FXのウェリントン市場とは?小さな市場でもまとまった利益が狙える

FXでは、「東京市場」「ロンドン市場」「ニューヨーク市場」の3つが有名です。この他に、「ウェリントン市場」という市場が存在するのは知っていましたか。ここの市場でのみ通用する取引手法もあり、上手く活用すれば短時間でまとまった利益を得られるでしょう。

今回は、ウェリントン市場の概要から特徴まで幅広く説明します。注意点やおすすめの取引手法などもまとめたので、ぜひ参考にしてください。

FXのウェリントン市場とは

ウェリントン市場(ニュージーランド)とは、数ある市場の中で最も早く始まる市場です。期間と取引時間は、以下にまとめました。

・期間:4月の第1日曜日〜9月の最終日曜日まで
・取引ができる時間(日本時間):5:00〜14:00

上記が標準時(冬時間)ですが、サマータイム期間中(夏時間)は取引可能時間が4:00〜13:00と1時間早まるので注意しましょう。サマータイムは、9月の最終日曜日〜翌年4月の第1日曜日まで続きます。なお、サマータイム中は金融政策や経済指標などの発表時間も1時間早まるので、間違わないようにしてください。

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FXのウェリントン市場の特徴

FXのウェリントン市場の特徴は、チャートの動きが非常に穏やかなことです。短期間で大きな利益が狙えたり、マイナー通貨も扱いやすかったりするのも特徴でしょう。ここではそのような、ウェリントン市場の特徴について説明します。

チャートの動きが非常に穏やか

ウェリントン市場が開く5:00はまだニューヨーク市場が開いているのですが、かなり終盤なのでほとんどの人が取引をやめています。日本人はまだ寝ている人が多く、起きていても9:00から開く東京市場に備える人がほとんどなので、多くの人は取引をしないでしょう。

以上の結果から、ウェリントン市場では売買が活発に行われず、ゆったりとチャートが進む傾向があります。価格変動が起こらず、数時間横ばいで進んでいくケースも珍しくありません。

短期間で大きな利益が狙える

ウェリントン市場は取引参加者が少なく、通貨ペアの流動性が低いとして有名です。流動性が低いと、少し大きなポジションの売買が行われるだけで、チャートが急激に動くことがあります。このタイミングを上手く掴めれば、短期間で大きな利益を得られるでしょう。

選択する通貨ペアや保有するポジションの量にもよりますが、一度の取引で数十万円前後の利益を得られることもあります。リターンが大きい分リスクも大きいですが、効率よく利益を得たい人はぜひチャレンジしてみてください。

マイナー通貨も扱いやすい

初めの段落で説明したように、ウェリントン市場は基本的に相場が穏やかです。普段は相場が荒れやすいと言われているマイナー通貨の相場も比較的穏やかな傾向にあるので、扱いやすいでしょう。

マイナー通貨に興味がある人やマイナー通貨の取引練習をしてみたい人は、ウェリントン市場を利用することをおすすめします。特にトルコリラ円や南アフリカランド円などは、絶好の練習場と言えるでしょう。

1日の取引を有利に進められる可能性が高い

複数の市場がある中で、最も早く動き出すのがウェリントン市場です。週末の出来事や中央銀行総裁会議などがあった際に、ウェリントン市場は一番早く反応します。そのため、ウェリントン市場で形成された為替相場を見て戦略を立てれば、その日は1日有利に取引を進められる可能性が高いでしょう。

ウェリントン市場の次に開くのは東京市場なので、多くの人は東京市場からの取引戦略を立てる傾向があります。

FXのウェリントン市場で取引をする際の注意点

FXのウェリントン市場で取引をする際は、「突発的な値動き」に注意しましょう。「スプレッドの広がり」や「情報の少なさ」などにも注意してください。ここではそのような、ウェリントン市場で取引をする際の注意点を紹介します。

突発的な値動きに注意

ウェリントン市場の「流動性が低い」ことは、メリットでもありデメリットでもあります。メリットは相場が穏やかで取引がしやすいことです。一方でデメリットは、突発的な値動きが起こる可能性があることが挙げられます。程度にもよりますが、大きな値動きに巻き込まれた場合、適切に対処しないと大きく資産を減らすでしょう。

ウェリントン市場で失敗する人の多くは、この突発的な値動きに巻き込まれています。安全に取引をしたい人は、リスク管理や資産管理などに力を入れるようにしましょう。

スプレッドの広がりに注意

スプレッドとは、買値と売値の価格差のことです。スプレッドは、どの通貨ペア・FX取引所であっても発生します。「東京市場」「ロンドン市場」「ニューヨーク市場」であっても発生するので、避けることはできません。

スプレッドは流動性が低い時間帯だと、広がる傾向にあります。広がると、その分の利幅をさらに上乗せして得る必要があるので、流動性が高い時間帯に比べてFXで利益を得る難易度が少し上がります

メジャー通貨はスプレッドが広がっても許容範囲のケースが多いですが、マイナー通貨は無視できないほど広がることもあるので注意しましょう。あまりにもスプレッドが広い場合は、取引を控えることをおすすめします。

情報の少なさに注意

「東京市場」「ロンドン市場」「ニューヨーク市場」の3つと比べると、ウェリントン市場はマイナーな市場です。そもそもウェリントン市場の存在を知らないトレーダーもいるでしょう。

わざわざここを狙って取引する人も少ないので、情報が溢れている現代でもウェリントン市場に関する情報は少ない傾向にあります。そのため、デモトレードシミュレーションツールなどを活用しながら取引を行うようにしましょう。

