海外FXの投資手法は、大きく「順張り」と「逆張り」の2種類に分けられます。今回は、そのうちのひとつ「逆張り」について、逆張りとはどういう手法なのか、具体的な投資戦略まで解説します。
海外FXで使える逆張りについて
まずは、逆張りについて説明します。
逆張りとは
逆張りとは、トレンドと逆方向にエントリーするトレード手法です。例えば、現在相場が上昇しているとします。このときに、買いでエントリーするのは「順張り」で、売りでエントリーするのが「逆張り」です。
逆張りは、「大きな利益を狙える」という特徴があります。なぜなら、トレンド転換のほぼ頂点・底でエントリーできるからです。順張りだとトレンドが発生したのを確認してからエントリーするので、逆張りほど大きな利益は狙えません。そのため、大きな利益を狙いたいのであれば、逆張りもしっかり覚えておきましょう。
逆張りは日本人向けの取引手法?
一般的に逆張りは、日本人向けの取引手法と言われています。例えば、相場が100円の商品があったとします。その後、この商品は150円に値上がりしました。
この場合、「落ち着いたら相場の価格に戻るだろう」と考える日本人が多い傾向にあります。そのため、逆張りトレーダーには日本人の割合が若干ながらも多いとされています。
逆張りを使った具体的な取引手法
ここからは、逆張りを使った具体的な取引手法を紹介します。
レンジ相場を使った取引手法
レンジ相場とは、チャートが一定の価格内を上下する相場のこと。レンジ相場を使った取引手法は、例えばチャートが100円と99円の間で上下しているとした場合、この動きが今後も続くだろうと読むのであれば、チャートが100円に近づいたら売りでエントリー、99円に近づいたら買いでエントリーを行うといった手法です。
レンジ相場は比較的読みやすい相場です。そのため、逆張り初心者はレンジ相場の逆張りを狙ってみると良いかもしれません。
レジスタンスラインとサポートラインを使った取引手法
レジスタンスラインとは、チャートを上で抑えている抵抗線のこと。サポートラインとは、チャートを下で支えている支持線のことです。
チャートは、これらの線に近づくと反発する、もしくは突き抜ける傾向があります。そのため、反発すると読むのであれば、いずれかの線付近で逆張りを行うといった手法です。
相場の急騰や急落を利用した取引手法
経済指標発表時や要人発言時は、相場が急騰・急落する傾向があります。しかし、急騰・急落するだけではありません。相場が急激に傾くとその相場を正常に戻そうとする力も働きます。
この特性を利用して、相場が急騰したら売りでエントリー、急落したら買いでエントリーを行うといった手法です。しかし、この方法は高いリスクが伴うため、この取引手法を使う場合はリスク管理も徹底しましょう。
相場の過熱感を利用した取引手法
海外FXには、「RSI」という相場の過熱感を把握できるテクニカル指標があります。相場の過熱感は0%から100%の数値で表されており、30%以下は通貨が売られすぎ、70%以上は通貨が買われすぎと判断します。
通貨が買われすぎ・売られすぎとなった場合に、近い将来トレンドが変わる傾向にあります。そのため、RSIの数値が30%を下回ったら買いでエントリー、70%を上回ったら売りでエントリーを行うといった手法です。
逆張りの勝率を上げる方法
逆張りの勝率を上げる方法を紹介します。
東京時間で取引する
逆張りの勝率を上げたい場合は、東京時間で取引しましょう。なぜなら、東京時間は相場が落ち着いており、レンジ相場が現れやすいからです。
反対にロンドン時間やニューヨーク時間はトレンドが発生しやすいので、順張りに最適です。東京時間は、9時に開き15時に閉まります。
分散投資を行う
逆張りの勝率を上げたい場合は、分散投資を行いましょう。分散投資とは、その名の通り、エントリーを複数回に分けて行う投資手法です。これを行うことで、多少の失敗をカバーできます。
具体的には、等間隔で同じロット数エントリーしましょう。例えば、レートが100円のときに0.1Lotで買いエントリーした場合、99円になったらまた0.1Lot買いエントリー、98円になったらまた0.1Lot買いエントリーするというイメージです。
「等間隔」と「同じロット数」というルールを守らないと、分散投資の意味がなくなるので注意してください。
変に欲張らない
逆張りの勝率を上げたい場合は、変に欲張らないようにしましょう。逆張りは大きな利益を狙える取引手法です。それゆえ、1回の取引で大金を得ようとする人が多い傾向にあります。
しかし、大金を得ようとするほど失敗するリスクも高まります。そのため、1回で大きな利益を狙うのではなく、小さい利益を10回積み上げて大きな利益を作るというやり方にシフトした方が比較的安全に取引できます。
