CFD取引とは?分かりやすく種類やメリットなどを解説!

CFD取引は、数ある投資の中のひとつです。名前は知っていても、仕組みやメリットがよく分からない人もいるでしょう。そのままの状態で取引をすると大きな失敗をするリスクがあり危険です。今回は、それを防ぐためにCFD取引について分かりやすく説明します。リスクを抑えて取引する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

CFD取引の基本

まずは、CFD取引の基本を理解しましょう。非常に地味な部分ではありますが、ここを理解しないと次のステップからの内容が理解できないので注意してください。ここでは「CFD取引とは何か」「取引の仕組み」「取引可能時間」などについて説明します。

CFD取引とは?

CFD取引とは、Contract For Differenceの頭文字を取った取引方法です。日本語では、差金決済取引または証拠金取引と言われています。CFD取引は、取引結果の差額を狙う取引形態です。実際に金融資産を保有するわけではありません。

利益を得る方法は、通常のFXと同じです。予想した方向にチャートが動けば、利益を得られます。よく似ているとされている株式投資との違いは「現物の有無」です。株式投資は現物がありますが、CFD取引は現物がありません。

CFD取引の仕組み

CFD取引は、投資家と証券会社の2つで行われます。まずは簡単にCFD取引が成立する仕組みを箇条書きで説明します。

1.投資家が証拠金を証券会社に預託する
2.証券会社が注文を約定する
3.投資家が決済をしたら、差額が利益・損失になる

無担保での取引を認めると証券会社は損をする恐れがあります。これを防ぐために、証券会社はまず投資家から「証拠金」を預かります。仮に投資家が利益を得たとしましょう。この場合、証券会社は損失を負います。損失が膨らめば倒産のリスクがあります。そのリスクを避けるために、証券会社が行っているのが「カバー取引」です。

カバー取引とは、投資家が出した注文とほぼ同じ注文を、証券会社が他の証券会社や金融機関に出すことです。このようにすることで、投資家が利益を得ても証券会社は損失を出さずに済みます。

CFD取引の取引可能時間

扱う商品によって多少の違いはありますが、CFDはほぼ24時間取引できます。具体的な取引時間は以下の通りです。

・日経225先物:月曜日~金曜日の8:30~翌7:00(夏時間は7:30~翌6:00)
・Nダウ先物:月曜日~金曜日の8:00~翌6:15(夏時間は7:00~翌5:15)
・金:月曜日~金曜日の8:00~翌7:00(夏時間は7:00~翌6:00)
・WTI原油先物:月曜日~金曜日の8:00~翌7:00(夏時間は7:00~翌6:00)

CFD取引にかかるコスト

CFD取引には、以下4つのコストがかかります。

・取引する際の手数料
・スプレッド(買値と売値の差)
・オーバーナイト金利(ポジションを持ち越す場合に発生するコスト)
・配当相当分(売りのポジションを持っているときに発生するコスト)

特に注意したいのは、以下の3つです。

・スプレッド
・オーバーナイト金利
・配当相当分

小さなコストとして無視されやすいですが、取引が大きくなるとコストも大きくなります。無視せずチェックしておきましょう。

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CFD取引の種類

CFD取引は、細かく分けると「株価指数CFD」「株式CFD」「商品CFD」「バラエティCFD」の4種類があります。どれも同じCFDではありますが、特徴が異なるので注意しましょう。ここでは選択による失敗を防ぐために、CFD取引の種類とその詳細について説明します。

株価指数CFD

株価指数CFDとは、S&P500先物やNYダウ先物などをはじめとした株価指数を扱うCFDです。株価指数CFDの主な投資先は以下の通りです。

・日経225先物
・NYダウ先物
・S&P500先物
・E-mini NASD100先物
・FTSE100先物
・ドイツDAX先物

株価指数は、各国主要企業の株価が基準となっています。そのため、国の経済状況や景気状況などが色濃く反映されます。株価指数CFDを扱う人は、金融緩和の動きや企業の決算などに注目しましょう。

株式CFD

株式CFDとは、個別株式を間接的に扱うCFDです。通常、投資は「安く買って高く売る」が原則です。しかし、株式CFDは「空売り」ができます。空売りとは、先に株式を売って値段が安くなったら買い戻す取引手法です。100円で空売りして90円で買い戻せば、差額の10円が利益です。買いと売りの両方で利益を狙えるので、チャンスの数が2倍になります。

