FXのダウ理論とは?基本法則や実践で使える手法を紹介!

相場分析手法の原点と言われている「ダウ理論」。かなり昔に作られた相場分析手法ですが、その理論は参考になる部分が多く、今でもなお多くのトレーダーに使われています。学生時代にダウ理論を用いて数千万円の資産を築いたトレーダーも存在するので、上手く活用すればあなたも多くの資産を築けるでしょう。

今回は、そんな「ダウ理論」について説明します。概要はもちろん、ダウ理論を使用したエントリー方法も紹介します。ダウ理論の精度をより高めたい人は、今回紹介する補足知識や注意点なども参考にしてください。

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2024/4/22(月)06:00~2024/4/27(土)06:00

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ダウ理論とは

ダウ理論とは、アメリカ証券アナリストのチャールズ・ダウという人が構築した相場理論です。トレンドの性質を6つの法則で説明しています。例えば、「トレンドは3種類ある」、「トレンドは出来高でも確認できる」などです。ダウ理論を使えば、「トレンドの状況」と「エントリー・決済ポイント」の両方が分かります。

元々は株式投資のために作られた理論ですが、為替相場にも通用するとして、現在はたくさんのFXトレーダーにも使われています。参考にしている人が多いため、ダウ理論通りに相場が動くことも珍しくありません。今後、FXの世界で戦っていくのであれば、ダウ理論は必ず身に付けておきたい基礎知識と言えるでしょう。

ダウ理論の基本法則

ダウ理論を使う上で欠かせないのが「6つの基本法則」です。この法則をベースに相場の流れや具体的なエントリー・決済ポイントなどを探っていきます。ダウ理論で勝てていない人は、基本法則を間違って覚えている傾向があります。取引の勝率を高めたい人は、まず基本法則をしっかり覚えましょう。それでは、6つの基本法則を紹介します。

法則①:平均価格は全ての事象を織り込む

「平均価格は全ての事象を織り込む」とは、チャートは通貨ペアの売買結果のみならず、ファンダメンタルズ要因も含まれて形成されているという意味です。ファンダメンタルズとは、失業率や経済成長率など、各国の経済状況を表す指標のことです。経済に影響するものは全てファンダメンタルズに分類されるので、戦争や災害なども該当します。

この法則は「チャートが全てである」ということを表しています。そのため、FXで利益を得ていきたいのであれば、チャート分析は欠かせません。過去の相場から未来の値動きを予測する「テクニカル分析」と、外部要因から未来の値動きを予測する「ファンダメンタルズ分析」の両方を活用し、しっかりと相場を分析していきましょう。

法則②:トレンドは3種類ある

ダウ理論では、以下3つのトレンドがあるとされています。

・長期トレンド
・中期トレンド
・短期トレンド

長期トレンドとは、1年以上に渡って形成されているトレンドのことです。主に日足以上で形成されるものが長期トレンドに該当します。ポジショントレードで取引をする際に役立ちます。

中期トレンドとは、3週間〜3ヶ月間に渡って形成されているトレンドのことです。主に1〜4時間足で形成されるものが中期トレンドに該当し、スイングトレードで取引をする際に役立ちます。

短期トレンドとは、3週間未満で終了するトレンドのことです。主に1〜30分足で形成されているものが短期トレンドに該当します。スキャルピングやデイトレードで取引をする際に役立ちます。

法則③:主要トレンドは3段階ある

ダウ理論では、さらに以下の主要トレンドがあるとされています。

・先行期
・追随期
・利食期

先行期とは、値動きや世界の情勢に敏感なトレーダーが参入する時期のことです。トレンドの初期に当たる部分なので、先行期でポジションを持つことができれば、大きな利益が期待できます。しかし、その分リスクが高いため、リスク管理・資金管理は徹底しなければいけません。

追随期とは、値動きや世界の情勢にやや敏感なトレーダーが参入する時期のことです。先行トレーダーの動きを確認した後にエントリーするため、低リスクで利益を狙えます。

利食期とは、トレンドの終了間際のことです。先行期と追随期に参入したトレーダーが利益確定を始める時期なので、ここからトレンドが伸びることは期待できません。利食期でエントリーするのであれば、順張りではなく逆張りがおすすめです。

法則④:平均は相互に確認される

「平均は相互に確認される」とは、トレンドを精度高く読み取るためには複数の通貨ペアで同じトレンドを見つける必要があるという意味です。例えば、ユーロドルとポンドドルは同じような値動きをする傾向があります。

ダウ理論に従ってユーロドルのトレンドを確認するためには、ポンドドルのトレンドも確認する必要があります。両方のトレンドが一致していなければ、そのトレンドは信ぴょう性が低いとなるからです。この法則を使うために、通貨ペアの代表的な相関関係を覚えておきましょう。