逆張りと相性がよいテクニカル指標
逆張りと相性がよいテクニカル指標を紹介します。
MACD
MACDとは、短期移動平均線と中長期移動平均線が組み合わされているテクニカル指標です。主に順張りで使われるのですが、逆張りで使う場合は「ダイバージェンス」を狙いましょう。ダイバージェンスとは、テクニカル指標のチャートが相場と逆行する現象のことです。
例えば、相場は上昇しているのにMACDは下降しているという状態のことをダイバージェンスと言います。ダイバージェンスは、トレンドの終わりを意味しているため、ダイバージェンスが発生したら現在のトレンドとは逆方向にエントリーしましょう。
モメンタム
モメンタムとは、相場の勢いを分析できるテクニカル指標です。0%を基準にチャートの勢いを判断します。基本的に0%よりもチャートが上にあれば買い勢力が強い、0%よりも下にあれば売り勢力が強いと判断します。
そのため、チャートが0%よりも下にあったら買いでのエントリーを、0%よりも上に合ったら売りでのエントリーを検討しましょう。
サイコロジカルライン
サイコロジカルラインとは、トレーダーの心理状態を数値化したテクニカル指標です。サイコロジカルラインは、50%を基準とします。そして、数値が75%以上であれば通貨は買われすぎている、25%以下であれば通貨は売られすぎていると判断します。
RSI
RSIとは、通貨の売買比率を数値化したテクニカル指標です。50%を基準とし、70%以上であれば通貨が買われすぎている、30%以下であれば通貨が売られすぎていると判断します。
そのため、この数値をもとに逆張りを仕掛けましょう。しかし、数値80%以上は買い勢力が強すぎる、20%以下は売り勢力が強すぎると判断します。これだと、トレンドは継続する可能性が高いので逆張りする際はリスク管理を徹底しましょう。
逆張りする場合の注意点
逆張りする場合の注意点を説明します。
逆張りはリスクが大きい
逆張りは、「リスクが大きい」ので注意しましょう。順張りであれば、トレンドの発生を確認してからエントリーするため比較的低リスクで取引できます。
しかし、逆張りはトレンド転換の予兆が現れたらエントリーする必要があるので、順張りよりかはリスクが高くなります。そのため、初めて逆張りする場合は必ず最低ロットから始めることをおすすめします
エントリーチャンスが少ない
逆張りは、「エントリーチャンスが少ない」ので注意しましょう。大体エントリーチャンスは、順張りの半分以下になる印象です。
そのため、逆張りだけで戦うのではなく、メイン手法は順張りにしてサブ手法として逆張りを考えておくとかなりスムーズに取引できます。
強いメンタルが求められる
逆張りは、「強いメンタルが求められる」ので注意しましょう。逆張りはトレンドの転換を確認する前にエントリーする必要があるので、トレンドが転換するまでは不安を抱くかと思います。
しかし、トレンドが転換するまでは我慢しなければいけません。慣れるまでは不安が大きいと思いますので、まずは少額から始めることをおすすめします。
必ず上位足の流れを意識する
逆張りする際、必ず「上位足の流れ」も意識しましょう。なぜなら、力は上位足の方が強いからです。例えば、5分足で上昇トレンド転換の予兆が出ていたとします。しかし、4時間足では上昇トレンド継続の予兆が出ています。この場合、短期的には下降トレンドが生まれるでしょう。
さらに長い目で見ると、上昇トレンドの途中という予測ができます。いつか相場が急騰する可能性が高いので、今回のケースでは相場の急騰を気にしながら逆張りトレードする必要があります。上位足の確認を怠ると大きな損失を負う恐れがあるので注意しましょう。
損切りのポイントは予め決めておく
逆張りする際、必ず「損切りのポイント」は予め決めておきましょう。具体的には、トレンド転換の目安付近に損切り注文を入れておくことをおすすめします。こうすることで、損失を最小限に抑えられます。
損切りは、順張りよりもリスクが高い取引手法です。損切りを入れることでこのリスクを少し下げられるので、必ず損切りのポイントは予め決めておきましょう。
トレンドの転換を見極めて逆張りを仕掛けよう
今回は、海外FXで使える逆張りについて解説しました。逆張りとは、トレンドと反対方向にエントリーする投資手法です。トレンドの転換の頂点・底でエントリーできるので、上手く仕掛けられれば大きな利益を得られます。
しかし、トレンドの転換を確認する前にエントリーする手法なので、順張りよりもリスクが高まります。そのため、これから逆張りを行うFX初心者の方は、まず少額かつ最低ロットから始めることをおすすめします。