FXのウェリントン市場でおすすめの取引手法

ウェリントン市場で取引をするなら、「窓空け」や「逆張り」などの取引手法を使うことをおすすめします。その他の取引手法も使うことはできるのですが、あまり相性がよくないので注意しましょう。ここでは「窓空け」と「逆張り」の使い方について説明します。

窓開け

窓空けは、月曜日のウェリントン市場オープン時に有効な取引手法です。週末の終値と月曜日の始値の間に生まれた隙間を活かして利益を狙っていきます。かなりシンプルな取引手法なので、FX初心者でも使いやすいでしょう。

しかし、窓空けはアノマリー的な存在で認識されており、正確な根拠は出ていません。必ず窓空けが成立するとは限らないので、しっかりリスク管理をして臨みましょう。それでは、窓空けの使い方を説明します。

1.月曜日の朝に形成される最初のローソク足の始値が、週末の終値と離れていることを確認する(今回は週末の終値が100円、月曜日の始値が99.5円と仮定)
2.窓空けの理論では、隙間を埋めるようにチャートが動くとされているので、今回は「買い」でエントリーをする
3.チャートが始値から週末の終値100円付近まで到達したら利益を確定する

逆張り

ウェリントン市場のチャートは、トレンドを形成するような動きではなく、レンジ相場を形成するような動きをする傾向があります。高値が100円で安値が99.5円なら、この間をチャートが行ったり来たりするようなイメージです。この特徴を活かして、逆張りを行えば利益を得られる可能性があるでしょう。やり方の詳細は、以下にまとめました。

1.相場を見て高値と安値を確認する(今回は高値を100円、安値を99.5円と仮定)
2.高値と安値のそれぞれに一本の線を引く
3.チャートが99.5円付近に近づいたら「買い」でエントリーをする
4.チャートが100円付近に近づいたら「売り」の注文を出して、利益を確定する
5.利益確定後、まだチャートが100円付近にいるなら「売り」でエントリーをする
6.チャートが99.5円付近に近づいたら「買い」の注文を出して、利益を確定する
7.これをレンジ相場が終了するまで繰り返す

FXのウェリントン市場で取引をする際に意識するべきこと

ウェリントン市場で取引をする際は、大きな利益を狙わないように意識しましょう。チャート画面から目を離さないようにするのも大切ですし、無理にエントリーをしないのも大切です。ここではそのような、ウェリントン市場で取引をする際に意識するべきことを紹介します。

基本的に大きな利益は狙わない

特徴の段落で「ウェリントン市場では大きな利益が狙える」と説明しました。これは間違いではありませんが、大きな利益をピンポイントで狙いに行くのはおすすめできません。リスクが高いですし、FX初心者のうちは相場を読むのが難しいからです。

基本戦略は小さな利益をコツコツと積み上げることです。そして、サブ的な立ち位置でタイミングが合えば大きな利益を狙いましょう。

チャート画面から目を離さないようにする

ウェリントン市場の相場は基本的に穏やかなので、人によっては退屈と感じるでしょう。他の作業をするために相場から目を離したくなるかもしれませんが、できる限り目を離さないようにしてください。繰り返し説明しているように、ウェリントン市場では突発的な値動きをすることがあるからです。

この値動きに巻き込まれてもすぐ対処できるように、チャートから目を離さないようにしましょう。予定があり、どうしても画面を見続けられない人は必ず損切りの予約注文を入れておいてください。

無理にエントリーをしない

ウェリントン市場の相場は穏やかなので、東京市場やロンドン市場などと比べるとエントリーチャンスは少なめです。これだと何だか退屈で、普段ならエントリーしないポイントでもエントリーしてしまう人もいるでしょう。無駄なエントリーは取引成績を悪くする最大の要因なので、控えてください。

チャンスがないのであれば無理にエントリーせず、東京市場まで大切な資金を守っておきましょう。

取引ロット数は少なめに設定する

ウェリントン市場の不規則な値動きは、ある程度FXを経験しないと慣れません。慣れるためには実践を繰り返していく必要があるのですが、初めの段階で防ぎたいのは大きな損失を負うことです。

これを実現させるために、まだウェリントン市場に慣れていないFX初心者は取引ロットを少なめに設定しましょう。1,000通貨のように取引ロット数を最低まで下げても構いません。取引ロット数は、相場に慣れてきたら少しずつ上げていきましょう。

損切りラインは浅めに設定する

リスク管理を行うにあたって、大切なのは取引ロット数を少なめに設定するだけではありません。損切りの注文も入れておきましょう。ウェリントン市場なら、いつもより少し浅めに設定しておくことをおすすめします。これによって、相場が勢いよく変動したとしても大きな損失を負うのを防げるからです。損切りラインの一つの目安を紹介するので、参考にしてください。

・スキャルピング:5pips以下
・デイトレード:20pips以下

ウェリントン市場はFX初心者におすすめ?

基本的に、FX完全初心者にはウェリントン市場をおすすめできません。理由は、以下の通りです。

・相場の流れが不規則で読みにくいため
・「東京市場」「ロンドン市場」「ニューヨーク市場」に比べて、学べることが少ないため
・安定した利益を得るのが難しいため

ウェリントン市場は、月曜日の窓開け専用で使うことをおすすめします。その他の曜日は、情報収集や戦略立てなど、取引以外の時間に充てた方がよいでしょう。

まとめ

今回は、FXのウェリントン市場について説明しました。ウェリントン市場とは、数ある市場の中で最も早く開く市場です。標準時は5:00から開きます。サマータイムが導入されると、1時間早まって4:00から開くので間違わないように注意しましょう。

ウェリントン市場の最大の特徴は、窓空けによる利益を狙えることです。上手くいけば、たったの数分で数万円以上の利益を得られるでしょう。気になる人は、少し早起きをして相場をチェックしてみてください。