【図解】FXの指値注文・逆指値注文をわかりやすく解説!うまく使うコツは?

【図解】FXの指値注文・逆指値注文をわかりやすく解説!うまく使うコツは?

FXで取引するためには、まず通貨ペアのポジションを持たなければいけません。このポジションを持つために必要なのが「注文」です。FXには、さまざまな注文方法があり、これらを場面に応じて使い分ける必要があります。しかし、意味や使い方が分からないと使いこなすのも難しいでしょう。

そこで今回は、複数ある注文方法の中からとくに有名な「指値注文」と「逆指値注文」について説明します。利益を最大化し、損失を最小限に抑えるためには欠かせない注文方法なので、ここでしっかり使い方をマスターしましょう。

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指値注文とは

指値注文とは

指値注文とは、「現在よりも有利な価格」で通貨ペアを購入したい場合に使う注文方法です。例えば、ユーロ円の現在価格が121円だとしましょう。今回は、「125円まで上昇する」という戦略を立てています。この場合、なるべく低い価格で買った方が多くの利益を得られます。ここで活用したいのが「指値注文」です。

指値注文を使い、118円の場所に買いの予約注文を入れました。もしも、チャートが下落し、ユーロ円が118円になったら、予約注文が本注文に変わり、約定(注文が確定すること)されます。指値注文は、すでに注文をしたい価格が決まっている場合に役立ちます。多くの利益を狙える注文方法なので、活用してみてください。

指値注文のメリット

指値注文のメリット

成行注文やOCO(オーシーオー)注文など、FXにはさまざまな注文方法があります。その中で、わざわざ指値注文を使うメリットはあるのかと疑問を抱いている人もいるでしょう。メリットは、3つあります。例えば、「事前に注文することができる」というメリットがあります。残り2つのメリットも紹介するので、参考にしてください。

事前に注文することができる

指値注文は「予約注文」です。そのため、タイミングを待たず、事前に注文することができます。例えば、現在のポンドドルは150円だとしましょう。本来、147円で購入したい場合は、価格が147円に変わるまで待たなければいけません。しかし、指値注文を使えば、150円のときにも「147円でポンドドルを購入」と予約することができます。

自分の都合に合わせて注文できるため、本業があったり家事があったりして忙しい人にこそおすすめです。もちろん、指値注文を利用したからといって、不利な条件を課せられることはありません。

狙った価格での売買が可能

成行注文では、その場で購入する通貨ペアやポジションの量などを設定し、注文を出します。しかし、チャートは毎秒動いています。そのため、注文が完了するまで時間がかかると、見ていた価格とは異なる価格で約定することがあります。

しかし、予約注文はあらかじめ購入する価格を指定してから出す注文方法です。成行注文のように、価格がズレることはほぼありません。自分の狙い通りに通貨を購入できるので、戦略が崩れにくいでしょう。

スリッページが生じにくい

スリッページとは、注文した際の価格と約定した際の価格の間に生まれる「価格差」のことです。例えば、148円のユーロ円を購入したとしましょう。しかし、実際に約定した価格は148.20円でした。この場合、注文価格と約定価格の間に「20銭」のズレが生じています。これがスリッページです。

スリッページが起こるのは、大抵「成行注文」です。指値注文のような予約注文では、あまりスリッページが起こりません。

スリッページについて詳しくはこちらをご参考ください。
>スリッページとは?発生する理由や7つの対策方法、3つの注意点を解説!

指値注文のデメリット

指値注文のデメリット

狙った価格で注文できたりスリッページが生じにくかったりと、指値注文にはさまざまなメリットがあります。しかし、2つのデメリットもあるので注意しましょう。1つ目は「約定しない可能性がある」こと、2つ目は「注文の値幅をあらかじめ決めなくてはいけない」ことです。ここでは、それぞれの詳細を説明します。

約定しない可能性がある

予約注文は、あくまでも「仮注文」です。まだ注文が通ったわけではありません。この仮注文が本注文に変わるのは、「指定した条件を満たしたとき」です。例えば、「豪ドル円を85円で購入する」と条件を指定した場合、豪ドル円の価格が85円に達さない限り、本注文には変わりません。

つまり、一生約定しないケースもあります。現在の価格から予約価格があまりにも離れ過ぎていると、約定しないリスクが高くなるので、注意しましょう。

約定について詳しくはこちらをご参考ください。
>約定とは?仕組みや約定率について、スリッページとの関係について解説

注文の値幅をあらかじめ決めないといけない

成行注文は、その場の状況に合わせて、柔軟に注文できます。しかし、指値注文は予約注文なので、あらかじめ値幅を決めておかなければいけません。そのため、指値注文を使うのであれば、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析などを活用して、少し先の相場を予測する必要があります。

