海外FXトレーダーが重視していることの一つに「期待値」があります。海外FX初心者なら期待値について理解しておくことで、資産を増やすトレードにつながります。今回は、期待についての上げ方や計算方法、効果的な使い方などを紹介します。
海外FXの期待値について
まずは期待値とは何なのか解説します。
期待値とは
海外FXで使う「期待値」とは、1回のトレードで得られる平均利益のことです。
例えば、100回トレードして50万円の利益を得たとした場合、50万円÷100回という計算式ができあがります。答えは5,000です。つまり、このままトレードを続ければ1回あたり大体5,000円の利益を得られるという計算になります。
期待値が重要と言われている理由
海外FXで勝っているトレーダーはほぼ全員期待値を重要視しています。なぜなら、期待値からは手法の有効性や取引ルールの良し悪しが分かるからです。期待値がゼロを下回っていると、負ける確率の方が高くなるので注意してください。
良い例が「宝くじ」です。宝くじは、当たると数億円の大金を得られる可能性がありますが、期待値は48%前後(100%=期待値0%)と言われています。1枚300円の宝くじを買っても期待値は144円程という計算になります。
裏を返せば144円の商品を300円払って買っていることになるので、基本的に買えば買うほど損します。当然大金が当たれば期待値は高くなりますが、多くの人はマイナスのまま終わるのが現実です。このように、勝てる見込みが薄いトレードをしないためにも期待値を把握する必要があります。
海外FX期待値の計算方法
期待値は以下の計算式で求められます。
期待値 = 勝率 × 平均利益 - 負率 × 平均損失
実際に以下の条件で計算してみます。
・勝率:60%
・平均利益:30pips
・負率:40%
・平均損失:20pips
この場合、以下の計算式ができあがります。
60% × 30pips - 40% × 20pips
答えは8です。期待値0を上回っているので、“勝てる見込みのあるトレードをしている”と判断できます。
注意!海外FXとギャンブルの期待値は違う
期待値と聞くとギャンブルをイメージする人もいるかもしれません。確かにギャンブルでも使われますが、海外FXとギャンブルでは大きく異なります。その違いは「期待値を上げられる余地の有無」です。
ギャンブルはいくらプレイヤーが努力しても、期待値を上げられる余地があまりありません。一方で、過去の相場分析や手法の有効性チェックなどから海外FXは期待値を上げられる余地があります。そのため、勝率はギャンブルよりも海外FXの方が上げやすいと言えます。
期待値の効果的な使い方
手順を交えながら、期待値の効果的な使い方を紹介します。
1.目標を定める
まずは、「目標を定める」ことが重要です。行き当たりばったりのトレードは運の要素も大きくなってしまいます。「いつまでにどのくらいの利益を得たいのか」といったゴールを決めて、そこから逆算することが大切です。ので注意しましょう。
但し、いきなり非現実的な目標を立てないようにしましょう。なぜなら、挫折して続かなくなる可能性が高くなるからです。まずはほぼ確実に達成できる小さな目標を立てることをおすすめします。
2.自分の期待値を明確にする
目標を決めたら、次は「自分の期待値を明確」にしましょう。実際に目標を達成できるようにトレードしてみてください。
そして、取引結果をノートやExcelに記録してください。ここまでできたら、期待値を実際に計算してみましょう。繰り返しになりますが、期待値は以下の計算式で求められます。
期待値 = 勝率 × 平均利益 - 負率 × 平均損失
3.逆算して資金周りを固める
期待値が1以上であれば合格です。そうしたら「資金周り」を固めましょう。まずは、「適切なレバレッジ」を決めてください。決めるのが難しい場合は、2~3倍程度に設定しておきましょう。次に1回の取引で負う最大の損失額を決めてください。
そうしたら最後に最低10回トレードするためにはいくら必要なのか考えましょう。例えば、1回の取引で負う最大の損失額は1,000円までとします。その場合、1万円以上の資金が必要とわかります。
データがないFX初心者はどうやって計算すればいいのか
期待値はデータがないと求められません。では海外FX初心者はどうすれば良いのでしょうか。初めはある程度の予想で決めてもらっても構いません。
勝率・平均利益・負率・平均損失の4つを決めれば期待値を把握できるので、自由に計算してみましょう。ただ、必ず期待値が1以上になるように計算してみてください。
海外FXの期待値を上げる方法
期待値を上げる方法をいくつか紹介します。
トレードルールを作る
1つ目は、「トレードルール」を作ることです。これを作ることで、無駄なトレードが減ります。