株式CFDは、アクティブな投資を好む人や下落しているタイミングでも利益を狙いたいと考えている人におすすめです。

商品CFD

商品CFDとは、金や原油などの商品先物に間接投資できるCFDです。原油価格はインフレが進むと上がる傾向にあります。金の価格は、災害や経済ショックなどが起こると上がりやすいとされています。このようなイレギュラーな状況でも利益を狙えるのが商品CFDのメリットです。

株式市場の盛り上がりがなくなると金の価格は上がる傾向にあるので、リスクヘッジ時の商品としても利用できます。

バラエティCFD

バラエティCFDとは、ブル/ベア型のETFやREITなどの不動産投資信託を扱えるCFDです。バラエティCFDの特徴は、大きな利益を狙えることです。対象指数の値動きの2倍を目指して動く投資商品もあります。

しかし、リスクも大きいので注意してください。なるべく低リスクでバラエティCFDを扱いたい場合は、短期取引をメインに行いましょう。

CFD取引のメリット

CFD取引のメリットは、「レバレッジをかけられる」ことです。「相場が下落しても利益を狙える」「投資対象が豊富」などのメリットもあります。ここではそのような、CFD取引のメリットについて説明します。

レバレッジをかけられる

レバレッジとは、投資資産を担保に資産以上の取引が可能になるシステムです。例えば、投資資産が5万円だとしましょう。レバレッジを100倍かけるとします。この場合は、500万円の投資資産があるとみなされて取引ができます。

利益も100倍になりますが、損失も100倍になるので注意しましょう。リスクとリターンのバランスに注目し、自分が扱える範囲を大きく超えないように意識してください。

相場が下落しても利益を狙える

先ほど少し触れましたが、CFDは「売りエントリー」もできるので、相場の勢いがあまりないときでも利益を狙えます。相場が下落する速度は上昇時よりも早いとされています。短期間でまとまった利益を得たい人は、相場の下落を見逃さないようにしましょう。

投資対象が豊富

CFDは、株式のみならず、株式指数や金・原油などにも投資できます。選択肢が多いので、チャンスが広がるでしょう。株式と金・原油を組み合わせてリスクヘッジするというやり方もできます。戦略・手法は無限大なので、自分の考え方・目標に合わせてカスタマイズしてみてください。

取引が可能な時間が長い

基礎知識の段落でも説明しましたが、CFDはほぼ24時間取引できます。仕事や家事などで日中忙しい人でも隙間時間や夜の時間を使って取引ができるでしょう。比較的自由度の高い投資なので、誰でも挑戦しやすいと言えます。

配当金を受け取れる

配当金の額は取引金額によって異なります。多くの配当金を受け取りたい人は、高いレバレッジをかけて取引金額を大きくしましょう。しかし、投資家が配当金を支払わなければいけないケースもあります。その基準は取引所の公式サイトに記載されているので、必ず確認しましょう。

知っておくべきCFD取引のリスク

投資は扱い方を間違えれば、危ないものになります。人によっては大切な資産を大きく減らすでしょう。これを防ぎたい場合は、事前にCFD取引のリスクを把握しておくことが大切です。「追証のリスクがある」「長期取引と相性がよくない」など、ここでCFD取引のリスクをいくつか紹介するので、参考にしてください。

追証のリスクがある

仮に投資資金が7万円だとします。20万円の損失を負いました。この場合、口座残高は-13万円です。当然、不足しているお金は投資家が支払わなければいけません。これを追証と言います。取引所には投資資金がマイナスになるのを防ぐロスカット制度があるので、追証のリスクはあまり高くありません。しかし、確率がゼロではないので注意しましょう。

長期取引との相性はよくない

CFD取引はFXに比べて値動きが激しい傾向にあるので、長期の値動きを予想するのはかなり難易度が上がります。長期取引を行いたいのであれば、CFD取引ではなくFX取引を行いましょう。CFD取引は短期取引をしたい人におすすめです。

株式投資と損益通算はできない

損益通算とは、利益と損失を合算することです。例えば、100万円の利益が出たとしましょう。この場合、100万円に対して税金がかかります。しかし、60万円の損失と損益通算したとしましょう。この場合は、40万円に対して税金がかかります。

所得が少なければ税金はあまりかかりません。有効な節税方法として有名ですが、株式投資とCFD投資はこれができないので注意しましょう。

CFD取引の情報が少ない

FXや株式投資と比べて、CFD取引の知名度は高くありません。名前を聞いたことがない人も珍しくないでしょう。CFD取引に関する情報はネット・本ともにあまり出ていません。有効な戦略や手法が少ないので、自分で試行錯誤していく必要があります。

CFDでおすすめの銘柄

CFD取引を始めるにあたって、初心者は何を選べばよいのか分からないかと思います。その場合、まずは以下の銘柄を扱ってみましょう。

・ゴールド
・原油
・日経225
・NYダウ

比較的値動きが安定しているので、初心者でも取引しやすいと言えます。

CFD取引をレバレッジ1,000倍以上で行うのは危険?