・テクニカル分析:過去の相場から未来の値動きを予測する方法
・ファンダメンタルズ分析:世の中の情勢から未来の値動きを予測する方法

逆指値注文とは

逆指値注文とは

逆指値注文とは、「現在よりも不利な価格」で通貨ペアを購入したい場合に使う注文方法です。例えば、現在121円のユーロ円を売りポジションで保有しているとしましょう。予想通り下落すれば利益を得られますが、上昇した場合は損失が生まれます。利益が青天井で増えるのは嬉しいですが、損失が青天井で増えるのは嬉しくないでしょう。可能であれば、損失は最小限に抑えたいところです。

そこで役に立つのが「逆指値注文」です。今回は、121.50円のところに逆指値注文を入れました。この場合、121.50円にチャートが達すると自動で決済注文が出されるので、いくらチャートが上昇したとしても、損失は最大50銭までに抑えられます。

逆指値注文のメリット

逆指値注文のメリット

逆指値注文は、含み損が確定損に変わるため、ネガティブなイメージを持たれる注文方法です。しかし、立派なメリットが2つあるので覚えておきましょう。とくに、「損切りに役立つ」ことは、他の注文方法にはない逆指値注文の最大のメリットです。それでは、逆指値注文を利用する2つのメリットを紹介します。

うまく乗れば利益が期待できる

逆指値注文は、決済で使われることが多いですが、エントリーでも使うことができます。とくに相性がよいのは「逆張り」です。逆張りとは、現在のトレンドとは反対の方向にエントリーする取引手法です。

この取引手法のメリットは、トレンドの初動でエントリーできるため、大きな利益を狙えることです。上手くいけば、一度の取引で数十万円〜数百万円の利益を得られるでしょう。しかし、その分、失敗したときのダメージも大きいので注意しましょう。ハイリスク・ハイリターンなので、リスク管理は怠らないようにしてください。

損切りに役立つ

為替相場は、基本不規則に動きます。突発的な動きをすることもあるでしょう。相場の流れはある程度読めたとしても、急な相場の変動まで読むのは難しいと言えます。しかし、突発的な動きの対策をしなければ、いつか大きな損失を負うでしょう。そこで役に立つのが、逆指値注文です。

逆指値注文を使い、あらかじめ損切り(含み損が出ている状態でポジションを決済すること)の注文を入れておけば、損失を限定できます。例えば、100円のドル円を買いで保有しているのであれば、99円のラインに損切りの逆指値注文を入れるイメージです。

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逆指値注文のデメリット

逆指値注文のデメリット

損失を最小限に抑え、利益を最大化するためには、逆指値は欠かせません。積極的に活用していきたい強い味方ですが、デメリットもあります。とくに「約定しない可能性がある」のは注意しましょう。相場の急変にも弱いので、それを意識して取引する必要があります。それでは、逆指値注文のデメリットについて説明します。

約定しない可能性がある

逆指値注文は予約注文です。そのため、FXのチャートが指定の価格に達さない限り、注文は約定しません。現在の価格と指定の価格があまりにも離れすぎていると、中々約定しないので注意しましょう。

頻繁にチャートを確認できない人は、注文の数量を分割し、第二候補・第三候補の逆指値注文も作っておくことをおすすめします。このように注文を分けることで、約定しないといった問題が起こる確率を低くできます。

相場急変時には注意

逆指値注文が約定しないパターンは、もう一つあります。それは、経済ショックや大震災などによって、チャートが急激に動いたときです。相場が急激に動くと、短時間の間にたくさんの注文が約定されます。これにシステムが追いつかず、サーバーエラーを起こし、本来約定するはずだった注文が約定しなくなる場合があります。

経済発表や要人発言など、相場の急変があらかじめ予測できる場合は、一度ポジションを手放しておいた方がよいでしょう。

指値注文・逆指値注文と成行方法の違い

指値注文・逆指値注文と成行方法の違い

FXの代表的な注文方法は、「指値注文」、「逆指値注文」、「成行注文」の3つです。あまり聞き慣れない単語なので、それぞれどのような違いがあるのか分からない人もいるでしょう。それぞれの意味・違いを理解し、場面に応じて使い分けられるようになれば、高い確率でFXの勝率がアップします。ここで意味・違いを理解しましょう。

成行注文

成行注文とは、現時点での価格で約定を希望するときに出す注文方法です。例えば、現在ドル円は116円で推移しているとしましょう。この価格でポジションを保有したい場合は、成行注文を出します。正常に約定すれば、数秒後、あなたは116円のドル円を保有できていることになります。

成行注文のメリットは、スピーディーに注文が出せることです。そのため、スキャルピングやデイトレードなど、素早い判断が求められる取引手法を使う際に役立ちます。相場が急変した際にすぐ決済注文を出すこともできるので、上手く使えば損失を最小限に抑えられるでしょう。

成行注文について詳しくはこちらをご参考ください。
>成行注文・指値注文・逆指値注文とは?特徴や使い方のコツを徹底解説!

