海外FXで使えるサヤ取りとは?特徴・やり方についても解説します

海外FXには数十種類の取引手法があります。今回は、その中のひとつである「サヤ取り」について解説します。サヤ取りのやり方や手法を取り入れる場合の注意点など、サヤ取りを覚えたい方はぜひ参考にしてみてください。

サヤ取りについて

サヤ取りとは、買いと売りのポジションを両方保有し、それらの価格差を狙う投資手法です。サヤ取りは、価格推移の連動性が高い通貨ペアで行います。そのため、価格変動リスクを抑えながら資産を運用できます。

「サヤ」の特徴

一般的に海外FXでは、「トレンド」を狙うトレーダーが多い傾向にありますが、トレンドを完全に予測するのは難しいと言われています。上昇トレンドが発生するのか、下降トレンドが発生するのかは、トレンドが発生するまで分からないからです。

また、トレンドはいつまで続くのかも分かりません。それに対して、サヤ(価格差)は一定のレンジを一定期間、規則的に上下するという特徴があります。そのため、トレンドよりもサヤを狙う方が比較的簡単です。

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サヤ取りは勝率が比較的高い取引手法

サヤ取りは、値動きが相関する通貨ペアの買いと売りのポジションを保有する取引手法です。通常の取引よりも「相関する値動きをベースに取引する」ため勝率は高くなる傾向があります。

また、相関係数を算出し、過去のデータからサヤ取りの勝率も計算できます。そのため、数学的データにもとづいた取引も可能です。

サヤ取りの取引手法は2種類

サヤ取りの取引手法は、2種類あります。1種類目は「為替差益を狙ったサヤ取り」です。2種類目は「スワップポイントを狙ったサヤ取り」です。

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【為替差益編】サヤ取りの特徴ややり方について

ここでは、為替差益を狙ったサヤ取りの特徴やそのやり方を解説します。

為替差益を狙ったサヤ取りの特徴

為替差益を狙ったサヤ取りの特徴は、「相場が急騰・急落しても大きな損失を負わない」ことです。例えば、相場が急落して50万円の含み損が生まれたとします。

しかし、サヤ取りでは売りのポジションも保有するので、50万円の含み益も生まれています。50万円の含み損と50万円の含み益が生まれているので損益は0円です。そのため、リーマンショックやコロナショックなどの大暴落が起きても比較的安心して立ち回れます。

為替差益を狙ったサヤ取りのやり方

続いて、為替差益を狙ったサヤ取りのやり方を解説します。
※今回使う通貨ペア:米ドル/円とユーロ/円

1.100円のときに米ドル/円を買い(1万通貨)でエントリーする
2.120円のときにユーロ/円を売り(1万通貨)でエントリーする
3.米ドル円が98円になったら決済する
4.ユーロ/円が123円になったら決済する

これによって、米ドル/円では2円、ユーロ/円では3円の価格差を得られています。つまり、今回は5万円(5円×1万通貨)の利益を得られたことになります。

【スワップポイント編】サヤ取りの特徴ややり方について

今度は、スワップポイントを狙ったサヤ取りの特徴やそのやり方を解説します。

スワップポイントを狙ったサヤ取りの特徴

スワップポイントを狙ったサヤ取りの特徴は、「価格変動の影響を受けずにスワップポイントを積み上げられる」ことです。

そのため、資金力さえあれば比較的安定して大きなスワップポイントを得られます。スワップポイントを狙ったサヤ取りは、日中忙しいビジネスパーソンや学生などにおすすめです。

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スワップポイントを狙ったサヤ取りのやり方

スワップポイントを狙ったサヤ取りのやり方は2つあります。まずは、同じ通貨ペアを使う場合のやり方を紹介します。

1.異なる取引所で口座を開設する
2.A取引所で「買い」エントリーする
3.B取引所で「売り」エントリーする

仮にA取引所のスワップポイントが50円で、B取引所のスワップポイントが-20円だとします。この場合、50円から20円を引いて30円が利益です。

次は、異なる通貨ペアを使ったサヤ取りのやり方を紹介します。

1.相関性の高い通貨ペアを探す
2.片方の通貨ペアは「買い」でエントリーし、もう一方の通貨ペアは「売り」でエントリーする

こちらのやり方は、エントリーチャンスが少ないのが唯一の欠点です。しかし、リスクが低く、為替差益のサヤ取りも狙えます。そのため、チャンスがあったら2つ目の手法も試しましょう。