取引でもレバレッジは使えます。少ない資金で大きな利益を狙いたいのであれば、高いレバレッジをかけましょう。おすすめとされているのは1,000倍以上です。しかし、1,000倍以上のレバレッジは危険なのではないかと疑問を抱いている人もいるでしょう。結論、危険ではありません。この段落では、危険ではないと言える3つの理由を説明します。

少ない資金でCFD取引ができるため

例えば、レバレッジをかけずに100万円の取引をするとしましょう。この場合は、100万円を用意しなければいけません。それで失敗した場合は、100万円の損失を負います。しかし、レバレッジを1,000倍かければ、用意する投資資金は1,000円だけで済みます。それで失敗しても1,000円の損失しか負いません。

少ない資金でCFD取引を経験できるので、レバレッジは非常に魅力的でしょう。

ロスカットがあるため

ロスカットとは、トレーダーの資産を守るために一定割合の損失を負うと取引が強制的に終了するシステムです。例えば、資産に対して80%の損失を負ったらロスカットが発動するとしましょう。投資資産は20万円です。この場合、16万円の損失を負うと取引所が危険と判断し、取引を一旦止めてくれます。

ロスカットがあれば、投資資産を全て失うことはほぼありません。そのため、1,000倍以上のレバレッジをかけても安心して取引できます。

ゼロカットシステムがあるため

ゼロカットシステムとは、投資資産以上の損失をゼロにしてくれる制度です。例えば、40万円の投資資産があるとしましょう。取引を行い、50万円の損失を負いました。投資残高は-10万円なので、不足している分を取引所に返済しなければいけません。

しかし、ゼロカットシステムを導入している取引所は返済の義務をなしにしてくれます。投資家が負うのは50万円ではなく、40万円の損失だけです。この制度のおかげで、多額の損失を負っても借金を抱える必要はなくなります。

1,000倍以上のレバレッジをかけても積極的に取引をしていけるでしょう。ただし、ゼロカットシステムを導入していない取引所も存在します。必ず、公式サイトを見て導入されているか確認してください。

レバレッジ1,000倍のリスクを低くする方法

先ほど、「CFD取引をレバレッジ1,000倍以上で行うのは危険ではない」と説明しました。しかし、リスクがあるのも事実です。しっかりリスクを理解し、危険を避けることで高いレバレッジをかけても安全に取引することができます。そのため、ここでレバレッジ1,000倍のリスクを低くする方法を理解しておきましょう。

トレンドに逆らわない

トレンドとは、相場の流れのことです。例えば、相場が右肩上がりに上昇しているなら、「トレンドは上」と判断します。CFD取引をするにあたって、このトレンドには絶対に逆らわないでください。基本的にチャートはトレンドに沿って進んでいくからです。投資戦略の基本は「流れに乗る」ことなので、素直にトレンドと同じ方向にエントリーをしましょう。

メジャーな銘柄で取引する

メジャーな銘柄とは、日経225先物やS&P500などの取引量が多いものです。これらの銘柄は、値動きが比較的落ち着いています。ゆっくり相場を見られるので、失敗するリスクが低くなるでしょう。

落ち着いている相場で取引する

落ち着いている相場で取引をしていただきたい理由は、先ほどの段落と同じように相場をゆっくりと見ることができるからです。何事も焦ると冷静な判断ができなくなります。初心者のうちは、ゆっくりでよいので正しい判断を下せるように心がけましょう。

資金管理とリスク管理に力を入れる

確かに「レバレッジ1,000倍」という数字だけを見ると危険な取引です。しかし、このリスクは資金管理とリスク管理で制御できます。損切りの予約注文を入れたりロットの数を調整したりして、安全な取引を心がけましょう。

まとめ

今回は、CFD取引について説明しました。CFD取引とは、差金決済取引または証拠金取引のことです。金融資産の差額を狙って取引を行います。株式投資と似ていますが、違いは「現物の有無」です。

CFD取引は現物を持たずに取引を行います。レバレッジをかけられる投資商品なので、少額から始められます。ゴールドや日経225など、初心者でも扱いやすい銘柄があるのでぜひチャレンジしてみてください。