FXのDMI・ADXの使い方とは?見方や考え方を解説

FXでは、トレンドフォロー(順張り)で利益を得るのが基本です。有名なFXトレーダーや機関投資家などもトレンドフォローを活用して、利益を上げています。「相場の流れに乗るだけ」と非常にシンプルな取引手法ですが、中々勝率が上がらず悩んでいる人もいるでしょう。そのように悩んでいる人は、DMIとADXを使ってみてください。

今回は、トレンドフォローの勝率アップが期待できる「DMI」「ADX」について説明します。FX初心者でも安心の使い方や見方なども分かりやすく説明するので、ぜひ参考にしてください。

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DMI・ADXとは

DMI(Directional Movement Index/ディーエムアイ)とは、方向性指数と呼ばれるオシレーター系のテクニカル指標です。トレンドフォローで取引をする際によく使われます。DMIの特徴は、トレンドの発生とそのトレンドに乗って利益を得られるかの両方を判断できることです。単体ではもちろん、他のテクニカル指標と組み合わせても使えます。

ADX(Average Directional Movement Index/エーディーエックス)とは、トレンドの強さを把握する際に役立つテクニカル指標です。日本語訳では、平均方向性指数と言われます。

DMIの3つの線

DMIには、「+DI(ディーアイ)ライン」「−DIライン」「ADXライン」と3つの線があります。+DIラインと−DIラインは買い勢力と売り勢力の強さを表すラインで、ADXラインはトレンドの強さを表すラインです。

これらのラインを活用すれば、「現在どちらの勢力が強くて今後どのようなトレンドが形成される可能性が高いのか」と分析できます。なお、応用すればADXラインは決済タイミングを探る際にも使えます。

+DIライン

+DIラインとは、一般的に買い勢力(上昇トレンド)が強いことを示すラインです。チャートが上昇すると+DIラインも上昇し、チャートが下降すると+DIラインも下降する傾向があります。+DIラインが形成されている場合は上昇トレンドが発生している可能性が高いので、買い目線でエントリーの準備をしましょう。

上昇トレンドの力が強いと、+DIラインの幅は大きくなります。この場合は大きな利益を狙えるので、リスク許容度が高い人はぜひエントリーしてみてください。しかし、リスクも大きい状況なのでリスク管理は怠らないようにしましょう。

−DIライン

−DIラインとは、一般的に売り勢力(下降トレンド)が強いことを示すラインです。チャートが下降すると−DIラインは上昇し、チャートが上昇すると−DIラインは下降する傾向があります。−DIラインが形成されている場合は、高い確率で下降トレンドが発生しているため、売り目線でエントリーの準備をしましょう。

+DIラインと同様に、−DIラインも下降トレンドの力が強くなると幅が大きくなります。このタイミングでエントリーをする人は、損切り設定をしたり取引ロット数を通常よりも少なくしたりして、エントリーしてみてください。

ADXライン

ADXラインとは、トレンドの強さを確認できるラインです。トレンドの力が強ければADXラインは上昇し、トレンドの力が弱ければADXラインは下降します。ADXラインの基準値は20〜30です。20〜30を超えていたら強いトレンドが発生していると判断しましょう。

相場の動きが不明確な状態になると、ADXラインの数値は低下する傾向があります。ADXラインを使う際は、ADXを算出する際に使う移動平均線の種類に注意しましょう。3種類あるのですが、チャートシステムごとに採用している移動平均線が異なります。

DMI・ADXの計算式

DMI・ADXの計算式は、少し複雑で難しいとされています。しかし、「+DM・−DM」「TR」「+DI・−DI」と3つのステップに分けると、簡単に計算できます。この段落では、それぞれの計算式をなるべく分かりやすくまとめました。これからDMI・ADXをFXで使う人は、ぜひ参考にしてください。

+DM・−DM

DMIのことを「+DI」「−DI」と言います。これらを求めるためには、まず以下の計算式で+DM(ディーエム)と−DMを算出しましょう。

・+DM:その日の高値 − 前日の高値
・−DM:その日の安値 − 前日の安値

+DMとはチャートが1日で上昇した力を示す数値のことで、−DMとはチャートが1日で下降した力を示す数値のことです。これらをさらに具体的に説明すると、以下のようになります。