指値注文・逆指値注文と成行注文の違い

指値注文・逆指値注文・成行注文の違いは以下の通りです。

指値注文 逆指値注文 成行注文
注文の形式は? 予約注文 予約注文 その場での注文
いくらで発注する? 現在よりも有利な価格で発注 現在よりも不利な価格で発注 現時点での価格で発注
いつ使う? 現在よりも有利な価格で注文できる見込みはあるが、チャートを見続けられないとき 損失が広がるのを防ぎたいとき すぐに注文を約定させたいとき
注意点は? 約定しない可能性がある 約定しない可能性がある スリッページが発生する可能性がある
相性がよい取引手法は? ・デイトレード
・スイングトレード
・デイトレード
・スイングトレード
・スキャルピング
・デイトレード
注文の難易度は? 簡単 難しい 簡単

指値注文・逆指値注文と成行注文を使い分ける

それぞれの注文方法は、どれも取引を有利に進められる心強い味方ですが、適当に使うと逆に取引を難しくします。FX初心者はまず使い分けるようにしましょう。おすすめの使い分け方は以下の通りです。

・エントリー:成行注文
・利益確定:指値注文
・損切り:逆指値注文

上記の組み合わせのメリットは、取引する前から利益と損失の金額が分かることです。そのため、何回損失を負うと資金がなくなるのか、勝率は何パーセント以上を目指せばよいのかが明確になります。

リスク管理・資金管理がしやすく、将来の見通しも立てやすいので、戦略的にFXができるようになるでしょう。損切りの幅を1とした場合、なるべく利益確定の幅は1以上に設定することをおすすめします。

指値注文を上手く使うコツ

指値注文を上手く使うコツ

指値注文は比較的シンプルな注文方法なので、とくに勉強しなくても使えるようになります。しかし、「使えるようになる」のと「勝てるようになる」のは違います。もし、勝てるようになりたいのであれば、しっかり指値注文の有効な使い方を勉強しましょう。それでは早速、指値注文を上手く使う2つのコツについて説明します。

値動きが穏やかな時間帯に使う

指値注文は、値動きが穏やかな時間帯に使うのがコツです。大きな経済指標やニュースなどでレートが飛んでしまうと、約定しないことがあるからです。これは、値動きが激しい時間帯でよく起こります。

しかし、9:00〜15:00のように、値動きが比較的穏やかな時間帯であれば、約定しないことはまずありません。

長期トレードを行う場合に使う

指値注文は、長期トレードを行う場合に使うのがコツです。短期トレードは、素早い判断が求められるため、指値注文よりも成行注文の方が相性はよいと言えます。

しかし、長期トレードでは、素早い判断がさほど求められないため、成行注文よりも指値注文の方が相性はよいと言えます。

逆指値注文を上手く使うコツ

逆指値注文を上手く使うコツ

FXで勝つためには、損失を最小限に抑え、利益を最大化する必要があります。そこで役に立つのが「逆指値注文」です。逆指値注文で適切な場所に損切りを入れておけば、大きな損失を負うリスクをかなり低くできます。ここでは、「順張り」と「レンジブレイク」で逆指値注文を上手く使うコツを紹介します。

順張りで使う

逆指値注文は、順張りで使うのがコツです。順張りでエントリーをすると、上手くいった場合、利益を大きく伸ばすことができます。しかし、「いつまでトレンドが続くのか」ということは誰にも分かりません。

そこで、逆指値注文をあらかじめ入れておくと、トレンドが終了して、チャートが逆行した場合でも損失を最小限に抑えられます。つまり、「損小利大(損失は小さく、利益は大きくという意味)」のトレードが可能になります。

レンジブレイクで使う

逆指値注文は、「レンジブレイク(レンジ相場の上値、又は下値を突き抜けること)で使うのがコツです。レンジブレイクすると、基本的にはその方向にチャートが進んでいくのですが、必ずレンジブレイクするという保証はなく、上値・下値付近で反発する場合があります。

もし、チャートが反発し、エントリーに失敗した場合、大きな損失が生まれるでしょう。これを防ぐために、必ず逆指値を入れることをおすすめします。しっかり対策をしておけば、たとえレンジブレイクせずに反発した場合でも、損失を最小限に抑えることができます。

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まとめ

まずは、指値注文と逆指値注文、それぞれの意味をおさらいしましょう。

・指値注文:現在よりも有利な価格で注文をしたい場合に使う注文方法
・逆指値注文:現在よりも不利な価格で注文をしたい場合に使う注文方法

どちらも、FXでの取引を有利に進めるためには欠かせません。指値注文は利益を最大化するために使えますし、逆指値注文は損失を最小限に抑えるために使えます。ここに、スピーディーな注文ができる「成行注文」を組み合わせれば、かなりよい取引ができるでしょう。少しずつでも構わないので、それぞれを使いこなせるように練習してみてください。