サイコロジカルラインはどうやって使う?使い方や注意点を解説

FXには、トレンドフォローと逆張りという2種類の取引手法があります。逆張りを使えば、大きな利益を狙えますが、大きな損失を負う可能性もあります。逆張りを使うのであれば、しっかりと相場を分析しなければいけません。そこで役に立つのが「サイコロジカルライン」です。逆張りに強いテクニカル指標なので、上手く活用すれば逆張りの勝率が高くなるでしょう。

今回は、サイコロジカルラインの概要や使い方などを分かりやすく紹介します。注意点やサイコロジカルラインと相性がよいオシレーター系指標などもまとめました。

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サイコロジカルラインとは

サイコロジカルとは、「心理的な」という意味を持つ単語です。チャートが動く要因はさまざまありますが、その中の一つに「トレーダーの心理」というものがあります。例えば、チャートが上昇を開始すると多くのトレーダーは買い目線で戦略を立てるようになるので、上昇トレンドがさらに強くなる傾向があります。反対に、上昇の力が弱くなってくると多くのトレーダーはその価格帯を上昇トレンドの天井と判断し、売り目線で戦略を立てるようになります。

このようなトレーダーの心理を数値化し、エントリーのタイミングを判断するのが「サイコロジカルライン」です。サイコロジカルラインのサインが強気であれば「売り」、弱気であれば「買い」でエントリーしていきます。

サイコロジカルラインの計算式

サイコロジカルラインは、以下の計算式で求められます。

サイコロジカルライン =(ある期間内でチャートが上昇した日数 ÷ 計測した日数)× 100

期間は12日(週)に設定するのが一般的です。例えば、12日中8日チャートが上昇したとしましょう。この場合、以下の計算式が成り立ちます。

8日 ÷ 12日 × 100 = 66.666…

今回の例だと、サイコロジカルラインの数値は約66%であることが分かりました。サイコロジカルラインを使う場合は、50%を基準値にしましょう。計算で出た答えが25%以下であれば、現在の相場状況は「通貨が売られすぎている」と判断してください。

反対に、答えが75%以上であれば、現在の相場状況は「通貨が買われすぎている」と判断しましょう。26〜74%の間であれば、売買の均衡が保たれていると判断してください。

サイコロジカルラインの見方・使い方

サイコロジカルラインの概要と計算式を理解したら、次は見方・使い方を覚えていきましょう。ここを理解することができれば、実際にサイコロジカルラインを使って取引できます。それでは、売り・買いの両方のエントリーサインを紹介します。おすすめは人によるので、真似しやすい方から真似してみてください。

「売り」サインの目安

期間を12日(週)に設定した場合、チャートが9日以上上昇することはまずありません。チャートが12日中9日上昇したのであれば、サイコロジカルラインの数値は75%です。75%は「通貨が買われすぎている」ことを意味するので、この場合は売り目線で戦略を立てていくのが正解とされています。まずは、チャートの動きに注目しましょう。

時間が経つと、チャートがサイコロジカルラインの数値75%を上から下に抜けることがあります。このタイミングが「売りのサイン」なので、注文画面から売りエントリーをしましょう。リスクを抑えたい人は、75%のラインをしっかり抜けたのを確認してからエントリーしてください。

「買い」サインの目安

期間を12日(週)に設定した場合、チャートが1〜3日しか上昇しないこともまずありません。仮に、チャートが12日中3日上昇したのであれば、サイコロジカルラインの数値は25%です。25%は「通貨が売られすぎている」ことを意味するので、この場合は買い目線で戦略を立てていきましょう。売りサインの段落と同じように、まずはチャートを確認してください。

上昇はゆっくりと進むことが多いので、多少エントリーが遅れたとしても問題ありません。「買いのサイン」は、チャートがサイコロジカルラインの数値25%を下から上に抜けたタイミングです。サインが出たら、すぐに取引画面から買いエントリーしましょう。

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サイコロジカルラインの注意点

サイコロジカルラインを使う場合は、ダマシや値幅に注意しましょう。MT4/MT5に標準装備されていない、他のテクニカル指標と併用する必要がある、なども理解しておく必要があります。FX初心者はもちろん、中級者でもサイコロジカルラインを使うのが初めての場合は、しっかり注意点を把握してから使うようにしましょう。

ダマシが多い

ダマシとは、特定の方向にチャートが進んだ後、すぐ反対方向に進むことです。例えば、チャートがレジスタンスライン(上値抵抗線)を抜けたとしましょう。セオリー通りであれば、このままチャートは上昇していきます。しかし、時々上昇せずにレジスタンスラインをすぐ下抜けする場合があります。これがダマシです。