そうすると、精度の高い場所を厳選して取引することになるので、勝率は高くなるでしょう。期待値は「勝率×平均利益-負率×平均損失」で求められるので、勝率が高くなれば期待値は自然と高くなります。
相場の分析に力を入れる
2つ目は、「相場の分析に力を入れる」ことです。これをする目的は、先ほどと同じく「無駄なトレードを減らして勝率を高める」ためです。100%ではありませんが、チャートは過去と同じような動きをする場合があります。
例えば、過去に3回100円付近で反発しているのであれば、4回目・5回目も反発する可能性が高いでしょう。このような情報を知っていれば、わざわざ負けるようなトレードはしなくなるので、自然と勝率は高くなります。
トレンドに乗る
3つ目は、「トレンドに乗る」ことです。これはFXに限らず、他のビジネスでもセオリーとされています。例えば、コロナウイルス感染症の影響以降、一時期特にリモートワークが流行りました。このとき、リモートワーク関連のアイテムを販売していた会社は儲かったでしょう。
最近はNFTが流行っていますが、この波に乗って数百万円~数千万円稼いだ人がいます。これらの成功要因は、もちろんさまざまあると思いますが、その中の一つに「トレンドに乗ったから」というのも考えられるでしょう。
これは海外FXでも同じです。トレンドが発生しているのであれば、素直にトレンドに乗りましょう。これだけでかなりの勝率アップが期待できます。
荒れ相場や経済指標発表時はトレードを避ける
4つ目は、「荒れ相場や経済指標発表時はトレードを避ける」ことです。基本的に荒れ相場や経済指標発表時の相場は読めません。なぜなら、売買が激しくなるからです。プロのFXトレーダーでも読むのが難しいと言われています。
もちろん上手くいけば多額の利益を得られるでしょう。しかし、多額の損失を負う可能性ももちろんあるので、ハイリスク・ハイリターンです。わざわざこの相場を狙う必要はないので、無理にトレードしないようにしましょう。
利益確定と損切りのタイミングを見直す
5つ目は、「利益確定と損切りのタイミングを見直す」ことです。海外FXで勝つためには、損失を小さくして利益を大きくする必要があります。当たり前のことではありますが、実はこれをできていない人がたくさん存在します。
そのため、あまり資産が増えていかない場合、利益確定と損切りのタイミングを一度確認してみましょう。「利益>損失」の状態を作れれば、基本的に大きく負けることはありません。
トレードを改善する
6つ目は、「トレードを改善する」ことです。これはプロトレーダーが最も大切にしていることなので真似してみてください。相場は常に変化します。私たちトレーダーもその変化についていかなければいけません。
相場が変化すれば、当然手法・戦略の有効性も変わってきます。先月機能していた手法が今月は全く機能しないというケースも珍しくありません。
そのため、手法・戦略を身に付けて終わりではなく、「この手法の有効性を高められないか」という意識で取り組むことが大切です。
期待値を把握してトレードする際の注意点
期待値を把握してトレードする際の注意点を紹介します。
手法の有効性は相場の状況で変わる
1つ目は、「手法の有効性は相場の状況で変わる」ことです。先ほども説明しましたが、相場は常に変化します。そのため、手法の期待値はその時々で変わってきます。細かく手法・戦略の期待値を調べ、今はどれを使えばいいのか把握しましょう。
期待値が高くてもリスク管理は変わらずに徹底する
2つ目は、「期待値が高くてもリスク管理は変わらずに徹底する」ことです。期待値が高い手法・戦略は、勝てる確率が高いものです。しかし、100%勝てるわけではありません。トレードをしていれば、当然負けることもあります。
このときリスク管理を怠っていると多額の損失を負う場合があります。実際、数億円の利益を得ていたのにリスク管理を怠ったことで数億円の損失を出したトレーダーも存在します。そのため、調子がいいときこそ、リスク管理は徹底することを心がけましょう。
期待値が下がった場合の対処方法
期待値が下がった場合、以下のことを行ってみてください。
・取引ロットを減らす
・直近のトレード結果を見直す
・情報収集を行う
特におすすめなのは「取引ロットを減らす」ことです。調子が悪いときは、資金管理や戦略など、何かに問題があります。
原因を突き止めて解決すれば期待値は戻るはずなので、それまでロットを小さくしてリスクを減らしましょう。絶対にやってはいけないのは、ロットとレバレッジを上げることです。
トレードの期待値は1以上を目指そう
今回は、海外FXで使う期待値について説明しました。期待値とは、1回当たりのトレードで得られる平均利益のことです。
期待値が1以上であれば手法や戦略に問題なし、0以下であれば戦略や手法に問題ありと判断しましょう。もしも問題がある場合は、決済タイミングを見直したり相場分析に力を入れてみたりしてください。