FXのトレンド転換・トレンド継続の見極め方とは?ポイントと注意点を解説

FXのトレンドが特定の方向に進み続けることはありません。上昇や下降などを繰り返しながら進んでいきます。FXで上手く利益を得られない人は、このトレンドの転換・継続を見極められていない傾向があります。間違った場所でエントリーや決済をするため、継続的に利益が積み上がらないというイメージです。

今回は、この問題を解決するために「トレンドの転換・継続の見極め方」について説明します。代表的な転換パターンはもちろん、ダウ理論やダイバージェンスを使って転換を判断する方法なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

FXのトレンドを覚えよう

トレンドとは、相場(チャート)の流れのことです。「上昇トレンド」「下降トレンド」「レンジ相場」の3つがあります。FXで利益を得るためには、この3つを押さえて取引をしていく必要があります。そのため、FXのトレンドは必ず覚えておきましょう。ここでは、各トレンドの詳細について説明します。

上昇トレンド

上昇トレンドとは、チャートが右肩上がりになっている相場のことです。一時的に下がることもありますが、長い目で見ると上昇しているのが上昇トレンドの特徴です。基本的に以下の特徴に当てはまれば、現在の相場は「上昇トレンド」と判断します。

・移動平均線が上向き
・トレンドラインが上向き

下降トレンド

下降トレンドとは、チャートが右肩下がりになっている相場のことです。一時的に上がることもありますが、長い目で見ると下降しているのが下降トレンドの特徴です。基本的に以下の特徴に当てはまれば、現在の相場は「下降トレンド」と判断します。

・移動平均線が下向き
・トレンドラインが下向き

レンジ相場

レンジ相場とは、チャートの方向性がない相場のことです。例えば、チャートが100円~100.10円の間を行ったり来たりしているとしましょう。この場合、チャートは右肩上がりでも右肩下がりでもありません。真横に進んでいます。この真横に進んでいるチャートパターンを「レンジ相場」と言います。

レンジ相場の訪れはトレンド転換のサインです。レンジ相場が現れたら、次はどのようなトレンドが発生するのか注目しておきましょう。

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トレンド転換のパターンは6種類

トレンドの転換とは、相場の流れが変わることです。例えば、上昇トレンドから下降トレンドに変わることをトレンドの転換と言います。この転換は必ず起こる現象で、大きく分けると6種類あります。知らずに取引をするよりも利益を得られる可能性が高まるので、ここでトレンドの転換パターンを覚えておきましょう。

上昇トレンドから下降トレンド

上昇トレンドから下降トレンドへの転換ポイントは、チャートが直近の安値を下回ったタイミングです。例えば、「98円」「99円」と安値を切り上げながら上昇トレンドが形成されているとしましょう。このまま切り上げていけば上昇トレンドは継続とみなしますが、安値が99円を下回ったタイミングで「下降トレンドに転換した」と判断します。

チャートが上昇トレンドのサポートラインを下抜けした時点でも、トレンドが転換したと判断できます。

上昇トレンドからレンジ相場

上昇トレンドからレンジ相場への転換ポイントは、チャートが直近の高値と安値をどちらも抜けなくなったタイミングです。例えば、高値が100円で安値が98円としましょう。チャートが98〜100円の間を推移するようになったらレンジ相場に転換したと判断します。

これは高止まりと呼ばれる転換パターンで、チャートは次にどちらのトレンドを形成するか迷っている状態です。この相場では一旦取引を止めて、次の相場に乗るための準備をしましょう。

下降トレンドから上昇トレンド

下降トレンドから上昇トレンドへの転換ポイントは、チャートが直近の高値を上回ったタイミングです。例えば、現在は「102円」「101円」と高値を切り下げながらチャートが動いているとしましょう。このまま切り下げていくなら下降トレンドが継続していると判断しますが、「102円」「103円」と高値を上回っていくなら上昇トレンドに転換したと判断します。

チャートがレジスタンスラインを上抜けした時点でも、トレンドが転換したと判断できます。

下降トレンドからレンジ相場

下降トレンドからレンジ相場への転換ポイントは、直近の高値・安値を更新しなくなったタイミングです。上昇トレンドからレンジ相場に変わるパターンとほぼ同じなので、分かりやすいでしょう。

この転換パターンは下げ止まりと呼ばれるものです。レンジ相場が形成された後は、下降トレンドと上昇トレンドのどちらかが形成されます。過去のチャートパターンや直近の値動きなどを確認して、次はどのトレンドが形成されるのか分析しましょう。

レンジ相場から上昇トレンド

レンジ相場から上昇トレンドへの転換ポイントは、レジスタンスラインをチャートが上抜けしたタイミングです。レンジ相場のレジスタンスラインとは、チャートが何度も高止まりしている部分です。例えば、100円付近でチャートが何度も下降するのであれば、100円がレジスタンスラインになります。

取引リスクを低くしたい人は、レジスタンスラインをチャートがしっかり上抜けしてからエントリーするようにしましょう。

レンジ相場から下降トレンド

レンジ相場から下降トレンドへの転換ポイントは、サポートラインをチャートが下抜けしたタイミングです。レンジ相場のサポートラインとは、チャートが何度も下げ止まりしている部分です。例えば、チャートが95円付近で何度も反発して上昇するのであれば、その相場では95円がサポートラインになります。

