぶ通貨ペアの特性をしっかりと見極め、購入する時間を分散してリスクを防ぎながらトレードすることをおすすめします。
通貨を分散する
法定通貨は、その国の経済政策や金融状況などの影響で常に変動しています。そのため、法定通貨だけに絞って取引をしていると、予想外のリスクが発生してしまうことがあります。どんなにしっかりとチェックしているつもりでも、すべての経済情報を確認するのは難しい人ため、海外FXでどの通貨ペアでトレードするか悩んだ場合は、複数の通貨に分けて海外FXのポジションを保有しておくことをおすすめします。
投資先の地域を分散する
海外FXでは、投資先の地域を分散して特定の地域に投資を集中させないことが、リスク回避に繋がります。地域を一つに絞ってしまうと、政治的な要因や経済的な要因の影響を受けやすくなってしまうため、突発的な出来事が起こると、暴落してしまう恐れもあります。国ごとによっても違いがあるので、投資先の地域は分けておくことをおすすめします。
分散投資のメリットとは
海外FXで分散投資を行うメリットについて紹介します。
安定した収益に繋がりやすい
さまざまな金融商品に投資を行うことで、1つの投資先が万が一暴落してしまってもすべての資産を失う可能性がなくなります。
例えば、米ドル円に2万ドル分のポジションを保有したとします。米ドル円の為替レートが2円下がった場合、損失は約4万円になります。米ドル円だけのトレードではなく、ユーロ円も一緒にポジションを保有していたとすると、ユーロが下がらなかった場合の損失は2万円で済む計算になります。
実際の為替レートはもう少し複雑なものにはなりますが、分散することで1つのポジションで考えられる損失を最小限に抑えています。
心理的な負担が少ない
市場の動きに左右されることなく、安心して投資が行えます。1つの投資先に絞ってしまうと、もし予想外の動きをした場合に「別のポジションを持っていればよかった」「早く決済していれば損失が少なかった」と、後悔してしまうかもしれません。
1つのポジションだけ持っている場合、為替レートの動きによって心理的な負担を受けやすくなってしまいます。そのリスクを軽減するためにも、分散投資を行うことで気持ちに余裕ができ、多少の為替レートの変動も気にせずに楽しめるようになります。FXでは気持ちの余裕のなさがトレードの結果に影響してしまうこともあるので、心理的な負担を軽減するのはとても大切なことです。
大きな利益が手に入る
分散投資は短期トレードではなく時間をかけて、コツコツと運用していく手法です。そのため小額の投資から始めたとしても、大きな利益を得られるのもメリットです。特に海外FXはレバレッジが高く、888倍なども珍しくありません。
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通貨ペアの勉強になる
分散投資で通貨ペアを分ける方法は、為替レートの動きを予測するために幅広い知識が必要になります。海外FXでは、1つの国の知識だけで利益を出すのは難しく、関連性の高い国や、影響を受けやすい国についても知っておく必要があります。
例えば、中国の景気が落ち込むと、ニュージーランドやオーストラリアなども影響を受けます。中国のように規模が大きい国になると、経済的なつながりや貿易によっても為替変動が起こる可能性があります。
海外FXで利益を出そうとすればするほど、その通貨ペアに関連した知的探究心をくすぐられるものです。ポジションを保有することで、それぞれの通貨ペアについても自然と学んでいけるのもメリットかもしれません。
分散投資のデメリットとは
海外FXで分散投資を行うデメリットについて紹介します。
急な相場の動きに対応できない
リスクを分散できる面はメリットになりますが、相場に急激な動きがあり大きな利益を得られるチャンスを逃してしまうリスクもあります。分散投資の対象としたすべての通貨ペアが、同じ幅で為替レートの上昇になるとは限りません。
分散投資は為替市場の動きを十分に意識した投資方法ではありません。海外FXのトレードに慣れている人ならまだしも、初心者のうちはうまく対応できずに利益を逃してしまう可能性もあるので注意が必要です。
管理の手間がかかる
口座を複数所有する分、管理する手間がかかります。大切なお金を入金してポジションを保有している以上、ある程度の分析は必要になりますし、口座の管理がおろそかになっていると、リスクの高いトレードになってしまいます。
含み損益の管理や証拠金維持率などの資金管理も必要になります。通勤や通学中に行ったり、副業として海外FXを利用したりする方には、いかに時間を有効的に使っていくのかを考えないと、管理できずそのまま放置されている口座が出てきてしまうといった可能性もあるので注意が必要です。
短期トレードには向かない
海外FXの分散投資は、中長期向けのトレードが基本になるため、短期集中で利益を得たいと考えている人には向かない手法かもしれません。分散投資は、利益を伸ばすよりも、損失を減らしつつ手堅く利益を上げたいと考えている人に最適です。
海外FXの分散投資を成功させるには
海外FXの分散投資を始めるうえで、成功させるためのコツを紹介します。
分散投資の最大値を決めておく
海外FX初心者が分散投資を行う際、ついついやってしまいがちなトレードがあります。気になる通貨ペアがあると、次々にポジションを増やしすぎてしまうことです。事前に投資する通貨ペアを決めていないと、管理ができなくなってしまうため、最大値を決めておくことが重要です。
特に、保有しているポジションがすべて含み損になってしまうと、新しい通貨ペアで含み益を出したいと考えてしまいがちです。人間の心理として、損をしたら少しでも取り返したいという気持ちが働きます。そのまま芋づる式に通貨ペアが増えていくと、本来のリスク回避の目的から離れてしまいます。分散投資の最大数を決めておくこともとても重要です。
通貨のバランスを考える
海外FXでポジションを保有するうえで、米ドル、ユーロ、豪ドル、ポンドなどのメジャー通貨はもちろん、アフリカランドやトルコリラ、メキシコペソなどのマイナー通貨のバランスを考えることも大切です。
マイナー通貨は、為替レートの動きが大きく利益が出ると大きいですが、どうしても不安定になってしまいがちです。それに対して、メジャー通貨は安定しているので、両方をバランスよくトレードすることも大切です。
根拠のあるトレードをする
海外FXでさまざまな通貨ペアを購入すれば分散投資になると、考えている人もいるかもしれません。しかし、むやみにポジションを増やすやり方では、ギャンブルと変わらなくなってしまいます。そのときの相場をしっかりと分析しつつ、根拠を持ったトレードができるようになると良いかもしれません。
海外FXの分散投資はどんな人に向いている?
海外FXでは、トレードの方法にある程度決まりがあるものの、自分に向いているトレード方法なのかどうかを考える必要があります。
例えば、分散投資の場合は、資金管理が苦手で決済ができず、損失を多く出してしまう人には向いていないかもしれません。資金管理は分散投資の基本ですし、わずかな為替レートの変動でも大きな損失を出す原因になります。手元にある過剰金のなかで、いくらFXに投資できるのかを計算したうえで、自分に見合ったポジションを保有するようにしましょう。
また、分散投資に向いている人は常にアンテナを張って、世界情勢を気にするなどいろいろなことに興味を持って勉強できる人です。海外FXの知識収集を無理なく楽しめる人は、FXに限らずどんな分野でも成功できます。待っているだけでは情報が入ってきません。世界のニュースにも興味を持てるかどうかも利益を出すためにはとても重要なことです。
まとめ
海外FXの分散投資は、リスクを軽減しながらトレードを楽しむ方法でもあります。ただし、メリットにもデメリットを踏まえてしっかりと管理しておく必要があります。分散投資で世界のさまざまな通貨や世界情勢、経済などに目を向けるのも、海外FXにはとても大切なのでぜひ覚えておきましょう。