少し前まで、FXで取引をすると言ったらパソコンを使うのが一般的でした。しかし、現在はアプリで取引をするのが主流になりつつあります。その結果、スマホFXという言葉も誕生しました。
今回は、現在主流になりつつあるFXのアプリについて説明します。アプリの概要はもちろん、メリット・デメリットなどもまとめたので参考にしてください。これからインストールする人に向けて、アプリの選び方も説明します。
FXのアプリとは
FXのアプリとは、FX取引所が提供しているスマートフォン専用のアプリのことです。これが提供され始めたことで、スマートフォンから手軽にFXができるようになりました。FXのアプリを使うために、何十万円もするハイスペックなスマートフォンは必要ありません。2〜5万円台のミドルスペックのスマートフォンでも快適に取引ができます。
また、スマートフォンによって使える機能が異なることもないので、安心してください。誰でも平等に使えるのは、FXアプリ最大の魅力と言えるでしょう。
上手な使い方は?
後ほど具体的に説明しますが、FXのアプリにも得意・不得意があります。FXのアプリだけに頼って取引をすると、パフォーマンスが高くならない可能性があるので注意してください。パフォーマンスを高めるため、FXのアプリを上手に使うことが大切です。
上手な使い方はたくさんありますが、FX初心者はパソコン版FXツールの補助としてFXのアプリを使うことをおすすめします。相場の分析はパソコン版のFXツールを使って、通貨ペアの選択や注文はFXのアプリを使う、というイメージです。
シミュレーションアプリとは何が違う?
FXのアプリのひとつとして、シミュレーションアプリがあります。シミュレーションアプリとは、取引の練習をするために使うアプリです。一見すると今回紹介しているアプリと似ているように見えますが、明確な違いがあるので注意してください。
・FXのアプリ:リアルな取引をするためのアプリ
・シミュレーションアプリ:仮想上の世界で取引をするためのアプリ
FXのアプリでは、実際のお金を使って取引を行います。利益・損失も自分のものです。一方でシミュレーションアプリでは、仮想上のお金を使って取引を行います。自分のお金ではなく、システムが用意した仮のお金なので損失を負ってもトレーダーにダメージはありません。もちろん、利益を得ても自分のものにはならないので注意しましょう。
デモトレードはできる?
デモトレードとは、FXの練習をするための機能です。シミュレーションアプリと内容が似ています。大きな違いはありませんが、一般的にFX取引所が公式で出している練習機能をデモトレードと呼び、非公式の練習機能をシミュレーションアプリと呼びます。
FX取引所によっては、このデモトレード機能をFXのアプリの中に導入しています。シミュレーションアプリではなく、デモトレードを活用するメリットは以下の通りです。
・公式が出している機能なので安心感がある
・注文方法や画面がリアル口座と同じなので、本番に近い形でFXの練習ができる
・使えるインジケーターやプログラムが多い
基本的に、シミュレーションアプリよりもデモトレードの方が使いやすいと言えます。そのため、提供されているのであればデモトレードの方を使いましょう。
自動売買はできる?
自動売買とは、プログラムを組んでAIにその通り取引をしてもらう取引方法です。ある程度自動でFXができるので、忙しい人や副業トレーダーなどから人気があります。この自動売買は、FXのアプリでも使うことができます。
しかし、FX取引所によってはアプリでの自動売買ができないので注意しましょう。自動売買を使う際は、そのFX取引所が提供しているアプリの注意事項をしっかり確認することをおすすめします。
アプリを使うのにお金はかかる?
FXのアプリを使うために、お金はかかりません。インストールも無料でできるので、安心してください。インジケーターやデモトレードなども無料で使えます。もしも、FXのアプリが有料で提供されている場合は非公式アプリの可能性があります。公式のアプリにアイコンやデザインをかなり似せてきている非公式アプリも存在するので、注意してください。
アプリではFXで勝つことができないというのは本当?
