上手い損切りってなに?「良い損切り」のコツとテクニックを解説

「損失が膨らみ中々FXで勝てない」このように悩んでいるFX初心者は多いのではないでしょうか。FXで利益を得るためには、少ない損失で大きな利益を得る必要があります。まずは可能な限り損失を少なくするように意識してみてください。しかし、そうは言われても損失を少なくする方法が分からないという人もいるでしょう。

今回は、そのように悩んでいる人におすすめしたい「損切り」と呼ばれる手法について説明します。損切りのコツやテクニック、ポイントなども分かりやすくまとめたので、参考にしてください。

損切りとは

損切りとは、含み損が出ている状態で決済を行うことです。例えば、100円で買いのポジションを購入した際に99.99円以下で決済を行うのが損切りです。100.01円以上で決済を行うのは利食いと言います。

損切りは、ポジションを保有した通貨ペアのチャートが予想とは反対の方向に進み、今後回復が見込めない場合に使います。そのままポジションを持ち続けると、含み損が拡大する恐れがあるからです。損切りを行う目的は、自分の投資資産を守ることです。適切な損切りで投資資産を守り続ければ、FXで大きく負けることはないでしょう。

損切りについて詳しくはこちらをご参考ください。
>FXの損切りとは?利益確定よりも重要と言われている4つの理由とは

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FXでは損切りが重要と言われている理由

損切りは絶対に使わなければいけないというものではありません。しかし、損切りはFXで取引をしていく上で非常に重要な行為です。ここでは、なぜ重要なのか説明します。

大きな損失を防ぐため

損切りは、大きな損失を防ぐために重要です。例えば、毎日1,000円の損失が積み重なると仮定しましょう。ポジションを損切りせずに1ヶ月持ち続けた場合、合計の損失額は3万円になります。しかし、3日目で損切りをした場合、合計の損失額は3,000円です。

後者は、損切りを行ったおかげで2万7,000円も得をしました。これを1年間続けた場合、約32万円もの差が開きます。10年経てば320万円の差です。大きな損失を負いたくないトレーダーは、損切りを活用しましょう。

新たなチャンスを掴むため

損切りは、新たなチャンスを掴むために重要です。例えば、損切りができなかったことが原因で投資資金を全て失ったとしましょう。このような状態になってしまった場合、次のチャンスが訪れてもそのチャンスを掴むことはできません。FXでは、何度もチャンスが訪れます。新たなチャンスをしっかり掴むためにも、損切りで日々の損失を最小限に抑えましょう。

冷静さを保つため

損切りは、冷静さを保つために重要です。例えば、損切りができなかったことが原因で投資資金の7割を失ったと仮定します。この場合、大抵の人は冷静さを失い、適切に判断することができなくなるでしょう。

正しい判断ができなくなれば、負ける確率が高まります。人によっては、このまま負のループに入る恐れがあるので注意してください。大きな損失を負った際に冷静さを保つ自信がない人は、しっかり損切りをしましょう。

損切りは重要だけど「損切り貧乏」になってはダメ!

FXで利益を得ていくためには、損切りが重要と説明しました。適切なタイミングで積極的に損切りをしていきましょう。しかし、損切りをしすぎて「損切り貧乏」になってしまう人もいます。損切り貧乏になるとFXで負ける可能性が高まるので、十分注意してください。ここでは、損切り貧乏について説明します。

「損切り貧乏」とは

損切り貧乏とは、損切りを行いすぎて損失が膨らんでいることです。損切りを身に付けるために日々行動をしているFX初心者によく見られます。損切り貧乏になる原因は、ある程度決まっています。その原因を理解してしっかり対処していけば、損切り貧乏は直せるので安心してください。原因については、次の段落から説明します。

損切り貧乏になる原因①取引の計画性がない

突然ですが、最近行った取引を見て「なぜそのタイミングでエントリーと決済をしたのか」説明できますか。説明できる人は問題ありませんが、説明できない人は損切り貧乏になる可能性があります。なぜなら、チャートをしっかり読めていない証拠だからです。

