今回は、実際に起こった海外FXの失敗談をいくつか紹介します。「調子に乗って多額の損失を負った」「一攫千金を狙って逆に失敗した」など、さまざまな失敗談があります。先人の失敗談を参考にして、同じ失敗を繰り返さないようにしましょう。
リスク管理・資金管理に失敗したユーザーの失敗談と対策
FXの取引では、リスク管理が非常に重要です。リスク管理ができないと、上手くいかなかった際に適切に対処できません。FXで勝つためには「損小利大」のトレードを目指す必要があります。損失をいかに小さくできるかが勝ちを左右するので、意識しましょう。それでは、失敗談とその対策方法について説明します。
失敗談1.生活費をつぎ込んで余裕がなくなった
海外FXで人生を変えようと意気込んでいたトレーダーのAさん。ビギナーズラックで初めは順調に利益を重ねていたようです。「このまま資金を増やせば、利益も増えるのではないだろうか」そんな考えがよぎり、大切な結婚資金300万円を海外FXに投入します。すると、相場は逆行していき、最終的に300万円は全てなくなりました。
失敗談2.一攫千金を狙ってハイレバレッジ取引をした
資金50万円ほどで海外FXを始めたBさん。トレードが上手くいき、3日で20万円ほどの利益を得たそうです。たった3日で20万円を稼いだことにより、Bさんはさらに欲を出します。Bさんは約40倍のレバレッジを掛けて米ドルを25枚購入。しかし、チャートがどんどん下がり始めます。そして3日後、ロスカットが執行され、60万円ほどの損失が確定しました。
失敗談3.負けを取り返そうとお金をつぎ込んだらさらに数百万円負けた
トレードが上手くいかなくなってきたCさん。損失だけがどんどん膨らんでいきます。そして、その損失を一気に取り返そうと動き出しました。いつもよりも大きなロット・レバレッジで勝負を仕掛けます。初めは上手くいっていて、負った損失をもう少しで全て取り返せるというところまで行ったそうです。
最後の大勝負ということで、さらにロットとレバレッジを上げます。その結果、運悪くチャートは逆行し、さらに多額の損失を負いました。当然今まで得た利益は全て吹き飛び、損失に損失を重ねただけという結果になりました。
【対策】リスク管理・資金管理を徹底するためには?
FXは、基本的にマイナスサムゲームです。誰かが勝てば誰かが負けます。大きな利益を狙えば、その分大きな損失を負う危険性が高まることを理解しましょう。そのため、「いくらまでなら投資できるか」をしっかり決めることが大切です。ここが曖昧になると、あるだけお金を注ぎ込んでしまい、気がついたらほぼ資金がなくなっていたという事態になってしまいます。
損切りや利確に失敗したユーザーの失敗談と対策
損切りとは、含み損が出ている状態でポジションを決済することです。損失を確定させる行動なので、一般的にはあまりよくない行動として認知されています。しかし、損切りを怠ると大きな失敗をしやすいので注意しましょう。ここでは、損切りを行わなかったことによる失敗談とその対策方法について説明します。
失敗談4.「絶対に上がるだろう」という思い込みから損切りできなかった
常にナンピンを仕掛けて成功してきたトレーダーのDさん。上手く軌道に乗ったときは、1,000万円以上の利益が出ていたそうです。今回もナンピンを仕掛けてエントリー。相場はどんどん下がりますが、いつものことだろうと思い込み、さらにナンピンを仕掛けました。その結果、相場が回復することはなく、合計800万円ほどの損失が確定しました。
失敗談5.損切りし過ぎて利益を出せなかった
「損切りが重要」という知識を蓄えたトレーダーのEさん。損失を拡大させないために、シナリオが崩れたらすぐ損切りしていたようです。しかし、損切りのタイミングが早すぎるため、気が付くと100pipsの損失に。わずか4日で投資資産は半分以下になりました。
失敗談6.利小損大のトレードを続けてしまった
とにかく心配性だったFさん。海外FXでも損失がでたりチャートが逆行したりするのを強く恐れていたそうです。そのため、利益が出るとすぐに決済をしていました。しかし、含み損はすぐ決済できなかったようです。「ここで決済したら損失が確定する」という不安があったからだと言います。その結果、Fさんはトレードをするほど損失が膨らむという悪循環に陥ってしまいました。
【対策】損切りや利確を適切に行うためには?