ダマシが発生した後にすぐ対応できないと、大きな損失を負う場合があります。基本的にダマシを事前に避けることはできません。ダマシが発生することも想定し、日頃からリスク管理を怠らないようにしましょう。

値幅は考慮されていない

サイコロジカルラインの数値は、チャートが上昇した日数を使って計算します。計算に使う日数は、上昇の大小を問いません。100pips(ピップス)上昇したとしても、1pipsしか上昇していないとしても、チャートが上昇した日数は同じ1日としてカウントされます。

そのため、サイコロジカルラインを見たとしても、直近のトレンドの強さを正確に把握することはできません。サイコロジカルラインは、あくまでも「エントリータイミング」を予測するためのテクニカル指標です。トレンドの強さは他のテクニカル指標を使って分析しましょう。

MT4/MT5に標準装備されていない

サイコロジカルラインは、以下の手順でMT4/MT5に搭載することができます。

1.「サイコロジカルライン ダウンロード」と検索をして、ファイルをダウンロードする
2.MT4/MT5を起動し、「ファイル」→「データフォルダを開く」の順でクリックをする
3.「MQL4」というファイルに「psychological indicator」というファイルを移動する
4. MT4/MT5を再起動する
5.「挿入」→「インジケーター」→「カスタム」→「psychological indicator」の順でクリックをする
6.チャート画面にサイコロジカルラインが表示されたことを確認する
7.搭載作業完了

他のテクニカル指標との併用が必要

サイコロジカルラインは特定の分析しかできません。このテクニカル指標一つで取引をしていくのは無謀と言えるでしょう。少額の利益しか得られないどころか、損失のみが膨らんでいく可能性も十分考えられます。これを防ぐために、サイコロジカルラインは他のテクニカル指標と組み合わせて使いましょう。

サイコロジカルラインではエントリーのタイミングを予測できるので、相場の流れを分析できるテクニカル指標と組み合わせることがおすすめです。このように弱点を補うことができれば、きっと勝率の高い取引ができるでしょう。

サイコロジカルラインと相性の良いオシレーター系指標

オシレーター系指標とは、相場の過熱感を把握したい場合に役立つテクニカル指標です。決められた範囲内での売買タイミングを予測することが得意なので、レンジ相場で力を発揮します。これとサイコロジカルラインを組み合わせて使用すれば、精度の高い取引ができるでしょう。おすすめのオシレーター系指標を2つ紹介します。

RSI

RSI(アールエスアイ)とは、チャートの上昇力を数値化したテクニカルチャートです。RCI(アールシーアイ)と名前が似ていますが、示す指標が異なります。

・RSI:特定の期間における上昇と下落の比率にどれほどの差が生じたかを示す指標
・RCI:特定の期間における時間と価格に注目し、直近の値動きの強さや影響力などを判断する指標

RSIを使うと、現在の相場は通貨が買われすぎているのか、売られすぎているのかが分かります。サイコロジカルラインと組み合わせれば、相場の過熱感を分析する際の根拠が強くなるでしょう。サイコロジカルラインを単体で使うよりも、エントリーの方向性を正しく判断することができます。

RSIについて詳しくはこちらをご参考ください。
>海外FXのRSIとは?使い方や見方などを徹底解説!

ストキャスティクス

ストキャスティクスとは、レンジ相場における相場の過熱感を把握したい場合に役立つテクニカルツールです。逆張りと相性がよいと言われています。サイコロジカルラインも逆張りに強いと言われているので、それぞれを組み合わせて使えば精度の高い逆張りができるようになるでしょう。ストキャスティクスの見方・使い方は以下の通りです。

・%Dが80%以上であれば、通貨は買われすぎていると判断する
・%Dが20%以下であれば、通貨は売られすぎていると判断する

サイコロジカルラインとストキャスティクスのエントリーサインが重なったときは、根拠が非常に強いタイミングです。よい結果が期待できるので、ぜひエントリーしてみてください。

ストキャスティクスについて詳しくはこちらをご参考ください。
>海外FXのストキャスティクスとは?逆張りを仕掛けたいトレーダー必見!

まとめ

今回は、FXのサイコロジカルラインについて説明しました。サイコロジカルラインとは、トレーダーの心理を数値化し、エントリーのタイミングを予測するテクニカル指標です。強気のサインが出た場合は「売り」、弱気のサインが出た場合は「買い」でエントリーしていきます。逆張りに強いテクニカル指標なので、トレンドの転換を狙って取引をする人の強い味方になるでしょう。

しかし、サイコロジカルライン単体で取引をするのは大きな損失を負う可能性があり、危険です。必ず、他のテクニカル指標も使って、取引の根拠を強めましょう。