計画性のない状態でエントリーをすると、決済のタイミングが分からなくなるので、感覚で損切りをしてしまうようになります。これが損切り貧乏になる原因です。損切り貧乏になるのを避けたい場合は、時間をかけてでも相場をしっかりと読み、計画性のある取引を心がけるようにしましょう。

損切り貧乏になる原因②損切り額が大きすぎたり小さすぎる

損切りは、損失を最小限に抑えるために行います。そのため、損失が大きくなったタイミングで損切りをしてもあまり意味がありません。以下の表のように、一度に行う損切り額が大きいとそれを取り戻すための労力も大きくなるので注意してください。

損失分 損失を取り戻すために必要な倍率
−10% 1.11倍
−30% 1.43倍
−50% 2.00倍

また、損失を最小限に抑えようと意識しすぎるがあまり、すぐに損切りを行う人も損切り貧乏になりやすいので注意してください。取引スタイルにもよりますが、数pipsの含み損は誤差と考えて耐えることをおすすめします。

損切り貧乏になる原因③エントリータイミングが間違っている

実は、損切りが非常に上手いのにも関わらず損切り貧乏になってしまう人も存在します。そのような人は、大抵エントリーのタイミングに問題があります。エントリーのタイミングが間違っているため、得られる可能性がある利益額よりも負う可能性がある損失額の方が大きくなっているパターンです。

このパターンの人は、一度現在取引をしている相場での適切なエントリータイミングを調べてみてください。大抵は、これで損切り貧乏が改善します。改善しない場合は、損切りの方に問題があると考えられるので、原因①と原因②を疑ってみましょう。

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損切りのコツ【マインド編】

損切りが上手くできない人は、マインドブロックがかかっている傾向があります。よくあるのが、「損失を増やしてはいけない」というマインドブロックです。このブロックを外してあげれば、スムーズに損切りができるようになるでしょう。それでは、どのようなマインドでFXを行えばよいのか説明します。

損切りはよいことと認識する

上手く損切りを行いたいのであれば、損切りはよいことと認識しましょう。よく「損切り=損失を確定させる悪い行為」と思い込んでいるトレーダーがいます。確かにそのような考えも間違ってはいません。

しかし、損切りは、損失を最小限に抑えて投資資金を守るための防衛行為とも言えます。損切りのおかげで、今後負う可能性があった損失を負わずに済んでいるわけです。損切りができずに悩んでいる人は、損切りをプラスに考えてみましょう。

1回のトレードに執着しない

上手く損切りを行いたいのであれば、1回のトレードに執着しないでください。損切りが上手くできない人は、大抵以下のような考えでトレードしていると言われています。

・チャンスをものにできたため負けたくない
・このトレードは絶対に勝ちたい
・このトレードで○○万円取れれば、総利益額100万円を突破する

基本的に、全て短期目線で見ている人が多い傾向にあります。しかし、FXでは長期での成績を見ることが大切です。99回の取引で9万円の損失を出したとしても、1回の取引で10万円の利益を出すことができれば「勝ち」となるからです。短期目線でトレードをすると損切りしづらくなるので、必ず長期目線でトレードをするようにしましょう。

損切り前提でシナリオを考える

上手く損切りを行いたいのであれば、損切り前提でシナリオを考えましょう。損切りができないのは、恐らく「勝てる」と思ってトレードしているからだと考えられます。ところが、現実はチャートが逆行しています。その現実を受け入れられずに、中々損切りできない人も多いのではないでしょうか。

しかし、負けることを前提にシナリオを考えれば、損失が出たタイミングですぐ損切りができるようになります。なぜなら、理想と現実のギャップが生じないからです。

損切りのコツ【テクニック編】

プロスポーツ選手や三つ星料理人がその業界でトップクラスの能力を持っているのはなぜでしょうか。さまざまな理由がありますが、その中の一つに「テクニックがあるから」という理由があります。これはFXでも同じで、テクニックがあれば上手く損切りができるようになります。身につけておきたいテクニックを紹介するので、参考にしてください。