利確や損切りなどの決済は、適切なタイミングで行わなければいけません。早すぎてもいけませんし、遅すぎてもいけません。適切なタイミングを図るために、一定のルールを決めるとよいでしょう。例えば、「利確は20pips、損切りは10pipsで行う」といったイメージです。この通りに行えば常に一定のタイミングで決済ができるため、取引が安定しやすいと言えます。
損切りのタイミングについて詳しくはこちらをご参考ください。
>海外FXで使える損切りの目安やタイミングとは?トレードスタイル別に解説!
根拠を持たないトレードをしてしまったユーザーの失敗談と対策
FXで取引を行う際は、必ずエントリーと決済を行います。上達したい人は、エントリーと決済に必ず根拠を持たせましょう。根拠を持たずに取引をすると、大きな失敗をする可能性が高まります。実際に根拠を持たなかった結果、どのような失敗をしてしまったのか、この段落で説明するので参考にしてください。
失敗談7.勉強せずに始めたら大きな損失を負ってしまった
常に陽気なGさん。「何とかなるでしょう」が口癖で、なんでも挑戦してみる行動力のある人でした。持ち前の行動力を武器に、海外FXにも挑戦。全く勉強をせず、いきなり本番のトレードに挑戦したようです。その結果、Gさんは数分足らずで投資資産をほぼ全て溶かしてしまいました。
失敗談8.ビギナーズラックで調子に乗りギャンブル化した
ある日、Hさんは海外FXを始めました。何の根拠もなく、ドルやポンドなどいろいろな通貨ペアを合計100ロット購入したところ、上手く流れに乗れて500pipsの利益を得ました。この成功体験が原因で、Aさんは調子に乗って根拠のない取引を続けました。
逆指値を入れず、新たに200ロットほど通貨ペアを購入。チャートが逆行しても「いつか上がるだろう」という思いから、ナンピンにナンピンを重ねたそうです。その結果、2日ほどで500万円の損失を負ってしまいました。
失敗談9.ノウハウコレクターになってしまいどれも中途半端
「海外FXで勝ちたい!」そんな思いを抱き、真面目に勉強していたトレーダーIさん。毎日、専門書籍やWebサイトを見て、いろいろな知識を蓄えたそうです。セミナーや高額なスクールにも参加したと言います。
しかし、実際にトレードしたことがなかったので、「エントリー」「利益確定」「損切り」、全てがうまく行きませんでした。知識はあるのに経験がないため、それを活かせないという感じです。焦ったIさんは、ギャンブルのような投資手法に手を出します。その結果、2回も投資資産を溶かしてしまいました。
失敗談10.全勝しようとするあまり冷静な判断ができなくなった
常に完璧主義のJさん。海外FXでも全勝しようと、たくさん努力を重ねます。10回トレードして大体6〜8回は勝っていたそうですから、勝率は60〜80%。このままトレードを続けていけば、理論上は勝てると思っていました。
しかし、Jさんは完璧主義なので、勝率を100%にしたいと考えます。その結果、焦りや不安などから冷静に判断ができなくなり、数百万円に及ぶ損失が確定しました。
失敗談11.調子に乗って大きな勝負を仕掛けた結果負けた
運良く海外FXで勝ち続けてきたKさん。しかし、小さな利益を積み重ねてきただけだったので、少し退屈に感じていました。そんなKさんに舞い込んできた“お祭り”という日の情報。毎月金曜日に開催される「米国雇用統計」は、チャートが大きく動きます。そこでKさんは、米国雇用統計を上手く利用すれば、多額の利益を得られるのではないかと考えました。
思い立ったら即行動。Kさんは米国雇用統計で大きな勝負を仕掛けると決めます。ついに米国雇用統計の日がやってきました。Kさんはいつもの倍以上のロット・レバレッジで勝負を仕掛けます。その結果、チャートは逆行し、いつもの倍以上の損失を負いました。
【対策】根拠のあるトレードを徹底するためには?
