トレール注文とは?具体的な使い方や上手く使うコツなどを徹底解説!

FXは、エントリーをして利益確定、または損切りをする投資です。言葉にすると簡単ですが、実際に取引をしてみると難しいと感じている方もいるのではないでしょうか。特に、利益確定が難しいと感じていませんか。

もし、利益確定に苦手意識を持っているのであれば、「トレール注文」を使ってみることをおすすめします。利益確定決済をせずに取引ができるので、現在よりも気軽にFXができるでしょう。今回は、トレール注文の概要や使い方などを紹介します。メリット・デメリットなどもまとめたので、トレール注文が気になっている方はぜひ参考にしてください。

トレール注文とは?

トレール注文とは、チャートの動きに応じて損切りラインを有利な方向に動かしていく注文方法です。例えば、ドル円が100円のときに買いでエントリーをし、損切りを99.50円に設定したとします。ドル円が1円上昇して101円になった場合は、損切りラインも1円上げて100.50円に設定します。このように、同じ値幅で損切りラインを変えていくのがトレール注文です。

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トレール注文をおすすめしたい方の特徴

トレール注文は、「利益確定が上手くできない」と悩んでいる方におすすめです。トレール注文を行えば、手動で利益確定をする必要がありません。なぜなら、損切りラインに達するまで基本的には放置しておけばよいからです。

チャートが有利な方向に進んでいけばいくほど、損切りラインも有利な方向に持っていくため、損失額を徐々に少なくすることができます。FX初心者でも損小利大のトレードができるようになるでしょう。

トレール注文のメリット

トレール注文のメリットは、相場を見続ける必要がないことです。時間がない方でも取引ができるので、副業トレーダーがよく使っています。また、逆指値注文で利益を狙えたり買いと売りの両方に使えたりするのも、トレール注文のメリットです。ここでは、そんなメリットの詳細について説明します。

相場に張り付かなくても良い

基本的に、一度トレール注文を出しておけば、後はシステムが自動的に損切りラインを有利な方向に持っていってくれます。多くの方がイメージしているようなパソコンやスマートフォンに張り付いてFXをするというような取引をする必要はありません。そのため、トレール注文は、ビジネスパーソンや主婦(夫)などにもおすすめと言えます。

逆指値注文でも利益が狙える

通常であれば、逆指値注文は損切りをする場合に使います。しかし、利益が伸び、逆指値注文がエントリー時の価格よりも上に設定されていれば、逆指値注文が執行されても利益を得ることができます、この状態になれば、システムエラーのような例外が起きない限り損失は発生しません。そのため、上手くトレール注文を使えば、ローリスク・ハイリターンな取引ができます。

逆指値注文について詳しくはこちらをご参考ください。
>【図解】FXの指値注文・逆指値注文をわかりやすく解説!うまく使うコツは?

買いと売りのどちらにも使える

トレール注文は、買いと売りのどちらにも使えます。例えば、ドル円が100円のときに売りでエントリーをし、損切りラインを100.30円に設定したとします。見事予想が当たり、ドル円が98円になった場合は、損切りラインも98.30円に下がります。このように注文が動いていくので、トレール注文は「売り専門」という方でも安心して使うことができます。

トレール注文のデメリット

トレール注文のデメリットは、レンジ相場だと使えないことです。レンジ相場での取引をメインにしている方は、トレール注文を使う機会があまりないかもしれません。また、FX業者によってはトレール注文を使えなかったりダマシに弱かったりするのもトレール注文のデメリットです。ここでは、各デメリットの詳細について説明します。

レンジ相場では機能しない

トレール注文は、トレンド相場と相性がよい注文方法です。レンジ相場は、一定の価格内を行ったり来たりするため、すぐ損切りラインに達してしまいます。レンジ相場でトレール注文を使うと、損小利小の取引になってしまう可能性が高いので注意しましょう。

レンジ相場について詳しくはこちらをご参考ください。
>海外FXトレーダーなら覚えておきたいFXのレンジ相場とは?