低いリスクで取引をしたい人は、チャートがサポートラインを明確に下抜けしてからエントリーしましょう。

トレンド転換を判断する方法

プロのトレーダーは、感覚でトレンドの転換を判断する傾向があります。しかし、FX初心者がそれを真似すると失敗する可能性が高まるので注意しましょう。初めのうちは、移動平均線やトレンドラインなどのサポートツールを活用することをおすすめします。ここでは、そのサポートツールを使ってトレンド転換を判断する方法を説明します。

移動平均線を使って判断する

例えば、上昇トレンドが発生していると仮定しましょう。このとき、移動平均線は必ずチャートの下にあります。移動平均線が下でチャートを支えているという状態です。その後、チャートが下で支えていた移動平均線をブレイクすることがあります。

今度は移動平均線が上でチャートを支えているという状態です。上で支えている移動平均線を再度上にブレイクしたら上昇トレンド継続のサインです。しかし、反発してブレイクしなければ、トレンドは転換した可能性が高いと判断します。

移動平均線について詳しくはこちらをご参考ください。
>移動平均線とは?見方や手法を海外FX初心者向けに解説

トレンドラインを使って判断する

トレンドラインとは、チャートの安値・高値を1本の線で結んだものです。今回も上昇トレンドが発生していると仮定しましょう。上昇トレンドが発生している場合は、直近の下値をトレンドラインで結んでください。上手く引くことができれば、右肩上がりの線ができあがります。

このタイミングで、チャートがトレンドラインを下にブレイクするときがあります。再度上に突き抜けなければ、トレンドは転換した可能性が高いと判断しましょう。

トレンドラインについて詳しくはこちらをご参考ください。
>海外FXのトレンドラインとは?役割や手法、注意点などを徹底解説!

チャートパターンで判断する

チャートには、ダブルトップや逆三尊など、さまざまなチャートパターンがあります。例えば、現在「ダブルボトム」のチャートパターンが形成されていると仮定しましょう。ダブルボトムは「W」の形をしています。このWの真ん中がダブルボトムのネックライン(トレンド転換ライン)と言われています。

チャートがネックラインを上に突き抜ければ「トレンドは転換した」、突き抜けなければ「トレンドは継続する」と判断しましょう。

チャートパターンについて詳しくはこちらをご参考ください。
>FXチャートの種類と見方を覚えてトレードの勝率を上げよう!

ローソク足で判断する

ローソク足とは、値動きを1本のローソクで表現したチャートです。このローソク足には、明けの明星というチャートの組み合わせがあります。明けの明星とは、大陰線の後に窓を開けて小さな陰線陽線、または寄引同時線が出現し、最後に陽線が現れた組み合わせです。この明けの明星が出現したら上昇トレンドへ転換する可能性が高いと判断しましょう。

また、大陽線の後に窓を開けて小さな陰線陽線、または寄引同時線が出現し、最後に陰線が出現する宵の明星というチャートの組み合わせもあります。宵の明星が出現したら、下降トレンドへ転換する可能性が高いと判断しましょう。

他のローソク足の組み合わせについて詳しくはこちらをご参考ください。
>ローソク足の包み足とはらみ足とは?反転サインを覚えてチャンスを生かそう!

ダウ理論を使ってトレンドの転換を判断する方法

ダウ理論とは、米国のジャーナリスト「チャールズ・ダウ」が考案したマーケット理論です。6種類の基本法則で構成されており、これを活用することでトレンドの転換を判断できます。しかし、少し複雑で難しいので注意しましょう。今回は、ダウ理論を噛み砕いてなるべく分かりやすくトレンド転換の判断方法を紹介します。

ステップ1:ダウ理論上のトレンドを把握する

まずは、ダウ理論上のトレンドを把握しましょう。ダウ理論では、「明確な転換シグナルが発生するまでトレンドは継続する」とされています。もう少しかみ砕くと、以下のようになります。

・上昇トレンド:高値を更新しつつ安値を切り上げている状態
・下降トレンド:安値を更新しつつ高値を切り下げている状態

現在の相場は上記のどちらに当てはまるのか判断しましょう。今回は、「上昇トレンドが発生している」と仮定して説明していきます。

ダウ理論について詳しくはこちらをご参考ください。
>FXのダウ理論とは?基本法則や実践で使える手法を紹介!