・同じような値動きをする通貨ペア:豪ドル円とNZドル円、ドル円と人民元円など
・反対の値動きをする通貨ペア:ドル円とユーロドル、ポンド円とユーロ円など

法則⑤:トレンドは出来高でも確認できる

出来高とは、特定の期間中に取引所で金融商品が売買された数量のことです。ダウ理論では、この出来高でもトレンドの信頼度を確認できるとされています。例えば、上昇トレンドが発生しているとしましょう。通常であれば、トレンドに乗るために多くのトレーダーが「買い」でエントリーしてきます。

反対に、エントリーしてくる人が少ない場合もあります。この場合は、「出来高が少ないためトレンドの転換を疑おう」といった判断ができます。しかし、FXでは市場全体の出来高を把握することができません。FXは株式投資のように特定の取引所で売買が行われているわけではないからです。そのため、この法則をFXで使うことは基本ないでしょう。

法則⑥:明確な転換シグナルが発生しない限りトレンドは継続する

ダウ理論では、上昇トレンド・下落トレンドを以下のように定義しています。

・上昇トレンド:連続して現れる高値・安値が、それより前の高値・安値よりも上(切り上げ)にある状態
・下落トレンド:連続して現れる高値・安値が、それより前の高値・安値よりも下(切り下げ)にある状態

ダウ理論では、上記の定義が破られない限り、現在発生しているトレンドは継続するとされています。そのため、ダウ理論を使って現在のトレンドを把握すれば、利益確定・損切りのタイミングが分かりやすいでしょう。少し難易度は上がりますが、トレンドの転換を見計らってエントリーをする逆張りのエントリーサインもダウ理論から読み取れます。

ダウ理論から読み取れること

ダウ理論の6つの基本法則を使って相場分析をすると、主に「相場の流れ」を読み取ることができます。具体的には、現在発生しているトレンドとトレンドの切り替わりです。次に、エントリー・決済のタイミングを読み取ることができます。上手く活用すれば、ダウ理論一つでエントリーから決済までの一連の作業ができるようになるでしょう。

相場の流れ

トレンドは、時間足が長いほど強くなります。1分足のトレンドよりも4時間足のトレンドの方が強いというイメージです。基本的にチャートは、長い時間足で形成されているトレンドに沿って動きます。取引を行う場合は、必ず「長い時間足のトレンド」を把握しましょう。このトレンドに沿ってエントリーをすれば、大きく失敗する確率を低くすることができるからです。

トレンドの切り替わり

基本的に直近の高値・安値が切り上がっていけば、上昇トレンドは継続します。反対に直近の高値・安値が切り下がっていけば、下降トレンドが継続します。しかし、どこかのタイミングで切り上げ・切り下げが終了します。そのタイミングがトレンドの切り替わりです。

トレンドの切り替わりは、利益を確定するタイミングでもあり、新たなトレンドに乗るチャンスでもあります。非常に大切なポイントなので、見逃さないようにしましょう。

エントリー・決済のタイミング

ダウ理論のみでも、以下のような投資戦略を立てることができます。

1.トレンドが形成されていることを確認する
2.トレンドの途中に発生する「押し目・戻り目」でエントリーをする
3.トレンドの転換を確認したタイミングで利益確定・損切りをする

非常にシンプルではありますが、しっかりダウ理論に則った根拠のある投資戦略となっています。ダウ理論を使うだけでも、FX初心者にありがちな「感覚での取引」から抜け出すことができます。負ける確率を低くすることができるので、ぜひダウ理論を使ってみてください。

ダウ理論を使用したエントリーポイント

ダウ理論を使用したエントリーポイントは、「トレンドの継続条件を満たしたタイミング」です。例えば、上昇トレンドが発生しているのであれば、チャートが前回の高値を超えたタイミングでエントリーをするのが正解です。高値を更新できなければ、トレンド転換のサインなので取引目線は「下落」に切り替えましょう。

ダウ理論を使う場合に押さえておきたい補足知識

ダウ理論は、6つの基本法則を覚えておけば、ある程度活用できます。しかし、補足知識も押さえておけば、さらに精度の高い相場分析・取引ができるでしょう。勝率が高まることが期待できるのはもちろん、戦略の幅も広がるので覚えておくことをおすすめします。それでは、ダウ理論を使う場合に押さえておきたい4つの補足知識を紹介します。

ファンダメンタルズ分析は補完的に使う

ファンダメンタルズ分析とは、経済データや各国の景気などから将来の値動きを予測する相場の分析方法です。これは、補完的に使うことができます。例えば、本日の21時から重要な経済指標が発表されると仮定した場合、その経済指標で相場が大きく動く場合があります。しかし、その値動きは、過去の相場からは予測できません。ここで役に立つのが、ファンダメンタル分析です。

