海外FXのナンピンとは?リスクが高い理由やメリット・デメリットについて解説!

海外FXのナンピンとは?リスクが高い理由やメリット・デメリットについて解説!

FXでは、勝つよりも負けないように立ち回る方が大切と言われています。そして、負けない立ち回りについて調べているとよく出てくるのが「ナンピン」という単語です。確かにナンピンは勝率を高める上で有効な取引手法とされています。しかし、それ相応のリスクがあるので十分注意しなければいけません。実際、ナンピンに失敗して大きな損失を負ったトレーダーも存在します。

そこで今回は、ナンピンの概要や具体的なトレード手法などについて説明します。ナンピンを使う際の注意点や使う上で意識すべきことなども紹介します。

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FXのトレード手法「ナンピン」とは

FXのトレード手法「ナンピン」とは

ナンピンとは、含み損の状態になっているポジションをさらに追加することです。その理由は、平均購入単価を下げるためです。平均購入単価は、以下の計算式で求められます。

ポジションの平均購入単価 = 通貨を購入した価格 ÷ ポジションの合計数

ナンピンをすることで損益分岐点が低くなり、利益を得られる可能性が高くなります。ナンピンを上手く活用すれば、絶体絶命の状況から巻き返せることもあるでしょう。実際、ナンピンを駆使して数億円規模の利益を得た有名なFXトレーダーも存在します。

しかし、ナンピンはリスクの高い取引手法でもあります。通常の数倍〜数十倍という大きな損失を負う恐れがあるので、使う場合は必ず計画的に使いましょう。

ナンピンの具体的なトレード方法

ナンピンは、以下の手順で行います。

1.通常通り、通貨ペアを選択し、エントリーをする(今回は100円のドル円を買いでエントリー(1万通貨)したと仮定)
2.エントリーとは反対の方向に相場が進んだのを確認する(価格は97円まで下落したと仮定、現時点での含み損は3万円)
3.価格が94円まで下落したタイミングで、ドル円を1万通貨分買い増し
4.当初の平均購入単価は100円だったが、97円まで下げることに成功
5.チャートが回復し、98円まで上昇
6.平均購入単価は97円なので、1円分の利益を得ることに成功

上記のようにナンピンを使い、平均購入単価を下げることができれば、当初の購入価格をチャートが越えられなくても利益を得られます。

ナンピンのメリット

ナンピンのメリット

ナンピンは、悪い取引手法のように取り上げられるケースが多いですが、正しく使えば取引を優位にしてくれる心強い取引手法です。戦略の幅が広がるので、積極的にナンピンを利用しているトレーダーも存在するほどです。メリットを理解し、自身の取引に正しく取り入れられるように努力しましょう。ここでは、ナンピンのメリットを3つ紹介します。

平均購入単価を下げられる

「ナンピンの具体的なトレード手法」の段落でも説明したように、ナンピンを使うと通貨ペアの平均購入単価を下げることができます。平均購入単価は、下げられるのであれば、最大限下げましょう。

FXの相場には、ある程度の適正価格があります。通貨ペアAのチャートは、70〜150円の間で動くことが多いといったイメージです。仮に通貨ペアAの平均購入単価を70円付近まで下げることができれば、理論上は負けない取引ができます。

もちろん、平均購入単価を底値まで持ってくることは不可能です。しかし、近づけることはできます。底値に近づく分、負ける可能性も低くなるので、余力があれば平均購入単価は積極的に下げましょう。

より大きな利益を狙うことができる

ナンピンは、「取引に負けにくくなる」というメリットの他に、「チャートが回復したとき大きな利益を狙える」というメリットがあります。例えば、当初は利益確定の目安を105円のラインに設定していたとしましょう。通貨ペアは、価格が100円のタイミングで購入しました。この通貨ペアの平均購入単価を95円まで下げることに成功すれば、最大10円分の利益が狙えます。

得られる可能性がある値幅は、当初の2倍です。なおかつポジションも増えているので、得られる実際の利益は計り知れないでしょう。運も絡んでいると予測されますが、ナンピンを行い、実際に一度の取引で数百万円の利益を得た凄腕トレーダーも存在します。

戦略の幅が広がる

FXの基本戦略は、「通貨の価格が上昇したタイミングで利益確定、下落したタイミングで損切り」です。多くのトレーダーはこの基本戦略のみで取引に臨もうとします。初めはそれでもよいのですが、FXに慣れてきてから戦略の幅を広げていくようにしましょう。

ひとつの戦略では、不規則な相場を攻略できないからです。そこでおすすめなのが、ナンピンを覚えることです。ナンピンをひとつ覚えることで、2つの戦略を得られます。

・チャートがエントリーした方向とは逆に進んだとしても、通貨ペアを買い・売り増しして対策できる
・マーチンゲール法(新規購入するポジションの数を上げていく手法)を使って損益分岐点を大きく下げる

ナンピンのデメリット

ナンピンのデメリット

ナンピンは、高い確率で含み損を含み益に変えられる取引手法です。上手く活用すれば、高い勝率を維持できるでしょう。大きな利益を得ることも夢ではありません。大きなメリットを持つ取引手法ですが、その分、デメリットも大きいので注意してください。ナンピンで失敗したくない人は、ここでデメリットも理解しておきましょう。