ダマシに弱い

ダマシとは、相場が一時的に逆方向に動くことです。このようなダマシが出現すると、チャートが逆方向に動いた瞬間、損切りラインに達してしまう恐れがあります。ダマシは、一時的な現象です。少し待っていれば、相場は元の方向に進んでいく傾向があります。

基本的に、ダマシを事前に避けることはできません。ダマシに遭遇したらすぐに切り替える、ダマシに遭遇する想定で損切り幅を広めにとっておくなど、様々な対策をしておきましょう。

ダマシについて詳しくはこちらをご参考ください。
>海外FXのダマシとは?海外FX初心者なら覚えておきたい対策・対処方法

FX業者によってはトレール注文ができない

トレール注文は非常に便利な注文方法ではありますが、すべてのFX業者で使えるとは限りません。トレール注文を禁止しているFX業者もいますし、システム自体を提供していないFX業者もいます。トレール注文を使ってFXをしたい場合は、必ず口座開設前にホームページを見てトレール注文が使えるか確認しましょう。

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トレール注文の使い方

トレール注文の使い方は、「FX取引所の専用機能を使う方法」「手動で使う方法」の2種類があります。基本的にどちらを使っても問題ありません。自分に合う方を使いましょう。どちらを使うか迷う場合は、一度両方使ってみることをおすすめします。使い心地を比較する際は、大きな損失を防ぐために必ず最小ロットで取引を行ってください。

FX取引所の専用機能を使う

FX取引所によっては、トレール注文用の注文機能を用意してくれています。その場合は、その機能に沿って購入ロット数や損切り幅などを決めるだけで、トレール注文が完了します。後は自動でシステムが損切り幅を調整してくれるので、決済されるのを待つだけです。基本的にこの使い方が最も簡単で手軽なので、まずはトレール注文機能がないかチェックしてみましょう。

手動で行う

この方法は、FX取引所にトレール注文機能がない場合に使いましょう。使い方はとてもシンプルで、まずは通常通りエントリー注文と損切り注文を出します。価格が有利な方向に進んだ場合は、その値幅と同じように損切りラインを有利な方向に動かしてください。例えば、価格が1円上がったら損切り注文も1円引き上げるというイメージです。

手動でトレール注文を行う手法

手動でトレール注文を使う場合は、トレーダーの裁量が勝率に関わってきます。適切なエントリー・調整ができないと、勝率アップは期待できないので注意をしてください。ここでは、FX初心者が手動でトレール注文を行う際に意識したい3つのことを説明します。どれも簡単なので、よいと思った手法から使ってみてください。

移動平均線を基準にする

移動平均線とは、トレンドの方向や強さなどを確認する際に使うテクニカルチャートです。このテクニカルチャートを活用する場合は、トレンドが形成されているときに価格に追随する移動平均線を逆指値注文の基準として使います。トレンドの力が弱まるとチャートと移動平均線が接触するので、そのタイミングで決済を行いましょう。

移動平均線について詳しくはこちらをご参考ください。
>移動平均線とは?見方や手法を海外FX初心者向けに解説

ボラティリティを基準にする

ボラティリティとは、価格変動の大きさを表す言葉です。トレール注文を行う場合は、ボラティリティを基準にして逆指値注文を有利な方向に動かしていきましょう。ちなみに、ボラティリティの過熱感は、「ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)」を使うと簡単に計測できます。ダマシの遭遇を減らしたい方は、トレール幅をボラティリティの2〜3倍に設定しましょう。

ダウ理論を基準にする

ダウ理論とは、相場に形成されるトレンドの性質を6つの法則で表している理論です。トレール注文を行う場合は、過去の一定期間の最高値と最安値を基準にしましょう。ダウ理論では、過去の最高値・最安値を更新するとトレンドが形成されたと判断します。不利なトレンドが形成された場合は、決済をしましょう。

ダウ理論について詳しくはこちらをご参考ください。
>FXのダウ理論とは?基本法則や実践で使える手法を紹介!

トレール注文を上手く使うコツ

トレール注文は、成行注文やIFO注文(アイエフオー注文)とは使い方が少し異なります。独特な癖があるので、使いこなせずに困っている方もいるでしょう。上手く使えている感覚がない方は、これから紹介する3つのコツを試してみてください。どれも即効性があるので、すぐ効果を実感できるでしょう。

強いトレンドが発生しているときに使う

弱いトレンドが形成されているときにトレール注文を使うと、思った以上に相場がよい方向に進まず、すぐ決済レートに達してしまう恐れがあります。しかし、トレンドが強ければ、相場が有利な方向にすぐ進んでいくことが多いので、「すぐ決済レートに達してしまう」という心配をする必要がありません。