よく、SNSや掲示板では「アプリでFXは勝てない」と言われることがあります。結論から申し上げますと、アプリでもFXで勝つことはできます。実際、SNSではアプリでの取引で大きな利益を得ているトレーダーがいるからです。
特に最近は副業トレーダーの人口が増えており、その多くがアプリで取引をしています。毎月数千円〜数万円の利益を得ている副業トレーダーはかなりの数いるので、アプリでの取引でも勝てる可能性は十分あるでしょう。
FXのアプリのメリット
FXのアプリを使うメリットは、初期投資なしでFXができることです。いつどこにいてもFXができたり操作が簡単だったりするのも、メリットでしょう。ここでは、そのようなFXのアプリを使うメリットについて説明します。
初期投資なしでFXができる
これまで、FXをするためにはパソコンが必要でした。インジケーターを複数表示したりプログラムを導入したりする場合は、それなりにスペックが高いパソコンを購入する必要があるでしょう。また、モニターやマウス、そして接続ケーブルなどの周辺アイテムも購入しなければいけません。さらに、FX取引所にアクセスするためのWi-Fiも必要です。これらを合計すると、大体数万円〜数十万円はします。
しかし、最近は多くの人がスマホを所有しているでしょう。そのスマホでFXができるので、アプリを使えば初期費用がかかりません。本来かかるはずだった数万円〜数十万円の費用は、投資資金や書籍購入代などに回してください。
いつどこにいてもFXができる
パソコンでFXをする場合は、ある程度の作業スペースを用意しなければいけません。さすがに、電車の中やショッピングモールの中でパソコンを広げて取引をする訳にはいかないでしょう。
しかし、アプリを使えばそれができます。少しスマホを操作できる安全なスペースがあれば、サクッとアプリを起動して取引ができるからです。隙間時間を活かした取引ができるようになるので、忙しい人や副業トレーダーは非常に助かるでしょう。
操作が簡単
基本的に多くのFXのアプリは、使いやすいように設計されています。取扱説明書を読まなくても直感的に操作できるほどなので、初めての人でもすぐ使いこなせるでしょう。また、表示される項目もシンプルです。アクセスしたい項目にすぐアクセスできるので、ストレスフリーでFXができるでしょう。
FXのアプリによっては、設定や分析画面などを保存できます。変えたくない部分がある場合は、搭載されている保存機能を上手く活用してください。
素早く為替情報をチェックできる
FXのアプリによっては、マーケット情報やニュースなどを確認できる機能が搭載されています。これを活用すれば、為替レートや経済指標のスケジュールなどを素早く確認できるでしょう。経済・政治系のニュースもサクッと確認できるので、急激な為替変動にもすぐ対応できます。
パソコンのように別タブでニュースサイトを開く必要がないので、手間なくFXができるでしょう。
FXのアプリのデメリット
FXのアプリのデメリットは、細かい作業を行うのが難しいことです。通信状態に不安が残る、アプリによって取引のしやすさが変わるなどのデメリットもあります。ここでは、そのようなFXのアプリを使うデメリットについて説明します。
細かい作業を行うのが難しい
一昔前に比べて、FXのアプリは大きく進化しました。多彩な機能が手軽に使えるようになったでしょう。しかし、どうしてもパソコン版のFXツールには負けます。それはパソコンとスマホの根本的なスペックの違いや画面の大きさなどが変わってくるからです。
スペックが違えば搭載できる機能が異なりますし、画面の大きさが違えば表示できるものの数も異なります。もしも、本格的にFXに挑戦したいと思い、細かい作業も必要になったらパソコンを購入するようにしましょう。
通信状態に不安が残る
パソコンでは、Wi-Fiを使ってFXを行います。Wi-Fiは比較的通信状態が安定しているので、FXの取引が不便になることは少ないでしょう。しかし、スマホでは基本的にキャリア回線を用いてFXを行います。キャリア回線は、人口の密集度や時間帯、そして使用するエリアなどによって通信状態が大きく異なるので注意しましょう。
通信状態が悪いと、チャート画面すら表示されなくなります。カクカクして相場の確認が上手くできないこともあるでしょう。このデメリットを解消したい場合は、スマホでもWi-Fiを活用することをおすすめします。なお、資金に少し余裕がある人は光回線を選択しましょう。
アプリによって取引のしやすさが変わる
大まかな機能・表示方法はどのアプリも似ていますが、細かい部分は多少の違いが出てきます。これにより、取引のしやすさが変わってくるので注意しましょう。例えば、スキャルピングをするならアプリAよりもアプリBの方が使いやすいといったことが起こる場合があります。複数のアプリを使ってみて、自分に合うのはどれか探しましょう。
スマホを紛失した際のリスクが大きい
アプリでFXをする場合は、大切な個人情報はスマホの中に眠っています。もしも、スマホを紛失したり盗難されたりした場合、その個人情報が盗まれる可能性があります。ある程度知識がある人に盗まれた場合は、口座内の資金を悪用されるかもしれません。
このような事態を防ぐために、IDやパスワードはなるべく分かりにくいもので設定しましょう。生体認証もつけるとさらに安心できます。
FXのアプリの選び方
FXのアプリを選ぶ際は、使いやすさを確認しましょう。取引ツールの種類や情報収集のしやすさなども確認してください。ここでは、そのようなFXのアプリの選び方について説明します。
使いやすいか
デメリットの段落でも説明したように、細かい仕様はアプリによって異なります。実際に使ってみて、以下のことを確認しましょう。
・画面が見やすいか
・売買がしやすいか
・新規注文や決済注文が出しやすいか
使いにくいアプリを使うと、誤発注によって大きな損失を負う恐れがあります。これはFX取引所で補償してくれないので注意してください。
取引ツールが豊富か
相場を分析するためには、取引ツールが必要です。しかし、使いやすさを重視するために使える取引ツールを少なくしているアプリも存在します。アプリを開いてみて、使いたい取引ツールが搭載されているか確認しましょう。
情報収集がしやすいか
ファンダメンタルズ分析をする際には、経済や政治に関する情報を取得しなければいけません。これを別タブで確認しなければいけないとなると、少し手間がかかります。サクッと手間なく確認できるように、情報収集がしやすいか確認しましょう。なお、FXのアプリから経済指標のスケジュールも確認できると非常に便利です。
情報の表示能力が高いか
FXのアプリには、現時点での為替レートやスプレッドなどのさまざまな情報が表示されています。表示される情報が多くて分かりやすければ、取引がしやすいでしょう。ホームボタンを押して、たくさんの情報が分かりやすく表示されるか確認してください。
まとめ
今回は、FXの取引で使うアプリについて説明しました。FXのアプリは、パソコン版の取引ツールをスマホでも使えるように軽量化したものです。極端にスペックが低いスマホでなければ、どのようなスマホでも使えます。特徴は、直感的に操作できるように設計されていることです。そのため、初めての人でもすぐに使いこなせるでしょう。
アプリのインストール料や月額使用料などはかかりません。気になる人は、インストールしてみてください。