適切なエントリータイミングが難しい

ナンピンは、定期的にポジションを買い・売り増ししていく取引手法です。内容自体は非常にシンプルなので使いやすそうと感じるかもしれませんが、実際に使ってみると「難しい」と感じる人の方が多いでしょう。定期的にポジションを買い・売り増ししていこうとは言われているものの、「具体的にどこで買い・売り増しすればよいのか」は明確になっていないからです。

目安を発信している人もいますが、それはその人だからこそ成り立っているケースが多々あります。プロとして活躍していても、ナンピンの適切なエントリータイミングは定まっていないという人も実際にいます。それほど癖があり、難しい取引手法なので、FX初心者は必ず少額から始めるようにしましょう。

含み損が拡大する可能性がある

ナンピンは、チャートが回復した際に力を発揮する取引手法です。しかし、チャートが必ず回復するとは限りません。チャートは、さまざまな情報を織り込んで形成されるからです。例えば、ネガティブな情報が多ければ、チャートは回復することなく下落していきます。

チャートが回復しないタイミングでナンピンを使うと、含み損のみが拡大していきます。場合によっては、一度のナンピンですべての資産を失うでしょう。ナンピンは、ハイリスク・ハイリターンです。無計画に使うと取り返しのつかない失敗をする恐れがあるので、しっかり知識をつけてから使うようにしましょう。もしくは、ある程度慣れるまではデモトレードで練習することをおすすめします。

ナンピンが向いている相場と向いていない相場

ナンピンが向いている相場と向いていない相場

プロのトレーダーでも苦戦するほど、ナンピンは癖が強い取引手法です。向いている相場と向いていない相場がかなりハッキリとしています。間違って向いていない相場でナンピンを使わないように注意しましょう。ミスを減らして成功確率を高めるために、ここではナンピンが向いている相場と向いていない相場の両方を紹介します。

ナンピンとレンジ相場は相性がよい

ナンピンと相性がよい相場は、「レンジ相場」です。レンジ相場とは、一定の価格内をチャートが上下する相場のことです。レンジ相場が形成されているタイミングでナンピンを行えば、高い確率でチャートが元の位置まで戻ってきます。

また、一定の価格内を上下しているため、利益確定と損切りのポイントが明確です。意識する部分は、レンジ相場の「レジスタンスライン」と「サポートライン」のみなので、FX初心者でも取引しやすいでしょう。

・レジスタンスライン:これ以上は上昇しないだろうと考えられるライン
・サポートライン:これ以上は下落しないだろうと考えられるライン

ナンピンとトレンド相場は相性が悪い

ナンピンと相性が悪い相場は、「トレンド相場」です。トレンド相場とは、チャートが一方向に進んでいく相場のことです。基本的に明確な材料がない限り、トレンドは続いていきます。例えば、経済状況や景気がよい状態が続けば、相場は永遠に上昇していきます。

このような場合、チャートは基本的に元の位置まで戻ってきません。もし、トレンド相場が形成されているタイミングでナンピンを使ってしまった場合は、すぐに損切りをして撤退しましょう。

ナンピンが難しいと言われる理由

ナンピンが難しいと言われる理由

ナンピンは癖が強いため難しいと言われていますが、難しい理由はその他にも3つあります。代表的な理由は、「資金管理が難しい」ことと「精神面の負担が大きい」ことです。スワップポイントによる損失も積み重なると大きくなるので注意してください。ここでは、ナンピンが難しいと言われている3つの理由の詳細を説明します。

資金管理が難しい

ナンピンは、資金勝負なところがあります。例えば、ポジションを無限に追加できる状態であれば、理論上は負けません。もちろん、極端な話ではありますが、この状態に近づけることはできます。それは、資金管理を徹底し、ひとつでも多くポジションを追加できる状態を作ることです。

例えば、10lot余力がある状態で0.01lotずつエントリーを行えば、800〜900回はエントリーできます。しかし、FX初心者がいきなり資金管理を考えるのは難しいでしょう。そのため、ナンピンは難しいと言われています。

精神面での負担が大きい

ナンピンは、我慢勝負なところもあります。含み損が出ている状態でもいつも通り買い・売り増しをし、含み益に変わるまで待つ必要があるからです。一見、簡単なように見えますが、含み損が出ている状態で待ち続けるのはかなりストレスが溜まります。

ナンピンで失敗する人の多くは、この我慢ができません。やはり、先の見えないチャートに恐怖を覚え、日を追うごとに不安が募ってくるからです。ストレス耐性が低いと自覚している人はナンピンを使わない方がよいでしょう。スキャルピングのような、取引時間の短い取引手法をおすすめします。

スワップポイントによる損失

スワップポイントとは、2ヶ国間の金利差によって発生する損益のことです。スワップポイントのことを「もらえる利益」として取り上げる人もいますが、状況によっては反対にトレーダーがスワップポイントを支払わなければいけません。