投資シナリオが崩れたら即損切りする

上手く損切りを行いたいのであれば、投資シナリオが崩れたら即損切りをしましょう。投資は、戦略のもとポジションを持ち続けます。しかし、投資シナリオが崩れたのにも関わらず、ポジションを保持するのはギャンブルです。ギャンブルで勝ち続けるのは、非常に難しいと言われています。投資シナリオが崩れたら、即損切りをして次の投資シナリオを考えましょう。

高値と安値を目安に損切りする

上手く損切りを行いたいのであれば、高値と安値を目安に損切り注文を入れましょう。例えば、上昇トレンド中であれば、チャートが安値を割った瞬間に損切り注文を入れるイメージです。なぜなら、これはトレンドの終了を意味するからです。

先ほどの例で言えば、直近の安値を割った瞬間に上昇トレンドは終了とみなされます。上昇トレンドが終われば、今後上昇する可能性は低いと予想されます。直近の高値・安値をチャートが抜けたら、すぐ撤退しましょう。

資金割合を基準に損切りする

上手く損切りを行いたいのであれば、資金割合を基準に損切りをしましょう。例えば、投資残高の5%の損失が出たタイミングで損切りをするというイメージです。割合の目安は、投資残高の5~10%をおすすめします。しかし、トレードスタイルによって適切な割合は異なるので、5~10%をベースにオリジナルの割合を確立しましょう。

損失額を基準に損切りする

上手く損切りを行いたいのであれば、損失額を基準に損切りをしましょう。例えば、損失額が1万円になったタイミングで即損切りをするというイメージです。この方法のメリットは、損失額を一定にできることです。どれほどの利益を取れば勝てるのかも自然と明確になります。損失額を基準に損切りをするという方法は、分かりやすさを重視したいトレーダーにおすすめです。

相場の過熱感を参考にして損切りする

上手く損切りを行いたいのであれば、相場の過熱感を参考にして損切りをしましょう。相場の過熱感は、RSI(アールエスアイ)やストキャスティクスなどのテクニカル指標を使うと分かります。

一般的に、数値30以下は「通貨が売られ過ぎ」、数値70以上は「通貨が買われ過ぎ」と判断します。チャートが、売られ過ぎ・買われ過ぎのラインを割り込んだ場合、トレンドが反転する可能性が高いので、損切りをしましょう。

エントリーと同時に損切り注文も入れる

上手く損切りを行いたいのであれば、エントリーと同時に損切り注文を入れましょう。この方法は、損切りをFX取引所に任せられるので、自らの手で損切りをする必要がありません。機械的に損切りができるのがメリットです。感情が邪魔をして損切りができなくなるという人は、エントリーと同時に損切り注文も入れましょう。

損切りのポイント例

損切りのコツを説明しましたが、実践で使えるイメージが湧かない人もいるでしょう。その悩みを解決するために、ここでは損切りのポイント例を2つ紹介します。どちらもシンプルな例なので、FX初心者でもすぐ使えるようになるでしょう。レンジ相場とトレンド相場どちらでも使えるので、ぜひ参考にしてください。

レジスタンスラインとサポートラインから少し幅をもった位置

レジスタンスライン(上値抵抗線)とは、チャートの上昇が抑えられるラインのことです。このラインを抜けると、チャートは力強く上昇すると言われています。一方でサポートライン(下値支持線)とは、チャートの下落を止めるラインのことです。このラインを抜けると、チャートは勢いよく下落していく傾向があります。

一般的に、レジスタンスラインとサポートラインを使った取引では逆張りを使って利益を狙っていきます。そのため、損切りはレジスタンスラインとサポートラインから少し離れた位置に入れるとよいでしょう。例えば、レジスタンスラインが100円ならば、100.20円に損切りの注文を入れるというイメージです。

