FXの取引画面には、「クレジット」と「残高」の2種類が表示されます。どちらにも同じような数字が表記されているので、違いが分からず悩んでいる人もいるでしょう。また、クレジットは全員に表示されるわけではないので、なぜ自分は表示されていないのかと悩んでいる人もいると思います。
今回は、それらの悩みを解消するためにFXのクレジットについて説明します。クレジットの活用方法や注意点などもまとめたので、ぜひ参考にしてください。
FXのクレジットとは
FXのクレジットとは、ボーナスやキャンペーンなどによって獲得したお金が貯まっていく場所のことです。例えば、口座開設ボーナスで5,000円、入金ボーナスで10,000円獲得したとしましょう。この場合は、15,000円分のお金がクレジットに貯まります。注意点は、クレジットとして表示されているお金は、FX取引所の中でしか使えないことです。
また、直接の出金もできません。出金したい場合はクレジットを使って取引を行い、利益を得ましょう。獲得した利益は次の段落で説明する「残高」の方に加算されるので、出金できるようになります。
残高との違い
残高とは、銀行振込やクレジットカードなどを用いて入金したお金が反映される場所のことです。例えば、口座開設ボーナスと入金ボーナスで15,000円獲得したと同時に、銀行振込で50,000円入金したとしましょう。この場合は、50,000円のみが残高に表示されます。15,000円は先ほど説明したクレジットの方に表示されます。
クレジットと残高の違いは、どのお金が表示されるかです。簡単にまとめたので、迷った場合は見返してください。
・クレジット:獲得した「ボーナス」が表示される場所
・残高:「ボーナス以外」のお金が表示される場所
クレジットカードのことも指す?
FXでは、入金の際にクレジットカードを使えます。お得にポイントが貯まるので、クレジットカードを上手く活用している人もいるでしょう。基本的にFXでクレジットと言ったら、クレジットカードのことは指さないので注意してください。大抵の場合は、ボーナスやキャンペーンによって獲得したお金が反映される場所のことを指します。
ただし、「入金するならクレジット」や「出金はクレジット」など、クレジットの前に入金や出金関係の単語がある場合は、クレジットカードのことを指しているケースが多いと言えます。
FXのクレジットの種類
口座開設ボーナスや入金ボーナスなど、FXのクレジットには種類があります。クレジットの受け取り忘れを防ぐことにも繋がるので、ここでクレジットの種類を覚えておきましょう。それでは、種類とその詳細について説明します。
口座開設ボーナス
口座開設ボーナスとは、取引用の口座を新しく開設することで獲得できるボーナスのことです。1,000〜9,000円のボーナスを受け取れることが多いでしょう。時には季節的なイベントで10,000円以上のボーナスを受け取れることもあります。タイミングよくボーナス額が高くなっている場合は、見逃さないようにしましょう。
口座開設ボーナスの受け取り条件は、新規口座開設と本人確認のみのところが多く、比較的簡単です。
入金ボーナス
入金ボーナスとは、取引用口座に入金をした際に適用されるボーナスのことです。「入金金額の30%を付与」というように、割合でボーナスを設定しているところが多いと言えます。なお、FX取引所によっては還元率を100%に設定しています。50,000円入金すると50,000円分のボーナスが付与されるので、非常にお得です。
100%ボーナスは頻繁に開催されるものではありません。そのため、開催されているタイミングでは可能な限り入金して多くのボーナスを獲得しておきましょう。
FXのクレジットと残高に対する疑問
「マイナスになったらどうなるのか」「休眠口座になるとどうなるのか」などと、FXのクレジットと残高に対してさまざまな疑問を抱いている人もいるでしょう。疑問を残したまま取引をすると、有効活用できない可能性が高いので注意してください。
その問題を解決するために、ここではクレジットと残高のよくある質問を挙げて分かりやすく回答していきます。
クレジットと残高で取引はできる?
FXでは、クレジットと残高どちらでも取引できます。残高が0円になってしまっても、クレジットにお金があれば問題なく取引ができます。もちろんクレジットを使って取引をし、利益を得たらそれは残高に反映されるので非常に便利です。
以上の理由から、クレジットはたくさんあった方が有利に取引できるので、獲得できる場合は無理のない範囲で獲得しておきましょう。
クレジットと残高がマイナスになったらどうなる?
取引で損失を負ってしまい、残高がマイナスになったらクレジットにて補われます。例えば、残高が−10,000円でクレジットが13,000円あるとしましょう。この場合は、クレジットの10,000円分が残高の補填に充てられます。最終的に、残高は0円でクレジットは3,000円と表記されます。
残高のマイナスをクレジットで補えない場合は、追証なしのゼロカットシステム(海外FXのみ)が執行されます。次回入金時、または一定時間経つと自動的に残高がマイナスから0円になっているので確認してみてください。なお、国内FXだと追証が発生して不足分が請求されてしまいます。
クレジットと残高は出金できる?