・上昇した力:前日の高値と当日の高値の幅
・下降した力:前日の安値と当日の安値の幅

このような意味合いがあるため、先述のような計算式が成り立ちます。

TR

先ほど紹介した計算式で+DMと−DMを求めたら、次はTR(ティーアール)を求めましょう。TRとは、トゥルーレンジと呼ばれるもので、変動した価格の最大値を示します。TRを求めるためには、まず以下の計算式でそれぞれの答えを算出しましょう。

・当日の高値 − 当日の安値
・当日の高値 − 前日の終値
・前日の終値 − 当日の安値

上記の中で最も大きい数値がTRです。例えば、当日の高値が100円、当日の安値が92円、前日の終値が104円と仮定して計算してみましょう。この場合は、以下の計算式が成り立ちます。

・100 − 92 = 8
・100 − 104 = −4
・104 − 92 = 12

この場合のTRは、3つ目の12になります。

+DI・−DI

DMとTRを求められたら、その答えを用いて最後にDMI(+DI・−DI)を求めましょう。DMIは、以下の計算式で求められます。

・+DI:100% ×( +DMの合計 ÷ TRの合計 )
・−DI:100% ×( −DMの合計 ÷ TRの合計 )

例えば、+DMの合計が30、−DMの合計が15、TRの合計が10だとしましょう。この場合は、以下の計算式が成り立ちます。

・100% ×( 30 ÷ 10 )= 3( +DI )
・100% ×( 15 ÷ 10 )= 1.5( −DI )

一般的に+DIは、+DMが全体の値動きの中でどのくらいの割合を占めているのかを数値化したものを言います。一方で−DIは、−DMが全体の値動きの中でどのくらいの割合を占めていたのかを数値化したものです。

DMIの見方

DMIの概要と計算式をしっかり理解したら、次は見方を覚えましょう。DMIを見れるようになれば、現在はどのような相場が形成されているのか判断できるようになります。エントリーの回数が増えるので、利益を得られる確率も高くなるでしょう。それでは、相場のパターン別にDMIの見方について説明します。

DMIの数値

DMIをチャート画面に表示すると、ADXも表示されます。サブチャートの中に表示されている数値は、すべてADXのものです。この数値で注目したい部分は、3つあります。

・現在相場のADXの数値
・一定期間内のADXの最大値
・一定期間内のADXの最小値

実際に取引で使う際は、まず一定期間内のADXの最大値最小値を確認しましょう。その中で現在相場のADXの数値は高いか低いかを判断します。ADXの数値が高ければ、相場の方向性がはっきりしていると判断しましょう。ADXの数値が低ければ、相場はまだ方向性で迷っていると判断してください。

上昇パターン

相場を見ると、−DIよりも上に+DIがあることがあります。この場合は、買い勢力の方が強いと判断しましょう。上昇トレンドが発生している、または発生する予兆なので、買い目線で取引の戦略を考えていきます。トレンドの勢いを把握したい場合は+DIの位置を確認してください。+DIの位置が高いほど、その上昇トレンドには勢いがあると判断できます。

ある程度リスク許容度が高い人は、トレンドの初動を掴みたいでしょう。その場合は、+DIが−DIを下から上に突き抜けたタイミングを見逃さないようにしてください。これは下降トレンドから上昇トレンドへの転換サインなので、セオリー通りに進めば、チャートはここから上昇していきます。

下降パターン

相場を見て、+DIよりも上に−DIがある場合は売り勢力の方が強いと判断しましょう。下降トレンドが発生している、または発生するサインなので、この場合は売り目線で戦略を立てていきます。すでに下降トレンドが発生していて、トレンドの勢いを分析したい場合は−DIの位置を確認しましょう。−DIの位置が低いほど、トレンドが下降する圧力は強いと判断できます。

+DIを−DIが上から下に突き抜けた場合は、上昇トレンドから下降トレンドに変わるサインです。トレンドの初動を掴める可能性が高いので、余裕がある人はエントリーしてみましょう。しかし、リスクが高いのも事実です。だましの可能性も十分考えられるので、リスク管理は怠らないようにしてください。

横ばいパターン

+DIと−DIのどちらかが必ず上にあるとは限りません。相場の状況によっては、+DIも−DIも低い位置にあり、交差しながら動きます。このDMIからはラインの幅が狭く、値動きが小さいという情報を得られます。つまり、チャートに動きがないレンジ相場が形成されていると判断できます。

形成されているレンジ相場を活用して利益を得る方法もありますが、少し難易度が高く、FX初心者にはおすすめできません。レンジ相場が発生しているとき、FX初心者はエントリーを控えて相場の分析に励みましょう。次は上昇トレンドと下降トレンドのどちらが形成される可能性が高いかを分析して、エントリーの準備をしてください。