サヤ取りがやりやすい海外FX取引所の特徴

サヤ取りがやりやすい海外FX取引所の特徴は2つあります。

比較チャートが見やすい

「比較チャートが見やすい」海外FX取引所はサヤ取りがやりやすいと言えます。なぜなら、比較チャートが見やすければ、売買のタイミングが図りやすいからです。

比較チャートが見にくい海外FX取引所を使う場合は、分析からエントリーまで若干のラグが生まれます。そのため、後者の場合はラグも考慮してトレードしましょう。

高金利通貨を取り扱っている

「高金利通貨を取り扱っている」海外FX取引所はサヤ取りがやりやすいと言えます。特に、スワップポイント狙いのサヤ取りを考えている人は、こちらの特徴を重視しましょう。

具体的には、トルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドや豪ドルの4つを取り扱っている海外FX取引所が理想です。また、評判も確認してスワップポイントの変動が激しい海外FX取引所は避けましょう。

海外FXでサヤ取りを行う場合の注意点

海外FXでサヤ取りを行う場合の注意点は7つあります。

過信しないよう注意

サヤ取りは、比較的勝率が高くリスクが低い取引手法です。そのため、他の取引手法よりかはリスクを取った運用ができます。

しかし、過信してリスクを高めすぎると失敗したときの代償が大きくなります。そのため、勝率が高くリスクが低いとはいえ、必ず失敗したときのことも考えて資産を運用しましょう。

相関関係の変動に注意

平日は各国で何かしらの経済指標が発表されています。この経済指標の結果によっては、為替相場が大きく動きます。トレンドが急に変わることも珍しくありません。

為替相場が大きく動くと、通貨ペアの相関関係が崩れるケースがあります。相関関数が崩れればサヤ取りは成立しません。そのため、「ファンダメンタルによって相関関係は崩れる可能性がある」というのは、頭に入れておきましょう。

取引する通貨に注意

海外FXでは「米ドル/円」のように、ふたつの通貨を組み合わせて売買します。このうち左側の通貨を「取引通貨」と言い、右側の通貨を「基軸通貨」と言います。この基軸通貨を揃えないと、サヤ取りは成立しないので注意しましょう。

例えば、米ドル/円とユーロ/ドルの組み合わせでサヤ取りするのではなく、米ドル/円と豪ドル/円の組み合わせでサヤ取りするというイメージです。

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利益率のギャップに注意

サヤ取りは、比較的リスクが低く、勝率が高い取引手法です。その一方で、利益率が低い取引手法でもあります。

また、派手な取引ではないため、面白みは少ないかもしれません。さらには、数字に基づいたトレードになるので、やや退屈な取引になります。あまり意気込み過ぎないように注意しましょう。

証拠金に注意

通常のトレードは片方のポジションのみ保有しますが、サヤ取りは買いと売りのポジションを同時にもつ必要があります。そのため、通常のトレードの2倍の資金が必要です。

しかし、レバレッジをかければ数千円程度からサヤ取りを行えます。数百万円という多額の資金は必要ないので安心してください。

スリッページに注意

スリッページとは、注文した価格と実際に約定した価格がずれることです。例えば、100円のときに注文を入れたとします。通常であれば100円で注文が通るのですが、スリッページが起こると100.006円と少しズレて注文が通ります。

スリッページは対策が難しい現象です。そのため、少しのずれも誤差と捉えられるように、サヤ取りを行う場合はなるべく広いサヤ(価格差)を狙いましょう。

スワップの変動に注意

スワップポイントは、その日によって異なります。現在のスワップポイントが永遠に続くわけではありません。エントリーを行ったら、定期的にスワップポイントの状況を確認しましょう。

スワップポイントのうまみが少なくなってきたら、他の通貨ペアに切り替えることをおすすめします。

海外FX初心者がサヤ取りする際に意識するべきこと

海外FX初心者がサヤ取りを行う場合、意識するべき3つのポイントがあります。

・まずは少額から始める
・いきなり大きな利益を狙わない
・トレード記録をつける

特に大切なのは、「少額から始める」ことです。サヤ取りはリスクが低く勝率が高いと言われているので、いきなり大金をつぎ込む人がいます。

しかし、リスクが低いだけで失敗しないわけではありません。失敗するケースももちろんあるので、しっかり最悪のケースを想定して取引する必要があります。

そのため、まずは最悪全て失ってもよい金額で試すことをおすすめします。それで慣れてきたら、徐々に投じるお金を増やしましょう。

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サヤ取りは海外FX初心者でも比較的簡単に使いこなせる

今回は、取引手法のひとつである「サヤ取り」について説明しました。サヤ取りとは、買いと売りのポジションを同時に持ち、それぞれのサヤ(価格差)を狙う取引手法です。

比較的リスクが低く、勝率が高いという特徴があります。そのため、海外FX初心者でも比較的簡単に使いこなせます。サヤ取りのやり方もシンプルなので、気になっている人は少額からチャレンジしてみると良いかもしれません。