ナンピンは時間がかかる取引手法です。場合によってはスワップポイントによる損失が数万円以上になるでしょう。例えば、1日100円のスワップポイントを支払う場合、半年ナンピンを続けただけで「1万8,000円」の損失が確定します。スワップポイントを払うと、平均購入単価が上がり、勝ちにくくなるので注意しましょう。

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ナンピンで勝てるトレーダーの特徴

ナンピンで勝てるトレーダーの特徴

ニュースや動画配信サイトなどでは、ナンピンで負けた人が度々特集されています。そのためか、「ナンピンをすると負ける」と思い込んでいる人も一定数います。しかし、ナンピンを上手く活用して勝っているトレーダーが存在するのも事実です。ここでは、ナンピンを使って勝っているトレーダーの特徴を2つ紹介します。

計画性を持ってFX取引ができる

ナンピンの勝敗は、事前のシミュレーション・準備で決まると言っても過言ではありません。実際、ナンピンを使って数億円の利益を得たトレーダーは、取引をする前のシミュレーションをかなり細かくやっていました。どのような相場になったとしても、10回以上はナンピンできるように準備していたそうです。

このように、しっかりと計画を立てられる人であれば、ナンピンを使っても大きく負けることはないでしょう。最低限、以下の計画は立てておくことをおすすめします。

・ナンピンは何回する予定なのか、そのための資金は十分か
・損切りはどのタイミングで行うのか

FX取引の経験を十分に積んでいる

プロのトレーダーがナンピンをいとも簡単に扱っているように見えるのは、「長い経験」があるからです。相場の特徴危険の回避方法などを熟知しているため、ナンピンを正しい場所で使えます。ナンピンで失敗するのは、この経験が浅いからです。相場を熟知していないことが原因で、適切な判断ができていません。

ナンピンを使いたいと考えているのであれば、まずは基礎知識をつけましょう。その次に実践経験を可能な限りたくさん積んでください。その後にナンピンを使えば、きっと今よりも低リスクで扱うことができるでしょう。

ナンピンを行う上で意識すべきこと

ナンピンを行う上で意識すべきこと

少し意識をするだけで、ナンピンは扱いやすくなります。せっかく活用するのであれば、気持ちよくナンピンを使いたいでしょう。そのように考えている人に向けて、ここでは「ナンピンを行う上で意識すべきこと」を5つ紹介します。どれも簡単で今すぐ実践できることばかりなので、参考にしてください。

海外FX取引所を使う

国内FX取引所で取引を行う場合は、投資資金以上の損失が出ると追証が発生します。追証とは、簡単に説明すると「追加の入金を求められること」です。投資資金以上の損失を負った場合、不足している分を返済する必要があります。

しかし、海外FX取引所は基本的に追加の入金を求めない「ゼロカットシステム」を導入しています。例えば、1億円の損失が出たとしても無条件で帳消しになるため、借金を避けることができます。

ナンピンの回数をあらかじめ決めておく

ナンピンを行う回数を事前に決めておくと、もし損切りすることになったとしても、小さい損失で済む可能性があります。しかし、回数を決めず取引をすると、ロスカットされる可能性が高まります。

ロスカットとは、FX取引所のルールに基づいて、強制的に保有しているポジションが決済されるシステムのことです。含み損が確定損に変わるため、資産が大きく減ります。ロスカットは、システムエラーにより、起動しない場合があります。その場合は、全資産を失う恐れがあるので注意してください。

取引ロット数を低くする

ナンピンを駆使して億万長者になったトレーダーも意識していたと言われているのが、「取引ロット数を低くする」ことです。例えば、チャートがエントリーした価格から10円逆行したとしましょう。

10万通貨保有していれば100万円の損失ですが、1万通貨のみであれば10万円の損失で済みます。ナンピン前提で取引をする場合は、取引ロット数を通常よりも低くしておきましょう。

長期で投資シナリオを立てる

通貨ペアには、ある程度の適正価格が定められています。実際に相場を長期視点で見ると、ほぼレンジ相場になっています。この情報からは、チャートが逆行したとしても長い期間待っていれば、チャートは高い確率で元の水準まで戻ってくることが分かります。そのため、ナンピンを組み込んだ戦略は、長期視点で立てるようにしましょう。

利益確定のタイミングを決めておく

ナンピンでは、損益の合計がプラスになったタイミングで利益確定をしましょう。すべてのポジションを含み益に変えられれば、大きな利益を得られますが、それは現実的ではありません。含み益に変わるのを待っているうちに相場の流れが変わり、再度含み損が拡大する可能性があります。非常に危険なので、あまり欲張らないようにしましょう。

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まとめ

今回は、多くのトレーダーが使う「ナンピン」について説明しました。ナンピンとは、含み損を抱えているポジションをさらに買い・売り増すことです。買い・売り増すことで、通貨ペアの平均購入単価を下げられます。

例えば、100円で購入した通貨ペアの平均購入単価を95円まで下げられれば、含み損が含み益に変わる可能性は高くなります。上手く使えば、負けにくい取引ができるので、ぜひ使ってみてください。しかし、相場の読みを間違えると大きな損失を負う可能性があります。投資資金がゼロになる可能性もあるので、資金管理は徹底するようにしましょう。