また、強いトレンドの方がトレール注文の強みを最大限引き出せます。弱いトレンドでは別の手法を使い、強いトレンド時のみトレール注文を使うようにしましょう。

値動きが落ち着いている通貨で使う

ドル円やユーロドルなどのメジャー通貨は、値動きが落ち着いている通貨ペアです。ポンドのような値動きが激しい通貨でもトレール注文は使えるのですが、値動きが激しい分、すぐ決済レートに達してしまう恐れがあります。

また、ポンドのような通貨は、突発的な値動きをする場合が多々あります。値動きが激しい通貨は相場の流れを読むのが難しいので、FX初心者はなるべく値動きが落ち着いている通貨でトレール注文を使いましょう。

値幅を広くする

値幅を狭くし過ぎると、すぐ決済レートに達してしまいます。そのため、トレール注文を使う場合は、ある程度値幅を持たせましょう。ちなみに、トレール注文の値幅は、以下どちらかの方法で決めることをおすすめします。

・トレンドの初めは広く、終わりは狭く設定する
・トレール幅は、ボラティリティの2〜3倍に設定する

トレール注文の値幅の決め方に関しては、最後の段落で具体的に説明しています。気になる方は、そちらの段落も参考にしてください。

トレール幅に関する考え方

トレール注文を使う場合は、必ずトレール幅を決める必要があります。トレール幅とは、現在の価格と注文予定価格の差のことです。例えば、現在の価格が100円で103円に逆指値注文を入れる場合、トレール幅は3円となります。この段落では、一般的なトレール幅の考え方を紹介しますので、トレール注文を使う際の参考にしてください。

幅は狭くした方が大きな利益を狙える

基本的にトレール幅は狭くした方が大きな利益を狙えます。例えば、ドル円が100円のときに通貨を購入し、目標価格を101円、初めの損切りラインを102円に設定したとします。この場合、得られる利益は最大1円ですが、損失は最大2円になります。つまり、このままの状態で取引を行うと、損大利小のトレードになってしまいます。

損大利小とは、利益よりも損失の方が大きくなることです。目標価格を101円に設定した場合は、損切りラインを100.50円にするというように、損切り幅は目標価格よりも下に設定しましょう。

決済レートに引っかからないことが大事

相場は、一直線に進んでいくことはなく、「上昇→下落→上昇→下落→上昇」というように上下動を繰り返しながら進んでいきます。そのような特性があるので、トレール幅は決済レートに引っかからないように設定することが大事です。

チャートが下落しても決済レートに引っかからないように、トレール幅は少し広めに設定しておきましょう。しかし、広くし過ぎると「損大利小」のトレードになるので、注意してください。

トレール注文の値幅の決め方

トレール注文の値幅の決め方に正解はありません。人によるというのが、答えです。なぜなら、取引スタイルや取引の考え方などは人によって違うからです。しかし、これだと参考にならないので、ここではFX初心者におすすめしたい値幅の目安を紹介します。一つの考え方として参考にしていただき、後は自己流にカスタマイズしていきましょう。

トレンドの初めは広く、終わりは狭く設定する

トレール幅を狭くし過ぎると、すぐに決済されてしまいます。その場合、損失ばかり出てしまい、利益が全くでないという状況になりかねません。トレンドの勢いが強い序盤は、トレール幅を広めに設定しましょう。こうすることで、すぐに決済されるのを防ぐことができます。

そして、トレンドは終盤にかけて勢いが弱くなってくるので、終盤はトレール幅を狭くしましょう。こうすることで、積み上げた利益を全て失うという最悪の状況を避けることができます。

ボラティリティの2~3倍に設定する

トレール注文の敵は、「ダマシ」です。ダマシが原因で失敗したというトレーダーは少なくありません。ダマシに遭遇しても耐えられるように、トレール幅はボラティリティの2~3倍に設定しましょう。ボラティリティの幅は、ARTボリンジャーバンドなどのテクニカル指標を使えば、簡単に計ることができます。

まとめ

今回は、FXの取引で使うトレール注文について説明しました。トレール注文とは、チャートの動きに応じて損切りラインを有利な方向に動かしていく注文方法です。損切り設定が損益分岐点を超えた場合、勝ちが保証されている状態で取引ができるので非常に安心感があるでしょう。

トレール注文では、利益確定をする必要がありません。チャートが損切り設定まで達するのを待つだけだからです。そのため、利益確定決済に苦手意識を持っているトレーダーにおすすめです。比較的簡単に使える注文方法なので、気になる方は少額から試してみてください。