ファンダメンタル分析を行うことで、「ここ最近の経済指標の数値はあまり良くないため今回も悪いのではないか」というように分析することができます。これで、少し先の値動きを予想できるでしょう。大きな損失を防げる場合があるので、チャート分析と合わせて必ずファンダメンタル分析も行いましょう。

時代とトレードスタイルに合わせて変えていく

ダウ理論が作られたのは、19世紀です。その時代と比べると、現在はかなり速いスピードで経済が回っています。19世紀の理論で現在の相場を攻略しようとすると、高い確率で失敗するでしょう。

ダウ理論の考え方は、時代とトレードスタイルに合わせて柔軟に変えていくことが大切です。例えば、スイングトレードを行う場合は以下のように立ち回る必要があります。

1.相場の大きな流れは長期トレンドで確認する
2.具体的なエントリーポイントは短期トレンドで確認する

エントリーは「追随期」を狙う

主要トレンドは、「先行期・追随期・利食い期と3種類ある」と紹介しました。このときに狙いたいのが、「追随期」です。先行期を狙えればよいのですが、FX初心者のうちはこの時期を見極めるのが非常に困難です。しかし、追随期であればFX初心者でも狙うことができます。追随期はチャートを分析していると分かるからです。

基本的に利食い期でのエントリーさえ避けることができれば、高い確率で利益を得られます。相場をよく観察し、先行トレーダーの動きを見極めましょう。

トレンドに逆らわないのがセオリー

FXでは、トレンドに逆らわないでエントリーをするのがセオリーです。トレンドの反対を攻める逆張りという取引手法もありますが、これは上級者向けの取引手法です。上手く逆張りできれば、天井・底の部分でエントリーできるので、大きな利益を得られます。しかし、失敗すると大きな損失を負います。

逆張りでは、チャートの見極めやリスク管理など、さまざまな準備が求められるので、FX初心者のうちは「トレンドフォロー」を使って取引した方がよいでしょう。

ダウ理論を活用する際の注意点

ダウ理論だけに頼らない、シグナルの発生が遅い、などがダウ理論の注意点です。多くのトレーダーを悩ませる「ダマシ」にも注意してください。注意点を理解した上でダウ理論を活用すれば、より精度の高い相場分析・取引ができるでしょう。それでは、ダウ理論を活用する際の3つの注意点について説明します。

ダウ理論だけに頼らない

ダウ理論は、昔から使われている非常に信頼性の高い相場分析方法です。汎用性も高いので、この理論を覚えればさまざまな相場で取引していけるでしょう。しかし、ダウ理論を過信しないように注意してください。

相場は不規則に動くことが基本です。ダウ理論が機能しない場合も、もちろんあります。そこで過信をして取引をすると、大きな損失を負う恐れがあります。他のテクニカル指標も活用し、相場分析の精度を高めるようにしましょう。特に、レンジ相場に強い「オシレーター系指標」と組み合わせて使うことをおすすめします。

ダウ理論はシグナルの発生が遅い

例えば、上昇トレンドを探すとしましょう。ダウ理論を活用する場合、高値・安値が切り上がったタイミングで上昇トレンドが発生したと判断します。しかし、上昇トレンドが発生したというシグナルは、チャートが形成された後に出ます。リアルタイムに出るわけではないので、場合によってはトレンドがすぐ転換し、損失を負うケースもあるでしょう。

これを防ぐために、必ずファンダメンタルズ分析も行ってください。各国の経済状況や情勢なども理解した上でダウ理論を活用すれば、より精度の高い相場分析ができるようになるからです。

「ダマシ」に注意

ダウ理論を使う場合は、「ダマシ」に注意しましょう。ダウ理論は、よくも悪くも多くの人が知っている理論なので、それを逆手に取ってエントリーをしてくる大口トレーダーがいます。これがダマシであり、ダウ理論通りにエントリーしたトレーダーを損切りさせることを目的としています。

基本的にダマシは一時的な現象で、その後のチャートはダウ理論通りに動くことがほとんどです。ダマシに遭遇したらすぐに損切りをして現在の相場から撤退しましょう。損切りが苦手な人は、ダマシにあうことを想定して初めからポジションを少なめにしておいてください。

IS6FXが気になったら

2024/4/22(月)06:00~2024/4/27(土)06:00

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まとめ

今回は、FXで使われる相場分析手法の一つとして有名な「ダウ理論」について説明しました。ダウ理論とは、アメリカ証券アナリストのチャールズ・ダウが構築した相場理論です。トレンドの性質を6つの法則で説明しており、この理論を使うと「トレンド」や「エントリー・決済タイミング」などを把握することができます。

ダウ理論の基本法則を元に作り上げられた取引手法も存在するので、FXで利益を得ていきたい人はダウ理論を必ず覚えましょう。より精度を高めたい人は、補足知識や注意点なども頭に入れておいてください。