ステップ2:直近の高値と安値を把握する

次は、直近の高値・安値を把握しましょう。このとき、ザックリとした視点で高値と安値を見てください。パッと見たときに一番高い場所(高値)はどこなのか、一番低い場所(安値)はどこなのか把握しましょう。

ステップ3:高値と安値を割るかで転換を判断する

最後に、チャートは高値と安値のどちらを割るのかチェックしましょう。今回は、上昇トレンドが発生していると仮定しているので、チャートは安値を割るかをチェックしてください。チャートが安値を割ったら、「上昇トレンドは下降トレンドに転換した」と判断します。なぜなら、ダウ理論で言う「明確な転換シグナルが発生した」からです。

安値を割らなかった場合は、明確な転換シグナルが出ていないので、現在のトレンドが継続すると判断します。

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ダイバージェンスでトレンドの転換を判断する

FXの相場では、ダイバージェンスと呼ばれる現象が発生する場合があります。このダイバージェンスでもトレンドの転換を判断できるので、出現を見逃さないようにしてください。この現象は比較的分かりやすいので、FX初心者でも見つけやすいでしょう。ここでは、ダイバージェンスの概要やそれを使ったトレンド転換の判別方法について説明します。

ダイバージェンスでトレンドの転換を判別する

ダイバージェンスとは、チャートとオシレーターの動きが逆行する現象のことです。例えば、レートのチャートが上昇しているとしましょう。通常であれば、オシレーターのチャートも上昇します。しかし、稀にレートのチャートは上昇しているのにオシレーターのチャートは下降しているときがあります。この状態が「ダイバージェンス」です。

ダイバージェンスの発生は、一般的にトレンドの転換サインとされています。そのため、この場合は近いうちに上昇トレンドが下降トレンドに転換すると判断できます。ただし、以下のような点に注意しましょう。

・ダイバージェンスは解消されることがある
・ダイバージェンスを過信すると失敗する恐れがある

注意点の詳細を知りたい人は、ぜひこのまま読み進めてください。

ダイバージェンスについて詳しくはこちらをご参考ください。
>海外FXのダイバージェンスとは?見方やおすすめのインジケーターを紹介!

RSIを使用してダイバージェンスを確認できる

RSI(アールエスアイ)とは、その通貨ペアが買われ過ぎているのか、売られ過ぎているのかを判断する際に役立つインジケーターです。主に相場の過熱感を分析する際に使われますが、実はダイバージェンスも確認できます。以下の手順で発見してみてください。

1.RSIの期間を14に設定する
2.チャートの動きとRSIの動きが逆行している部分を発見する
3.ダイバージェンスの発見

RSIのチャートは1本と非常にシンプルなので、FX初心者でも見やすいでしょう。インジケーターの活用を考えている人は、まずRSIから使ってみることをおすすめします。

RSIについて詳しくはこちらをご参考ください。
>海外FXのRSIとは?使い方や見方などを徹底解説!

ダイバージェンスは解消されることがあるので注意!

一度ダイバージェンスが発生しても、それが次のチャートで解消される場合があります。この場合は、トレンドは転換しなかった(ダイバージェンス解消)と判断します。もしもこのパターンに遭遇した場合は、すぐ損切りしましょう。

ダイバージェンスだけを過信しない!

トレンドは、ダイバージェンスを繰り返しながら継続する場合もあります。このパターンは終わりが見えません。3回ダイバージェンスが発生してもトレンドが転換しない場合は、一度損切りして戦略を立て直しましょう。

また、チャートには「このようになったらトレンドが転換する」という決まりがありません。ダイバージェンスが起こらずにトレンドが転換する場合もあります。このパターンが起こると、チャートは大きく動きます。大きな利益を得られるチャンスではあるのですが、見極めるのも難しいパターンです。

FX初心者は、初めからこのパターンを狙うのではなく、まずダイバージェンスを確認してからトレンドの転換を見極めましょう。

トレンド転換の注意点

トレンドの転換を見極められるようになれば、利益を得られる確率が高くなります。ポジションを決済するタイミングも計れるので、利益確定と損切りが上手くなるでしょう。しかし、2つ注意点があります。この注意点を覚えずに取引をすると、間違ったタイミングでトレンドの転換を判断する可能性があるので注意してください。

上位足のトレンドを優先する

トレンドの転換を判断する場合は、上位足のトレンドを優先しましょう。なぜなら、力は上位足の方が強いからです。例えば、5分足では下降トレンドに転換したが、4時間足では上昇トレンドが継続しているとしましょう。この場合は、基本的に上昇トレンドが発生しているとみなして取引をしていく必要があります。

チャートが急騰する恐れがあるので、短時間足を使って取引をする場合は、しっかり上位足のトレンドも意識してトレードしましょう。

感覚で転換を判断しない

トレンドの転換は、感覚で判断しないように注意してください。トレンドの転換を見極めるのは簡単ではありません。それゆえ、感覚でトレンドの転換を判断する人もいます。それだと長期的には勝てない可能性が高いので注意しましょう。なぜなら、投資ではなく投機(ギャンブル)になっているからです。

ダウ理論でもありましたが、トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続します。トレンドの転換を判断する場合は、必ず根拠をもちましょう。

まとめ

今回は、FXのトレンド転換・継続の見極め方について説明しました。トレンド転換のパターンは6つあります。FX初心者は、まず「上昇トレンドから下降トレンド」へ転換するパターンと「下降トレンドから上昇トレンド」へ転換するパターンを探してみましょう。6つの中でこの2つは比較的シンプルで見つけやすいからです。

慣れてきたらレンジ相場からの転換パターンも練習してみてください。なお、初めのうちはインジケーターを併用することを推奨します。転換・継続の基準が視覚的になるので、時間が経っても見失わずに済みます。