サポートラインとレジスタンスラインについて詳しくはこちらをご参考ください。
>サポートラインとレジスタンスラインとは?引き方や分析方法を徹底解説

直近の最安値の位置

相場は、上昇と下落のどちらかに向かって動く傾向があります。このうち、上昇している相場を上昇トレンドと言います。このトレンドが永遠に続くことはなく、一定の条件を満たしたタイミングで終了すると言われています。終了の条件はたくさんありますが、その中でも有名なのが「チャートが直近の最安値を下回ったタイミング」です。

上昇トレンドが発生しているタイミングでは、直近の最安値に損切りの注文を入れるとよいでしょう。例えば、100円(高値)→100.50円(安値)→101円(高値)→101.50円(安値)の流れでチャートが動いているのであれば、101.50円に損切りを入れるのが正解です。

FXにおいて損切りは絶対ではない

FXにおいて損切りは絶対に必要というわけではありません。人によって損切りの重要性が異なるからです。例えば、リスクを取ったロット数でFXをしているのであれば、損切りは重要です。しかし、すでにロット数でリスク管理をしているのであれば、損切りはさほど重要ではありません。

一般的に損切りは、リスク管理を行うひとつの手段として使われます。リスク管理の方法によって損切りが必要か判断するようにしましょう。

どうしても損切りしたくない方向け!おすすめの取引方法

・損失を確定させるのに抵抗がある
・損切りを考えるのが苦手

上記のような理由から、できる限りFXでは損切りを行いたくない人もいるでしょう。その場合は、別の方法でリスク管理をすることをおすすめします。ひとつ前の段落でも説明したように、他の方法でリスク管理ができていれば損切りを行う必要がなくなるからです。

取引ロット数を低くする

損切りを行いたくないのであれば、取引ロット数を低くしましょう。具体的には、取引ロット数を通常の10分の1にしてください。いつも1Lotで取引をしているのであれば、そのロット数を0.1Lotにするイメージです。このようにすると、損失額は通常の10分の1になります。

レバレッジを低くする

損切りを行いたくないのであれば、レバレッジを低くしましょう。具体的には、レバレッジを1~3倍に抑えてください。レバレッジを低くすると、大きな取引ロットを持つことはできません。動くお金が小さくなりますが、その分、損失も小さくなります。そのため、レバレッジを低くすると、大きな損失を避けられるようになります。

含み益になるまでポジションを保持する

損切りを行いたくないのであれば、含み損が含み益になるまでポジションを保持しましょう。しかし、この方法は大きな損失を負うリスクが伴います。安全に取引をしたい人は、取引ロット数を通常の10分の1にすることを推奨します。

ナンピンする

損切りを行いたくないのであれば、ナンピンを使いましょう。ナンピンとは、チャートが逆行するたびに買い増し・売り増しをする取引手法です。ナンピンをすると、通貨ペアの平均購入単価を下げられます。

例えば、チャートが1円下がるごとに買い増しをすると仮定しましょう。100円から90円になるまで買い続ければ、平均購入単価は95円になります。つまり、チャートが95円を超えれば、損益はマイナスからプラスになります。ただし、この手法も大きな損失を負うリスクが伴います。取引ロット数をなるべく低くしましょう。

両建てする

損切りを行いたくないのであれば、両建てをしましょう。両建てとは、買いと売りのポジションを同じ取引ロット数で保持することです。例えば、買いポジションを1Lot持っているのであれば、売りのポジションも1Lot持つというイメージです。

両建てをすると損益が相殺されるので、一時的に資産が減らなくなります。しかし、両建てはあくまでも一時しのぎの取引手法です。両建てをしている間に他のポジションで新たなチャンスを掴みましょう。

まとめ

今回は、損切りについて説明しました。損切りとは、含み損が出ている状態で決済をすることです。通常は含み益が出ている状態で決済をするので、なぜそのタイミングなのかと疑問を抱いた人もいるでしょう。損切りはトレーダーの資産を守る目的で行うため、含み損が出ているタイミングで決済を行う必要があります。

損切りは、コツやポイントを押さえれば比較的誰でも使いこなせます。簡単にリスク管理ができる方法なので、万人におすすめです。低リスクで大きなチャンスを掴める可能性が高まるので、FX初心者は積極的に損切りを使うようにしてみてください。