根拠のあるトレードを徹底するためには、分析が大切です。ファンダメンタルズ分析を使って世界情勢から値動きを分析し、テクニカル分析を使って過去のチャートから将来の値動きを予測しましょう。しっかり分析をすることで、エントリーと決済が明確になるため、トレードもしやすくなるでしょう。
情報の取捨選択に失敗したユーザーの失敗談と対策
インターネットの普及によって、現在はさまざまな情報にアクセスできるようになりました。これはメリットでもある反面、情報の真偽を自分で見極める必要があるといったデメリットにもなり得ます。間違った情報を取得して取引をしてしまうと、大きく失敗する可能性が高いので十分注意しましょう。
失敗談12.経済指標発表時にトレードしてしまった
数十分後に大きな経済指標が発表される中、そのことを知らなかったLさんはポジションを保有。そして、経済指標が発表されます。その瞬間、チャートが大きく動き、50pipsほどの損失を負います。そのチャートは最大100pips動いたそうなので、Lさんは運よく半分の損失で済みました。
失敗談13.SNSの情報を信じ切ってしまい失敗した
とても素直だったMさん。真面目に勉強し、真面目に努力し、コツコツと実力をつけていました。しかし、あるときSNSで「勝てる情報」を発信しているアカウントを見つけます。どうやらその人は1ヶ月で数百万円の利益を得ているそう。プロフィールには「FXで負ける人を減らしたい、私のポジションを全て公開」という文言が書かれていました。
初めは半信半疑でその人の情報を見ていましたが、あるときその人のポジションを真似たら自分では得られないほどの利益を得られました。その後も、2回3回と利益を得ます。これでSNSのアカウントをMさんは完全に信じ込むようになりました。
そして、大勝負を仕掛けようとエントリーしたある日、Mさんは投資資産を8割ほど溶かします。「どこの誰かも分からないSNSのアカウントをなぜ信用していたのか」Mさんはそのような後悔が今でも消えないと言います。
【対策】情報の取捨選択を適切に行うためには?
初めのうちは、信用できる機関から発信されている情報だけを参考にするようにしましょう。例えば、ニュースサイトやFX取引所自体が発信している内容などです。SNSや個人サイト・動画などにはフェイクニュースも含まれているので、十分注意しましょう。なお、少し難しいですが公的機関の情報を参考にするのもおすすめです。
その他のユーザーの失敗談
FXの失敗談は、検索をしたらキリがありません。数百、数千と出てくるでしょう。失敗談からはさまざまなことを学べます。例えば、失敗を防ぐ方法や正しい立ち回りなどです。多くの人に当てはまりそうな失敗談を2つピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。あわせて対策方法についても説明します。
失敗談14.仕事中もチャートが気になり、結局どっちも中途半端に
副業として海外FXを始めたNさん。FXにどっぷりとハマり、移動時間や隙間時間は常にチャートを見ていました。しかし、あまりにもハマり過ぎたため、仕事中もチャートが気になります。我慢できなくなったNさんは、仕事の合間にチャートを頻繁に確認しました。
その結果、本業も副業もどちらも中途半端になってしまいます。本業では昇進しない、副業FXでは利益が出ない、そんな悪循環に陥ってしまいました。
【対策】時間の使い方もFXを始める時に考えるべき!
FXの強みは、平日なら24時間取引ができることです。ルールの範囲なら自由なスタイルで取引できるのもFXの強みでしょう。これらを活かして、しっかり本業と副業を分けることをおすすめします。例えば、本業が忙しくてチャート画面をあまり見ることができないのなら、ある程度放ったらかしにできるスイングトレードで取引をしましょう。
失敗談15.システムエラーに巻き込まれ、大きな損失を負った
いつも通りトレードをしていたOさん。しっかり勉強し努力を続けていたので、比較的順調に結果を出していました。しかし、あるときOさんが使っている取引所でシステムエラーが発生。その瞬間、トレードができなくなりました。
システムエラーが解消した後、Oさんは自分の取引画面を見ます。なんと、その瞬間にチャートが大きく逆行し、含み益が多額の含み損に変わっていました。すぐ損切りの注文を入れますが、同じように考えているトレーダーが多く、中々注文が通りません。その間も損失は膨らむばかり。結果として、Oさんは100万円近い損失を負うことになりました。
【対策】サーバーエラーなどの事故に巻き込まれるリスクを理解する
サーバーダウンやシステムエラーなどは、避けることができません。そのため、普段から余裕を持った状態で取引を行いましょう。例えば、普段1ロットで取引をしているなら、0.7ロットにして取引を行うといったイメージです。スワップポイントの持ち越しにも十分注意してください。特に理由がないなら、早めに利確してスワップポイントを確保しておきましょう。
まとめ
今回は、FXの失敗談をいくつか紹介しました。基本的に、成功談よりも失敗談の方が参考になります。成功談は運やタイミングなどの不確定要素が強く関わっているケースが多いからです。一方で失敗談は、この不確定要素がそれほど多くありません。実力や不注意による失敗が多いからです。
失敗談は非常に現実味があるため、自分の取引に活かしやすいと言えます。失敗の要因や対策などを確認して、どのように取引をしたら同じ失敗をしないで済むのか考えてみましょう。理論上、失敗を減らせば成功する確率が高くなります。自然と利益を得られるようになる可能性が高いので、先駆者の失敗談はたくさん参考にしましょう。