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DMIの使い方

DMIは、非常に優れたテクニカル指標です。ひとつではなく、複数の使い方があります。どの方法でも利益を得ているトレーダーは存在するので、自分が使いやすいものを使ってください。ここでは、FX初心者でも使いやすいDMIの使い方を3つ紹介します。シグナルも紹介するので、参考にしてください。

+DIと-DIで判断する使い方

まずはシンプルな方法でDMIを使ってみたいという人は、+DIと−DIを使って取引をしてみましょう。今回は、買いでエントリーをすると仮定して使い方を紹介します。

1.FXの取引画面にDMIのインジケーターを表示させる
2.正常に表示されたことを確認したら、+DIと−DIに動きに注目する
3.+DIが−DIを下から上に突き抜けたら買いでエントリー
4.+DIが−DIを上から下に突き抜けたら決済をする
5.取引完了

売りで取引をしたい人は、今回紹介した方法とは逆のやり方でエントリーをしてください。ただし、この方法で取引をするとだましに遭遇しやすくなります。レンジ相場では+DIと−DIが頻繁に交差する場合もあるので、注意してください。

+DIと−DIとADXで判断する使い方

先ほど紹介した手法の「だましに遭遇しやすい」という欠点を改善したい場合は、ADXも組み合わせて使いましょう。ADXの数値はトレンドが明確に出ていると高くなりますが、不明確だと低くなります。この特性を活用して、以下のように判断しましょう。

・+DIが−DIを下から上に突き抜けた後、ADXが上昇過程にある場合は、上昇トレンドが明確に出ている
・+DIが−DIを上から下に突き抜けた後、ADXが上昇している場合は、下降トレンドが明確に出ている

ポイントとなるのは、ゴールデンクロス・デッドクロスが発生した後に「ADXが上昇仮定にあるのか」です。上昇過程にあるなら上昇トレンド、すでに上昇しているなら下降トレンドが発生していると判断してください。

ADXラインに重点を置いて判断する使い方

±DIの「トレンドの強さを把握するのには向いていない」という欠点に不満を感じるようであれば、ADXラインに重点を置いて取引をしてみましょう。参考までに、やり方を紹介します。

1.チャート画面にDMIを表示する
2.+DIが−DIを下から上に突き抜けたことを確認する
3.ADXが上昇していく様子を確認する
4.ADXの数値が大きくなってきたら、買いでエントリーをする

ここでよくあるのが、ADXの上昇を確認したタイミングでエントリーをする失敗です。このタイミングはまだADXの数値が小さく、だましに遭遇する可能性が高いと言えます。少しリスキーなので、必ずADXの数値が大きくなったらエントリーを仕掛けるようにしましょう。

ダイバージェンスに注意

取引をしているとチャートは上昇しているのに、ADXの数値は低下していくという状況に遭遇する場合があります。これは、ダイバージェンスと呼ばれる現象です。ダイバージェンスはトレンドの終了を知らせるサインとされているので、ポジションを持っている人はすぐ決済して現在の相場から撤退しましょう。

ダイバージェンスが発生したら、逆張りで利益を狙うことをおすすめします。やり方は、以下の通りです。

1.ダイバージェンスが発生している部分にトレンドラインを引く
2.チャートがトレンドラインを割ったら、同じ方向にエントリーをする

取引の精度を高めたい人は、+DIと−DIの位置関係も考慮しましょう。なお、逆張りは順張りに比べてリスクの高い取引手法です。大きな損失を負う可能性もあるので、チャートの動きが怪しくなったらすぐ撤退しましょう。

ダイバージェンスについて詳しくはこちらをご参考ください。
>海外FXのダイバージェンスとは?見方やおすすめのインジケーターを紹介!

まとめ

今回は、海外FXの取引で使うDMIとADXについて説明しました。DMIとは、トレンドの方向性を把握するのに役立つテクニカル指標です。そのトレンドに乗って利益を得られるかの判断もできます。ADXとは、トレンドの強さを把握したい場合に役立つテクニカル指標です。元々はDMIに含まれた指標でしたが、最近は独立して使われるようになってきました。

これらを活用して取引を行えば、トレンドフォローの勝率アップが期待できます。だましに遭遇する確率も下げられるので、より安全な取引が実現するでしょう。