基本的に残高に表示されているお金は出金できます。一方で、クレジットに表示されているお金は出金できません。ここで注意したいのが、残高とクレジットが両方ある状態で出金する場合です。FX取引所によっては、残高から出金するとその金額に応じてクレジットが消滅します。
例えば、残高が50,000円でクレジットが20,000円あるとしましょう。残高から25,000円を出金すると、クレジットから50%分が消滅することがあります。どのような形でクレジットが消滅するかはFX取引所の公式サイトに記載されているので、詳細はそちらを確認してください。
口座間で移動させることはできる?
FX取引所によっては複数の口座を開設していることで、残高を口座間で移動させられます。しかし、同じ割合でクレジットも移動することがあるので注意しましょう。基本的にクレジットのみを移動させることはできません。なお、以下のような注意点もあるので覚えておきましょう。
・最低金額を決めているFX取引所も存在する
・ポジションをもっている場合は、証拠金維持率に気をつける
・基本通貨が異なる場合は、手数料が発生する場合がある
・ボーナス対象外の口座に資金を移動すると、基本的にボーナスは消滅する
休眠状態になるとクレジットと残高はどうなる?
FX取引所によっては一定期間取引をしないと、口座が休眠状態になってしまいます。休眠状態になったときの対応は利用するFX取引所によって異なりますが、大体は毎月手数料が引かれるので注意しましょう。残高が0円になって手数料が引けなくなると、口座は凍結します。
なお、クレジットは休眠状態になったタイミングで消滅することがほとんどです。一度消滅したクレジットは回復させられないので、注意してください。
クレジットと残高はどちらから消化される?
FXでは、クレジットと残高のお金を使って取引を行います。このとき、先に消化されるのは残高の方です。残高が0円になった後に、クレジットが消費されていきます。クレジットを積極的に使っていきたい人は、多くのお金を入金しないようにしましょう。
FXでのクレジットの活かし方
ボーナスやキャンペーンなどで獲得したクレジットは、トレーダーが自由に使えます。しかし、せっかく使うなら有効活用したいでしょう。そのように考えている人に向けて、ここでは付与されたクレジットの活かし方を4つ紹介します。
FXに慣れるために使う
「これからFXを始める」という全くの初心者は、まずいろいろな機能を触ってみてください。気になる注文方法でポジションを保有してみたり、さまざまな通貨ペアを扱ってみたりしましょう。
その中でお金が必要になることもあると思います。そのときにクレジットを使えば、ノーリスクでFXに慣れることができます。自信がついてきたら自己資金を入金して、かけるお金を大きくしていきましょう。
新しい取引スタイルを試すために使う
FXには、「スキャルピング」、「デイトレード」、「スイングトレード」と3つの取引スタイルがあります。それぞれ特徴が異なり、どれが合うかは実際に使ってみないと分かりません。クレジットを活用して、3つの取引スタイルを試してみましょう。参考までに各取引スタイルの特徴を簡単に説明します。
・スキャルピング:小さな利益を積み上げていく取引スタイルでリスクが低い
・デイトレード:リスクとリターンのバランスがちょうどよい平均型
・スイングトレード:資金効率は悪いが、一度の取引で得られる可能性がある利益はトップクラスに高い
新しい取引手法を試すために使う
移動平均線を使ったゴールデンクロスやRSIを使ったデッドクロスなど、現在のFXにはさまざまな取引手法が存在します。どれが合うかは取引スタイルと同様に、使ってみなければ分かりません。これもクレジットを使って試しましょう。まずは、移動平均線やRSIなど、簡単なインジケーターから使うことをおすすめします。
ハイリスク・ハイリターンの場面で使う
FXの相場の中には、ハイリスクだが大きなリターンを狙える場面がいくつか存在します。代表的なのが、米国雇用統計の発表時です。発表される内容によっては、チャートが乱高下します。このタイミングはハイリスクなので、一般的には取引を控えることが推奨されていますが、クレジットを使うのであれば取引をしてもよいでしょう。
なお、ゼロカットシステムが導入されている海外FXで取引をすれば、さらにリスクを抑えられます。
FXで使えるクレジットの注意点
FXで使えるクレジットは非常に便利なものですが、いくつか注意点があります。この注意点を覚えておかないと、クレジットを無駄にしてしまう恐れがあるので注意しましょう。覚えておきたい注意点は、以下の3つです。
・クレジットの付与には条件がある
・有効期限が設定されていることがある
・必ず明確な戦略の元、取引をする
「キャッシュバック経由での口座開設は対象外」というように、クレジットの付与にはほぼ必ず条件が定められています。詳しくはFX取引所の公式サイトに書かれているので、確認してください。また、多くのクレジットには有効期限が定められています。有効期限内に使わないと、自動的に消滅するので注意しましょう。
まとめ
今回は、FXのクレジットについて説明しました。クレジットとは、ボーナスやキャンペーンなどによって付与されたお金が表示される場所です。似たような表記として「残高」がありますが、こちらは入金したお金が反映される場所なので注意しましょう。
消費順序は残高が先で、クレジットが後です。多くの金額を入金してしまうと全くクレジットを使えず、消滅してしまう恐れがあるので注意してください。まずは少額を入金してクレジットが少なくなってきたら、無理のない範囲で現金を入金するようにしましょう。